第5節 家 庭
第1款 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,生活の質の向上と社会の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活産業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 生活産業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,生活の質の向上と社会の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 生活産業基礎
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,衣食住,ヒューマンサービスなどに関する生活産業や関連する職業を担う職業人として必要な基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活産業や関連する職業について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 生活産業や関連する職業に関する課題を発見し,生活産業を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 生活産業や関連する職業への関心を高め,適切な進路選択と専門性の向上を目指して自ら学び,生活産業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 生活産業を学ぶに当たって
ア 働くことの社会的な意義や役割
イ 職業人に求められる倫理観
ウ 産業構造の変化と課題
エ 生活産業の意義と役割
(2) ライフスタイルの変化と生活産業
ア 社会の変化とライフスタイルの多様化
イ 生活産業の発展と伝統産業
(3) ライフスタイルの変化に対応した商品・サービスの提供
ア 消費者ニーズの把握
イ 商品・サービスの開発及び販売・提供
ウ 関係法規
(4) 生活産業と職業
ア 食生活関連分野
イ 衣生活関連分野
ウ 住生活関連分野
エ ヒューマンサービス関連分野
(5) 職業生活と自己実現
ア 職業選択と自己実現
イ 社会の変化と職業生活
ウ 将来設計と進路計画
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,この科目の導入として扱い,社会や産業全体の課題及びその解決のために生活産業が果たしている役割について,具体的な事例を通して指導すること。
イ 〔指導項目〕の(3)については,職業人に求められるマネジメントの重要性に着目し,消費者の多様なニーズを的確に把握するとともに,商品・サービスの開発から販売・提供に結び付けていく一連の流れを踏まえ,それらに関する実習を取り入れるなど指導を工夫すること。
ウ 〔指導項目〕の(4)のアからエまでについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のウについては,サービス産業の発展などを扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,経済の発展に伴い,就労形態や価値観,ライフスタイルが多様化している状況を扱うこと。また,社会の変化の一つとして人口減少社会についても取り上げること。イについては,社会の変化に伴う生活に関する価値観の多様化や消費者の多様なニーズに応えるために生活産業が発展している状況及び伝統産業の現状と課題や今後の展望を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,消費者の多様なニーズを捉える調査方法や結果を商品開発等に活用する方法などを扱うこと。イについては,身近で具体的な事例を取り上げ,商品・サービスの企画,開発から生産,販売・提供に結び付けていく仕組みを扱うこと。ウについては,商品やサービスの販売・提供に関する法規を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,具体的な事例を通して生活産業の種類や特徴及び関連する職業や必要な資格を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,生活産業に関わる職業人に求められる資質・能力と役割や責任,職業資格,進路設計などを専門科目の学習と関連付けて扱うこと。
第2 課題研究
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,生活の質の向上や,社会を支え生活産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活産業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付けるようにする。
(2) 生活産業に関する課題を発見し,生活産業を担う職業人として解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。
(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,生活産業の発展や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 調査,研究,実験
(2) 作品製作
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
(5) 学校家庭クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(5) までの中から,個人又はグループで生活産業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,生活産業に関する課題の解決に取り組むことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(5)までの2項目以上にまたがるものを設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。
第3 生活産業情報
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用し,生活産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活産業の各分野における情報の意義や役割,情報及び情報技術を活用する方法について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 生活産業に関する課題を情報及び情報技術を活用して発見し,生活産業を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 生活産業における情報及び情報技術の活用や専門性の向上を目指して自ら学び,生活の質の向上と社会の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 情報化の進展と生活産業
ア 情報化の進展と社会
イ 生活産業における情報化の進展
(2) 情報モラルとセキュリティ
ア 情報モラル
イ 情報通信ネットワークの仕組みとセキュリティ管理
(3) コンピュータとプログラミング
ア モデル化とシミュレーション
イ アルゴリズムとプログラミング
(4) 生活産業におけるコミュニケーションと情報デザイン
ア 目的に応じたコミュニケーション
イ 情報コンテンツと情報デザイン
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,情報機器や情報通信ネットワークを活用できるよう実習を中心とした指導を行うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,情報化の進展に伴う産業や生活の変化を扱うこと。イについては,生活産業における情報機器及び情報通信ネットワークの役割や利用状況を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任などの情報モラル及び情報通信ネットワークにおけるセキュリティ管理の重要性を扱い,関連する法規等についても触れること。
ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なプログラミング言語を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,生活産業に関連した具体的な事例を通して効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法を扱うこと。アについては,メディアの特性に触れるとともに,目的や対象に適した情報技術によるコミュニケーションを扱うこと。
第4 消費生活
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,消費者の視点に基づく豊かな消費生活の実現を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 経済社会の動向,消費者の権利と責任,消費者と行政や企業との関わり及び連携の在り方などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 消費生活に関する課題を発見し,消費者の視点をもった職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) よりよい消費生活の実現を目指して自ら学び,消費者の支援や持続可能な社会の形成に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 経済社会の動向と消費生活
ア 国民経済と消費者
イ 社会の変化と消費生活
ウ 多様化する流通・販売方法と消費者
エ 決済手段の多様化と消費者信用
オ 生活における経済の計画と管理
(2) 消費者の権利と責任
ア 消費者問題
イ 消費者の権利と関係法規
ウ 消費生活と契約
エ 消費者教育
(3) 消費者と行政,企業
ア 消費者の自立支援と行政
イ 消費者と企業
(4) 持続可能な社会を目指したライフスタイル
ア 消費生活と環境
イ 持続可能な社会の形成と消費行動
(5) 消費生活演習
ア 商品・サービス研究
イ 消費者支援研究
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 地域の消費生活関連機関等と連携を図るなど,指導を工夫すること。
イ 〔指導項目〕の(5)については,ア又はイのいずれかを取り上げ,(1) から(4)までと関連付けながら,個人又はグループで適切な課題を設定し,考察できるよう指導を工夫すること。イについては,消費生活相談機関や企業の消費者相談などの具体的な事例を取り上げるなど指導を工夫すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,経済社会の動向を踏まえ,消費生活が複雑化・多様化し,発生する消費者問題が深刻化している現状を扱うこと。ウ及びエについては,最新の状況を理解できるように留意して扱うこと。オについては,家族の生涯の経済設計や家計の収支,金融,社会保障などと関連付けて扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,これまでの代表的な消費者問題と関連する制度の時系列的な経緯を経済社会の変化などの背景を踏まえて扱うとともに,消費者被害の救済,制度の新設や変更などについても扱うこと。イについては,消費者行政及び消費者に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。その際,実生活の観点から興味・関心が高まるよう身近で具体的な事例を取り上げること。エについては,関係する法規の趣旨を踏まえて扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,地方自治体の消費者政策も取り上げ,具体的な事例を通して各地域における独自の制度や実情を扱うこと。また,イについては,企業の消費者志向経営や社会的責任などについても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,地球環境問題や国際的な動向も視野に入れ,持続可能な消費生活について考察できるよう具体的な事例を通して扱うこと。
第5 保育基礎
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,保育を担う職業人として必要な基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 保育の意義や方法,子供の発達や生活の特徴及び子供の福祉と文化などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 子供を取り巻く課題を発見し,保育を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 子供の健やかな発達を目指して自ら学び,保育に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 子供の保育
ア 保育の意義
イ 保育の方法
ウ 保育の環境
(2) 子供の発達
ア 子供の発達の特性
イ 乳児期の発達
ウ 幼児期の発達
(3) 子供の生活と養護
ア 乳幼児期の生活の特徴と養護
イ 生活習慣の形成
ウ 健康管理と事故防止
(4) 子供の福祉
ア 児童観の変遷
イ 児童福祉の理念と関係法規・制度
ウ 子供の福祉を支える場
(5) 子供の文化
ア 子供の文化の意義
イ 子供の遊びと表現活動
ウ 子供の文化を支える場
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 実際に子供と触れ合う学習ができるよう,幼稚園,保育所,認定こども園及び地域の子育て支援関連施設などと連携を図り,指導の充実に努めること。
イ 子供の発達や生活の特徴について,保育と関連付けて理解できるよう指導を工夫すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,適切な養護と教育的な関わりを営む保育の重要性を扱うこと。イについては,具体的な事例を通して心身の状態や発達に応じた保育を扱うこと。ウについては,保育環境としての家庭及び幼稚園,保育所や認定こども園などの役割を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,子供が主体的に環境に関わることによって心身の発達が促されることや,発達における個人差などを扱うこと。また,乳幼児期は,特に,基本的人間関係の樹立のために「愛着」が重要であることを具体的な事例を通して扱うこと。イ及びウについては,月齢や年齢に応じた発達の姿を,身体発育,運動機能,認知機能,情緒,人間関係などの様々な発達の側面から全体的に捉えられるよう扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,子供の健康な生活に必要な食を営む力など基本的生活習慣の形成の基礎についても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)のイについては,児童福祉に関する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)のアについては,子供のための文化活動,児童文化財,児童文化施設などの重要性を扱うこと。イについては,具体的な活動を通して子供の遊びや表現活動の意義を扱うこと。その際,遊びの重要性及び遊びの種類と発達との関わりについても扱うこと。ウについては,子供の遊びや表現活動を支える代表的な施設を取り上げ,その意義と活用を扱うこと。
第6 保育実践
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,保育を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 子供の表現活動や子育て支援について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 保育や子育て支援に関する課題を発見し,子供を取り巻く環境の変化に対応した保育を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 保育の充実を目指して自ら学び,保育や子育て支援の実践に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 子供の表現活動と保育
ア 造形表現活動
イ 言語表現活動
ウ 音楽・身体表現活動
エ 情報手段などを活用した活動
(2) 子育て支援と保育
ア 子供・子育ての問題
イ 子育て支援のための各種施設
ウ 子育て支援
(3) 保育の活動計画と実習
ア 保育の活動計画
イ 保育実習
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 子供の表現活動や子育て支援について,具体的に理解できるよう,幼稚園,保育所,認定こども園及び地域の子育て支援関連施設などと連携を図り,単に子供と触れ合うだけでなく,綿密な計画に基づき保育者の視点をもった実習を行うことができるよう指導を工夫すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,子供の表現活動を保育の場で展開するための基本的な技術を身に付けることができるよう実習を中心として扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,子育て支援に関する社会的背景を取り上げ,子育て支援施策の概要を扱うこと。また,子供の虐待とその防止などに触れること。ウについては,具体的な事例を通して保育者が行う保護者支援を扱うこと。
第7 生活と福祉
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,高齢者の自立生活支援と福祉の充実を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 高齢者の健康と生活,介護などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 高齢者の健康と生活,介護などに関する課題を発見し,高齢者の自立生活支援と福祉の充実を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 家族や地域の人々の豊かな生活の実現を目指して自ら学び,高齢者の生活の質の向上と自立生活支援に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 健康と生活
ア 健康の概念
イ ライフステージと健康管理
ウ 家庭看護の基礎
(2) 高齢者の自立生活支援と介護
ア 高齢者の心身の特徴
イ 人間の尊厳と自立生活支援の考え方
ウ 高齢者介護の基礎
(3) 高齢者福祉の制度とサービス
ア 人口減少社会と社会福祉
イ 高齢者福祉の法規と制度
ウ 保健・医療・福祉サービス
(4) 生活支援サービスと介護の実習
ア 生活支援サービスの実習
イ 介護の実習
ウ レクリエーションの実習
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(4)については,校内での実習を踏まえて,高齢者と接する機会を設けたり,福祉施設などの見学や実習を取り入れたりするなど指導を工夫すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,健康の概念と健康状態に影響を及ぼす要因などを扱うこと。イについては,ライフステージごとの健康問題の特徴を踏まえ,生活習慣病の予防など高齢期に至るまでの健康管理の必要性を扱うこと。ウについては,体温測定や応急手当などの基礎的な内容を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,アとの関連を図り,加齢に伴う心身の変化を踏まえ,認知症への理解を深めるなど人間の尊厳や自立生活支援を扱うこと。また,高齢者の自己決定に基づく自立生活支援の重要性についても扱うこと。ウについては,高齢期における人間の尊厳の重要性と関連付けながら,介護の意義と役割や高齢者介護の基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,日本の高齢化の進展状況と人口減少社会を踏まえた社会福祉の今後の展開を扱うこと。イについては,高齢者福祉に関する法規や制度の目的と概要を扱うこと。ウについては,高齢者に関する保健・医療・福祉サービスの具体的な事例を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,主に調理,被服管理,住環境の整備などの家事援助や見守り,買物などを扱うこと。イについては,食事,着脱衣,移動などの介助や体位変換などの基本的な介護技術を扱うこと。ウについては,レクリエーションが高齢者の身体的,精神的な機能や社会性などの維持・向上に有効であることと関連付けて扱うこと。
第8 住生活デザイン
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,豊かな住生活の実現を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 住生活と文化,住空間の構成と計画,インテリアデザインなどについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 快適な住空間の計画やインテリアデザインに関する課題を発見し,豊かな住生活の実現を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 豊かな住生活の実現を目指して自ら学び,住空間のデザインに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 住生活と文化
ア 日本の住生活と文化
イ 世界の住生活と文化
(2) 住空間の構成と計画
ア 住生活と住空間
イ 住空間の構造と材料
ウ 住空間の環境と設備
エ 住空間の平面計画実習
(3) インテリアデザイン
ア インテリアデザインの構成要素
イ インテリアデザインの表現技法
ウ インテリアデザイン実習
(4) 福祉住環境と室内計画
ア 住生活と福祉
イ 住空間のバリアフリー化
ウ 住空間のリフォーム計画実習
(5) 住生活関連法規
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(2)のエ,(3)のウ及び(4)のウについては,実習を中心として扱い,個人又はグループで適切な課題を設定するなど,生徒の主体的な学習活動の充実を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,日本の各時代の特徴的な住居様式を取り上げ,気候や風土と住居との関わり,生活様式や起居様式と住居との関わり,住意識や住要求と住居との関わり,伝統的な和室でのマナーなどを扱うこと。イについては,世界の特徴的な住居様式を取り上げ,気候や風土と住居との関わり,生活様式と住居との関わり,世界の特徴的な住居におけるマナーなどを扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,人体寸法,動作寸法,作業寸法などを扱うとともに,住居の平面計画の基本であるゾーニング,動線,各室の配置と位置関係などを扱うこと。イについては,住居の構造と材料に関する基礎的な事項を扱うとともに,地震に強い住空間の計画を扱うこと。ウについては,健康で安全な室内環境の条件,室内環境整備のための設備を扱うとともに,住居の省エネルギー化についても扱うこと。また,住空間の延長としての住居周りの外部のデザインと整備についても扱うこと。エについては,住居の平面計画を検討し,平面表示記号などを用いて平面図を作成させること。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,色彩,形態,材質感などを扱うとともに,各室の床,壁,天井,家具,カーテンなどを扱うこと。イについては,インテリア計画の手順と表現技法を扱うこと。ウについては,適切な住空間を取り上げ,全体的に調和のとれたインテリアコーディネートとその表現についても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)のイについては,アを踏まえて具体的な事例を通して住空間のバリアフリー化の考え方を扱うこと。ウについては,住宅をバリアフリーにリフォームする計画を取り上げ,画像や図面などで表現する方法を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,(2)から(4)までの各項目に関連する基本的な法規の目的と概要を扱うこと。
第9 服飾文化
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,服飾文化の伝承と創造を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 服飾の変遷と文化,着装などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 服飾文化に関する課題を発見し,服飾文化の伝承と創造を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 豊かな衣生活の実現を目指して自ら学び,服飾文化の伝承と創造に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 服飾の変遷と文化
ア 服飾の多様性
イ 日本の服飾
ウ 世界の服飾
(2) 着装
ア 着装の基本
イ 洋服の着装
ウ 和服の着装
(3) 服飾文化の伝承と創造
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,多様な民族の服飾の形態を取り上げ,服飾の起源や基本型と関連付けて指導すること。
イ 〔指導項目〕の(3)については,(1)及び(2)と関連付けながら,個人又はグループで適切な課題を設定し,考察できるよう指導を工夫すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のイ及びウについては,歴史的背景,気候や風土,文化などとの関わりを扱うこと。ウについては,西洋の服飾を中心に取り上げ,アジアやその他の地域の服飾についても触れること。
イ 〔指導項目〕の(2)については,トータルコーディネートと社会生活上の着装のマナーについても扱うこと。
第10 ファッション造形基礎
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,ファッションの造形を担う職業人として必要な基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 被服の構成,被服材料の種類や特徴,被服製作などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 被服製作やデザインに関する課題を発見し,ファッションの造形を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 衣生活の充実向上を目指して自ら学び,ファッションの造形に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 被服の構成
ア 人体と被服
イ 立体構成と平面構成
(2) 被服材料
ア 被服材料の特徴と性能
イ 用途に応じた被服材料の選択
(3) 洋服製作の基礎
ア 採寸
イ 型紙の基本
ウ デザインと材料の選択
エ 裁断
オ 仮縫いと補正
カ 縫製
キ 仕上げ
ク 着装
(4) 和服製作の基礎
ア 和服の構成と名称
イ 材料の選択
ウ 寸法の見積りと裁断
エ 縫製
オ 仕上げ
カ 着装
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,いずれかを選択して扱うことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,人体構造と被服との関係性,人体を覆う被服の形,動作に適応した被服のゆるみなどを扱うこと。イについては,立体構成と平面構成の特徴を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,繊維,糸及び布を中心に扱い,新素材や特殊素材についても触れること。
ウ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,資源や環境に配慮した材料の扱い方についても触れること。
第11 ファッション造形
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,ファッション製品の創造的な製作を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) デザインや着用目的に応じたより高度なファッション造形について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) ファッション造形に関する課題を発見し,ファッション製品の製作を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 衣生活の充実向上と創造性豊かな作品の製作を目指して自ら学び,ファッションの造形に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) ファッション造形の要素
ア デザイン
イ 構成技法
ウ 材料
エ 縫製
(2) 洋服製作
ア デザインの選定
イ 材料の選択と取扱い
ウ パターンメーキングとアパレルCADの活用
エ 裁断
オ 仮縫いと補正
カ 縫製
キ 仕上げ
ク 着装
(3) 和服製作
ア 材料の選択
イ 裁断
ウ 縫製
エ 仕上げ
オ 着装
(4) 総合実習
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,いずれかを選択して扱うことができること。
イ 〔指導項目〕の(4)については,個人又はグループで適切な課題を設定するなど,生徒の主体的な学習活動の充実を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,具体的な事例を通して立体裁断と平面製図の特徴や方法を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,デザインに応じた被服材料の特徴や性能,性質などを扱うこと。ウについては,デザインに応じたパターンメーキングやアパレルCADシステムなどを扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,資源や環境に配慮した材料の扱い方についても触れること。
第12 ファッションデザイン
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,ファッション産業を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) ファッションデザインの基礎,発想や表現の方法などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) ファッションデザインに関する課題を発見し,ファッション産業を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) ファッション産業の発展を目指して自ら学び,ファッションの創造的なデザインに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) ファッションデザインを学ぶ意義
ア ファッションデザインの考え方
イ ファッションデザインの変遷と流行
(2) ファッションデザインの基礎
ア 形態
イ 色彩
ウ 文様
エ 材質感
オ 要素の統一
(3) ファッションデザインの発想と表現法
ア デザインの発想
イ ファッションデザイン画
ウ 各種材料による表現
エ ファッションデザイン実習
(4) ファッションデザインの条件と表現
(5) ファッション産業
ア ファッション産業の仕組み
イ 消費者ニーズと商品企画
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(3)については,デザイン発想に関する実習を取り入れるなど指導を工夫すること。
イ 〔指導項目〕の(5)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,ファッションデザインの社会的・文化的意味についても扱うこと。イについては,ファッションデザインの果たしてきた役割を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,ファッションデザインの造形要素の基礎的な事項をファッションイメージと関連付けて扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,基本プロポーションなどの基礎的な表現手法から素材表現などの発展的な表現手法へと段階的に扱うこと。ウについては,布などの材料を使ったピンワークやディスプレイなどを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,世代や条件に応じたデザインの応用法を扱うこと。その際,ユニバーサルデザインやスポーツウェアなどに関するデザインの考え方についても触れること。
オ 〔指導項目〕の(5)のイについては,ファッションに関する情報収集から商品企画及び販売の活動へと段階的に扱うこと。
第13 服飾手芸
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,創造的な手芸品の製作と服飾への活用を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 手芸の種類と特徴及び変遷,各種手芸の技法などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 手芸の美的価値及び製作工程に関する課題を発見し,手芸品の製作と服飾への活用を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 手芸品の製作を目指して自ら学び,創造的な製作と服飾への活用に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 手芸の種類と特徴
(2) 手芸の変遷
(3) 服飾材料としての各種手芸の技法
(4) 手芸品の製作
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(4)については,用具や器具,薬品,染料などを取り扱う際には,安全に十分留意すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,地域の伝統文化と関連付けて扱うこともできること。
イ 〔指導項目〕の(2)については,刺しゅう,編物,染色,織物及びその他の手芸の起源から現在に至るまでの変遷を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,刺しゅう,編物,染色,織物及びその他の手芸の中から選択して,基礎的な技法を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,服飾への活用を扱うこと。
第14 フードデザイン
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食生活を総合的にデザインするとともに食育を推進し,食生活の充実向上を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 栄養,食品,献立,調理,テーブルコーディネートなどについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活の現状から食生活全般に関する課題を発見し,食生活の充実向上を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 食生活の充実向上を目指して自ら学び,食生活の総合的なデザインと食育の推進に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 健康と食生活
ア 食事の意義と役割
イ 食生活の現状と課題
(2) フードデザインの構成要素
ア 栄養
イ 食品
ウ 料理様式と献立
エ 調理
オ テーブルコーディネート
(3) フードデザイン実習
ア 食事テーマの設定と献立作成
イ 食品の選択と調理
ウ テーブルコーディネートとサービスの実習
(4) 食育と食育推進活動
ア 食育の意義
イ 家庭や地域における食育推進活動
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,食事のおいしさ,望ましい食習慣の形成及び地域の食文化などと関連付けて指導すること。イについては,食生活の現状を考察させ,課題意識がもてるよう指導を工夫すること。
イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,地域の関係機関等との連携を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,食習慣,栄養状態,食料事情,食の安全及び環境との関わりなどを扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のオ及び(3)のウについては,日本料理,西洋料理及び中国料理のテーブルセッティングやサービスの基本的な考え方・方法を扱うこと。また,食事のテーマにふさわしいテーブルコーディネートやサービスの基本的な考え方・方法を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,環境に配慮した食材の選択や調理法の工夫などについても扱うこと。また,災害時の食事計画についても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,食育基本法などの趣旨を踏まえ,食育を推進することの重要性を扱うこと。イについては,ホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動などを通して,食育を推進する活動を行うこと。
第15 食文化
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食文化の伝承と創造を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食文化の成り立ちや日本と世界の食文化などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活の現状から食文化に関する課題を発見し,食文化の伝承と創造を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 食文化の面から食生活の充実向上を目指して自ら学び,食文化の伝承と創造に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 食文化の成り立ち
(2) 日本の食文化
ア 食生活の変遷
イ 日常食,行事食,郷土料理
ウ 料理様式の発展
(3) 世界の食文化
ア 世界の料理の特徴と文化
イ 食生活のグローバル化
(4) 食文化の伝承と創造
(5) 食文化と食育
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(4)については,(2)のイ及び(3)のアと関連付けて,実習を中心とした指導を行うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,食文化の形成要因を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,日本の食生活の変遷について各時代の特徴を概観させ,食生活の文化的な側面に着目させるとともに,近年の日本における食生活の変化を扱うこと。イについては,日常の食事と地域に伝わる行事食や郷土料理を取り上げ,食のもつ文化的,歴史的な側面を扱うこと。ウについては,伝統的な料理様式を取り上げ,その特徴や食卓作法を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,世界の主な食文化圏とその料理の特徴の概要を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,食文化の伝承の重要性や新しい食文化を創造することの意義を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,具体的な事例を通して食文化の発展に食育が果たす役割を扱うこと。
第16 調 理
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,創造的に調理し,健康の保持増進に寄与する食生活の充実向上を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 調理の基礎,献立作成及び様式別調理などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活の現状から調理に関する課題を発見し,調理を通して食生活の充実向上を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 調理の面から食生活の充実向上を目指して自ら学び,創造的な調理に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 調理の基礎
ア 調理の目的
イ 熱源及び調理機器
ウ 調理の種類と基本操作
エ 食品の性質
(2) 献立作成
ア 献立作成の意義
イ 栄養計算
(3) 様式別の献立と調理
ア 日本料理
イ 西洋料理
ウ 中国料理
エ その他の料理
(4) 目的別・対象別の献立と調理
ア 日常食
イ 行事食・供応食
ウ 病気時の食事
エ 幼児と高齢者の食事
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,安全で衛生的な取扱いに重点を置いた指導を行うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,調理理論と関連付けて,実験・実習を中心とした指導を行うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のウについては,加熱操作,非加熱操作及び調味の方法と特徴を扱うこと。エについては,代表的な食品の調理上の性質を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,性別,年齢,生活活動などに応じた適切な献立の作成についても扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,代表的な献立を取り上げ,様式別の食器,食卓構成,食卓作法などについても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,健康の保持増進を考慮した日常食の献立と調理を扱うこと。イについては,代表的な行事を取り上げ,供応の目的に合った献立と調理を扱うこと。ウについては,流動食,軟食及び常食を扱うこと。また,食物アレルギーに対応する食事に関する留意事項を扱うこと。エについては,幼児と高齢者の食事に関する留意事項を扱うこと。
第17 栄 養
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,栄養面で健康の保持増進を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 栄養素の機能と代謝,各ライフステージにおける栄養,労働・スポーツと栄養などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活の現状から栄養に関する課題を発見し,栄養面で健康の保持増進を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 栄養状態の改善の面から食生活の充実向上を目指して自ら学び,健康の保持増進に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 人体と栄養
ア 栄養と栄養素
イ 人体の構成成分と栄養素
ウ 食物の摂取
エ 食物の消化と吸収
(2) 栄養素の機能と代謝
ア 炭水化物
イ 脂質
ウ たんぱく質
エ 無機質
オ ビタミン
カ その他の成分
(3) 食事摂取基準と栄養状態の評価
ア エネルギー代謝
イ 食事摂取基準
ウ 栄養状態の評価
(4) ライフステージと栄養
(5) 生理と栄養
ア 労働・スポーツと栄養
イ 妊娠・授乳期の栄養
(6) 病態と栄養
ア 栄養障害と食事
イ 病態時の栄養
3 内容の取扱い
(1) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のウについては,食欲及び生体リズムを扱うこと。エについては,物理的消化,化学的消化,生物的消化,吸収及び排泄などの仕組みの概要を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,食物繊維の栄養的意義についても触れること。オについては,炭水化物,脂質及びたんぱく質の代謝と関連付けて扱うこと。カについては,アからオまで以外の生体調節機能成分を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,エネルギー代謝の基礎的な内容を扱うこと。イについては,食事摂取基準におけるエネルギーと代表的な栄養素を扱うこと。ウについては,個人及び集団の栄養状態の評価の意義と方法を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,乳幼児期,青少年期,成年期及び高齢期を取り上げ,各期の栄養の特徴とそれを満たす食事構成の概要を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)のアについては,生活活動強度や活動時間の差による生理的特徴,栄養上の配慮事項及び食事構成の概要を扱うこと。イについては,妊娠・授乳期の生理的特徴,栄養上の配慮事項及び食事構成の概要を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,栄養の過不足による病気と食事療法及び病態に応じた栄養と食事構成の概要を扱うこと。また,食物アレルギーの原因物質及び栄養上の配慮事項を扱うこと。
第18 食 品
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,多様化する食品を適切に選択,活用して食生活の充実向上を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食品の分類とその特徴,食品の機能,食品の表示,食品の加工と貯蔵などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活の現状から食品に関する課題を発見し,食品を適切に選択,活用して食生活の充実向上を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 適切な食品の選択や活用の面から食生活の充実向上を目指して自ら学び,食品のもつ機能の展開に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 食品の分類とその特徴
ア 食品の成分と分類
イ 植物性食品とその加工品
ウ 動物性食品とその加工品
エ 成分抽出素材
オ 調味料,甘味料,香辛料及び嗜(し)好品
(2) 食品の機能
(3) 食品の表示
ア 食品の表示制度
イ 各種食品の表示
(4) 食品の加工と貯蔵
ア 食品の加工
イ 食品の貯蔵
(5) 食品の生産と流通
ア 食品の流通と食料需給
イ 食品の流通機構
3 内容の取扱い
(1) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,食品の成分の特徴による分類方法である食品群と,「日本食品標準成分表」を扱うこと。イ及びウについては,代表的な食品を扱うこと。エについては,油脂とゲル化剤の代表的な食品を扱うこと。オについては,代表的な食品の使用目的とその役割,性質,利用法などを扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,食品のもつ栄養面の機能,嗜(し)好面の機能及び生体調節面の機能を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,食品の表示に関わる基本的な法規や制度の目的と概要を扱うこと。イについては,加工食品などの表示を具体的に扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,物理的加工,化学的加工及び微生物や酵素による加工の目的,方法及び成分の変化を扱うこと。イについては,代表的な貯蔵の方法の原理と特徴の概要を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)のアについては,多様化する食品の生産と食料需給の概要を扱うこと。イについては,代表的な食品の流通機構の概要や食品の安全な流通を図るための仕組みを扱うこと。
第19 食品衛生
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,安全で衛生的な食生活の実現を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食生活の安全と食品衛生対策について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活の現状から食品衛生に関する課題を発見し,安全で衛生的な食生活の実現を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 安全で衛生的な食生活の実現を目指して自ら学び,食品衛生に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 食生活の安全と食品安全行政
(2) 食中毒とその予防
ア 細菌性食中毒とその予防
イ ウィルス性食中毒とその予防
ウ 化学物質による食中毒とその予防
エ 自然毒による食中毒とその予防
(3) 食品の汚染,寄生虫
ア 有害物質による食品の汚染とその予防
イ 寄生虫病とその予防
(4) 食品の変質とその防止
ア 微生物による変質とその防止
イ 化学的作用による変質とその防止
(5) 食品添加物
ア 食品添加物の使用目的と用途
イ 食品添加物の使用基準と表示
(6) 食物アレルギーとその予防
(7) 食品衛生対策
ア 衛生管理の方法
イ 食品衛生関係法規
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(7)のアについては,具体的に理解できるよう実験・実習を中心とした指導を行うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,食生活の安全を確保することの重要性やそのための食品安全行政の取組などを扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,具体的な事例を取り上げ,食中毒の特徴,症状,発生状況と汚染源及び予防などを扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,重金属や放射性物質などについても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,食品の変質とその防止に関する基礎的な内容を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,食品添加物に関する法規と関連付けて扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,具体的な事例を取り上げ,食物アレルギーの特徴,症状,発生状況と原因物質及び発症予防などを扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)のアについては,食品の生産,加工,流通及び消費における衛生対策を扱うこと。イについては,食品衛生に関する法規の目的と概要を扱うこと。
第20 公衆衛生
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,疾病の予防と健康づくりを担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 集団の健康と公衆衛生などについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 公衆衛生に関する課題を発見し,疾病の予防と健康づくりを担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 疾病の予防や健康づくりを目指して自ら学び,公衆衛生の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 集団の健康と公衆衛生
ア 公衆衛生の意義
イ 保健衛生統計
(2) 環境衛生
ア 現代の環境問題
イ 生活環境の保全
(3) 疾病の予防と健康づくり
ア 生活習慣病と健康づくり
イ 感染症の予防
ウ 精神保健
(4) 母子保健
ア 母性の保護と保健指導
イ 乳幼児の保健指導
(5) 学校保健
ア 学校保健管理
イ 健康教育
(6) 産業保健
ア 労働環境の整備
イ 労働者の健康管理
(7) 高齢者保健
ア 高齢者保健の現状
イ 高齢者の健康管理
(8) 調理師の業務と社会的役割
ア 調理師と健康づくり
イ 健康づくりに関する法規
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(8)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,人口動態統計,疾病統計及び国民健康・栄養調査などにおける集団の健康状態を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,具体的な事例を通して現代の生活と自然環境との関わりを取り上げ,持続可能な社会の形成のための方策を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,具体的な事例を通して生活習慣病の実態とその予防を扱うこと。イについては,感染症の発生要因,予防対策,消毒法などの基礎的な事項を扱うこと。ウについては,精神の健康を左右する要因と精神保健活動に関する基礎的な事項を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,母性保健指導及び乳幼児保健指導における具体的な事例を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,学校における保健管理及び健康教育の意義と目的を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,職場の環境や作業条件と健康との関わりを扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,高齢者の医療,福祉などと関連付けて扱うこと。
ク 〔指導項目〕の(8)のアについては,食育の推進に調理師が果たす役割についても扱うこと。イについては,関連する法規の目的と概要を扱うこと。
第21 総合調理実習
1 目 標
家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,調理に関して総合的に捉え,食生活関連産業を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 大量調理の施設・設備,献立・調理,食事環境とサービスなどについて体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付けるようにする。
(2) 食生活関連産業における調理と食事提供に関する課題を発見し,食生活関連産業を担う職業人として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 調理の深化・総合化を目指して自ら学び,食生活関連産業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 調理用施設・設備及び調理機器
(2) 大量調理
ア 種類と特徴
イ 組織と管理
ウ 献立作成と調理
(3) 食事環境とサービス
(4) 調理師と食生活関連産業
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,特定給食施設などの厨(ちゅう)房設備と調理機器の安全で衛生的,能率的な取扱いに重点を置いた指導を行うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,調理における専門的な知識・技術を深化させ,食生活関連産業において食事提供に関わるなど総合的な学習活動になるよう指導を工夫すること。
ウ 〔指導項目〕の(4)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱わないことができること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(2)のアについては,各種給食を扱うこと。イについては,大量調理の組織と運営,食品の保管,調理作業管理及び衛生管理を扱うこと。また,大量調理を担当する者の自覚と責任についても扱うこと。ウについては,学校や事務所などにおける給食に関する留意事項に重点を置いて扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(3)については,サービスの基本的な考え方やその実務を扱うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,専門的な知識と技術などを相互に関連付けてより深く理解させるとともに,地域や社会の生活の中から問題を見いだして解決策を構想し,計画を立案し,実践,評価,改善して新たな課題解決に向かう過程を重視した実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。
(2) 家庭に関する各学科においては,「生活産業基礎」及び「課題研究」を原則として全ての生徒に履修させること。
(3) 家庭に関する各学科においては,原則としてこの章に示す家庭科に属する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。また,実験・実習に当たっては,ホームプロジェクトを取り入れることもできること。
(4) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。
(5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 生活産業に関わる実習や就業体験活動などを通して,自分の考え方や情報を的確に伝えたり,まとめたりする活動,創造的に製作する場面において,与えられたテーマに対して互いの考えを伝え合い,イメージをまとめ適切に表現する活動など言語活動の充実を図ること。
(2) コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。
3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。