第10節 体 育
第1款 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) スポーツの多様な意義やスポーツの推進及び発展の仕方について理解するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に必要な技能を身に付けるようにする。
(2) スポーツの推進及び発展についての自他や社会の課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与することを目指し,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 スポーツ概論
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) スポーツの多様な意義やスポーツの推進及び発展の仕方について理解するとともに,スポーツの推進及び発展に必要な技能を身に付ける。
(2) スポーツの推進及び発展に必要な自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与するための学習に主体的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) スポーツの文化的特性や現代におけるスポーツの発展
(2) スポーツの効果的な学習の仕方
(3) 豊かなスポーツライフの設計の仕方
(4) スポーツの多様な指導法と健康・安全
(5) スポーツの企画と運営
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)から(5)までの各項目とも扱うものとする。
(2) 指導に当たっては,「スポーツ概論」の学習成果が「スポーツⅠ」,「スポーツⅡ」,「スポーツⅢ」,「スポーツⅣ」,「スポーツⅤ」,「スポーツⅥ」及び「スポーツ総合演習」の各科目における学習と密接に関連していることに配慮するものとする。
第2 スポーツⅠ
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 採点競技及び測定競技の推進及び発展に向けた多様な関わり方を理解するとともに,技能を身に付ける。
(2) 採点競技及び測定競技における自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 採点競技及び測定競技の学習に主体的に取り組むとともに,公正,協力,責任,参画,共生などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与する態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 採点競技への多様な関わり方
(2) 測定競技への多様な関わり方
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)又は(2)のいずれかを選択して扱うことができる。
(2) 〔指導項目〕の(1)については,体操競技を,(2)については,陸上競技,水泳競技の中から適宜取り上げるものとし,スキー,スケート等についても,学校や地域の実態に応じて扱うことができる。
第3 スポーツⅡ
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 球技の推進及び発展に向けた多様な関わり方を理解するとともに,技能を身に付ける。
(2) 球技における自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 球技の学習に主体的に取り組むとともに,公正,協力,責任,参画,共生などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与する態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) ゴール型球技への多様な関わり方
(2) ネット型球技への多様な関わり方
(3) ベースボール型球技への多様な関わり方
(4) ターゲット型球技への多様な関わり方
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)から(4)までの中から一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 〔指導項目〕の(1)については,バスケットボール,ハンドボール,サッカー,ラグビーの中から,(2)については,バレーボール,卓球,テニス,バドミントンの中から,(3)については,ソフトボール,野球の中から,(4)については,ゴルフを適宜取り上げるものとし,その他の球技についても,学校や地域の実態に応じて扱うことができる。
第4 スポーツⅢ
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 武道及び諸外国の対人的競技等の推進及び発展に向けた多様な関わり方を理解するとともに,技能を身に付ける。
(2) 武道及び諸外国の対人的競技等における自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 武道及び諸外国の対人的競技等の学習に主体的に取り組むとともに,伝統的な行動の仕方,公正,協力,責任,参画,共生などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与する態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 武道への多様な関わり方
(2) 諸外国の対人的競技への多様な関わり方
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)又は(2)のいずれかを選択して扱うことができる。
(2) 〔指導項目〕の(1)については,柔道,剣道,相撲,空手道,なぎなた,弓道,合気道,少林寺拳法,銃剣道の中から,(2)については,レスリングを適宜取り上げるものとし,その他の武道等についても,学校や地域の実態に応じて扱うことができる。
第5 スポーツⅣ
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) ダンスの推進及び発展に向けた多様な関わり方を理解するとともに,技能を身に付ける。
(2) ダンスにおける自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) ダンスの学習に主体的に取り組むとともに,公正,協力,責任,参画,共生などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与する態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 創造型ダンスへの多様な関わり方
(2) 伝承型ダンスへの多様な関わり方
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)又は(2)のいずれかを選択して扱うことができる。
(2) 〔指導項目〕の(1)については,創作ダンス,現代的なリズムのダンスの中から,(2)については,フォークダンス,社交ダンスの中から適宜取り上げるものとし,その他のダンスについても,学校や地域の実態に応じて扱うことができる。
第6 スポーツⅤ
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 自然との関わりの深い野外の運動の推進及び発展に向けた多様な関わり方を理解するとともに,技能を身に付ける。
(2) 自然との関わりの深い野外の運動における自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 自然との関わりの深い野外の運動の学習に主体的に取り組むとともに,公正,協力,責任,参画,共生などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与する態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 自然体験型の野外の運動への多様な関わり方
(2) 競技型の野外の運動への多様な関わり方
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)又は(2)のいずれかを選択して扱うことができる。
(2) 〔指導項目〕の(1)については,キャンプ,登山,遠泳などの水辺活動の中から,(2)については,スキー,スケートの中から適宜取り上げるものとし,その他の運動についても,機械等の動力を用いない活動を中心に,学校や地域の実態に応じて扱うことができる。
(3) 特定の期間に集中的に校外で授業を行う場合は,安全対策に十分配慮するものとする。
第7 スポーツⅥ
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 体つくり運動の推進及び発展に向けた多様な関わり方を理解するとともに,技能を身に付ける。
(2) 体つくり運動における自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 体つくり運動の学習に主体的に取り組むとともに,協力,責任,参画,共生などに対する意欲を高め,健康・安全を確保して,生涯を通してスポーツを継続するとともにスポーツの推進及び発展に寄与する態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 体つくり運動への多様な関わり方
(2) 目的に応じた心身の気付きや交流を深めるための運動の仕方
(3) ライフステージ及びライフスタイルに応じた体操や運動の計画の立て方
3 内容の取扱い
〔指導項目〕の(1)を入学年次で扱うものとし,〔指導項目〕の(2)及び(3)はその次の年次以降で扱うこととする。
第8 スポーツ総合演習
1 目 標
体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) スポーツの多様な意義やスポーツの推進及び発展の仕方について理解するとともに,スポーツの推進及び発展に必要な技能を身に付ける。
(2) スポーツの推進及び発展に必要な自他や社会の課題を発見し,思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与するための課題研究に主体的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を育成するため,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) スポーツの多様な理論や実践に関する課題研究
(2) スポーツの多様な指導や企画と運営に関する課題研究
(3) スポーツを通した多様な社会参画に関する課題研究
3 内容の取扱い
(1) 〔指導項目〕の(1)から(3)までの中から一つ以上を選択して扱うことができる。
(2) 指導に当たっては,「スポーツ概論」との関連を図るとともに,体育科に属する他の科目の学習成果を生かし,関係団体等との協力,連携の機会を通して,知識及び技能,思考力,判断力,表現力等,学びに向かう力,人間性等のバランスのよい育成に配慮するものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,体育の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,主体的,合理的,計画的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,健やかな心身の育成に資するとともに,生涯を通してスポーツの推進及び発展に寄与することができるよう留意すること。
(2) 体育に関する学科においては,「スポーツ概論」,「スポーツⅤ」,「スポーツⅥ」及び「スポーツ総合演習」については,原則として,全ての生徒に履修させること。
(3) 体育に関する学科においては,「スポーツⅠ」,「スポーツⅡ」,「スポーツⅢ」及び「スポーツⅣ」については,これらの中から生徒の興味や適性等に応じて1科目以上を選択して履修できるようにすること。
(4) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の指導に当たっては,公正,協力,責任,参画,共生に対する意欲及び思考力,判断力,表現力等を育成するとともに,生徒の健康・安全を確保し,事故防止を図ること。
(2) 「スポーツⅠ」,「スポーツⅡ」,「スポーツⅢ」及び「スポーツⅣ」の指導に当たっては,「スポーツⅥ」の学習成果の活用を図ること。
(3) 体力の測定については,計画的に実施し,各科目の指導及び体力の向上に活用するようにすること。
(4) 集合,整頓,列の増減,方向変換などの行動の仕方については,各科目の特性との関連において適切に行うこと。
(5) 各科目の指導に当たっては,その特質を踏まえ,必要に応じて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用し,学習の効果を高めるようにすること。
(6) 学外の認定資格等の取得と関連付けるなど,より専門的かつ実践的な知識及び技術の習得が図られるようにすること。