第3章 主として専門学科において開設される各教科
第1節 農 業
第1款 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 農業と環境
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業の各分野で活用する基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業と環境について基礎的な知識と技術が農業の各分野で活用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「農業と環境」とプロジェクト学習
ア 農業学習の特質
イ プロジェクト学習の方法と進め方
(2) 暮らしと農業
ア 食料と農業
イ 自然環境と農業
ウ 環境保全と農業
エ 生活文化と農業
オ 農業の動向と展望
(3) 農業生産の基礎
ア 農業生物の種類と特性
イ 農業生物の育成と環境要素
ウ 農業生産の計画と工程管理・評価
エ 農業生物の栽培・飼育
(4) 農業と環境のプロジェクト
(5) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農業の社会的な役割と環境や暮らしとの関わりについて,地域農業の見学や地域環境の調査及び統計資料の分析など具体的な学習を通して理解できるよう留意して指導するとともに,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,農業学習の特質とプロジェクト学習の意義やその進め方について身近な事例を通して理解させ,生徒の興味・関心が高まるよう工夫して指導すること。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,農業生物の特性や育成環境との相互関係,具体的な栽培計画,農業生産工程管理などを基礎的な実験・実習を通して学習できるようにすること。
エ 〔指導項目〕の(4)については,プロジェクト学習を通して,科学的な見方・考え方を働かせ,農業の各分野に関する学習への興味・関心が高まるよう工夫して指導すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業学習の特質とプロジェクト学習の進め方について,身近な事例を扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,社会や産業全体の課題及びその解決のために農業が果たしている役割,働くことの社会的意義や役割,職業人に求められる倫理観についても取り上げること。また,農業が有する生命を育むという生命倫理についても扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,農業生物の生理・生態的な特性,気象・土壌・生物などの環境要素やそれらの相互関係及び農業生産工程管理などを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,学科の特色や地域性を考慮した題材を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,学校農業クラブ活動の目標,内容,組織などについて各種活動を通して実践的に扱うとともに,プロジェクト学習の成果を発表する機会を設けること。
第2 課題研究
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付けるようにする。
(2) 農業に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。
(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 調査,研究,実験
(2) 作品製作等
(3) 産業現場等における実習
(4) 職業資格の取得
(5) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(5) までの中から,個人又はグループで農業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,農業に関する課題の解決に取り組むことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(5)までの2項目以上にまたがるものを設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。
第3 総合実習
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業の各分野の改善を図る実践的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業を総合的に捉え体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業に関する総合的な課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業の総合的な経営や管理につながる知識や技術が身に付くよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 栽培と飼育,環境等に関する基礎的な実習
(2) 農業の各分野に関する総合的な実習
ア 農業の総合的な知識と技術
イ 経営と管理の手法
(3) 農業の産業現場等における総合的な実習
ア 農業の総合的な知識と技術
イ 経営と管理の手法
(4) 学校農業クラブ活動
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農業科に属する各科目の学習と関連付け,総合的な知識と技術の習得につながるよう留意して指導すること。なお,実験・実習中の安全を確保するとともに、学習のねらいを明確にするなど課題解決へつながるようにすること。
イ 〔指導項目〕の(3)については,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育むようにするとともに,先進的な地域や外部機関等との連携に配慮すること。
ウ 〔指導項目〕の(4)については,農業の各分野の学習を基に,学校農業クラブ活動における自主的な研究活動を通して,技術及び経営と管理を体験的に理解させ,実践的な能力と態度を育むよう工夫して指導すること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(2)については,農業の各分野の技術,経営と管理手法及びその活用について,基礎的な内容を総合的に扱うこと。その際,農業生産工程管理についても実践的に扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(3)については,産業現場等において,農業の各分野の技術,経営と管理手法及びその活用について,実践的な内容を総合的に扱うこと。
第4 農業と情報
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業に関する情報を主体的に活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業に関する情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業情報の活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業に関する情報について主体的に調査・分析・活用ができるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 産業社会と情報
ア 産業社会における情報の意義
イ 農業における情報の役割と課題
ウ 情報モラルとセキュリティ管理
(2) 農業に関する情報手段
ア ハードウェアとソフトウェア
イ 農業の各分野における情報の役割
ウ 情報メディアとデータ
(3) 農業に関する情報の分析と活用
ア 情報通信ネットワーク
イ 生産,加工,流通,経営のシステム化
ウ 農業情報の分析と活用
(4) 農業学習と情報活用
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 産業社会における情報の意義を理解させ,農業の各分野における先進技術や革新技術を題材とした探究的な学習活動を通して,創造的思考をもてるよう留意して指導すること。なお,生徒の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,農業分野を中心に産業社会における情報の活用の具体的な事例を取り上げ,情報の意義を理解させ,農業の各分野における情報の役割や情報を適切に扱うことへの責任などについて関心をもたせるよう工夫して指導すること。
ウ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,実習や産業現場の見学などを通して,農業の各分野において,情報と情報手段を適切かつ効果的に活用する能力を育むようにすること。また,農業技術の先進的な事例を基に農業経営の発展に向けた探究的な学習活動を取り入れるなど,農業科に属する他の科目との関連を図るようにすること。
エ 〔指導項目〕の(2)のア及び(3)のイについては,農業生産及び経営管理などへの効率的な利用を見通して,基礎的なプログラミングなどを含むソフトウェアの活用について理解できるよう工夫して指導すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(2)については,農業の各分野で導入されている情報機器の種類や利用方法,農業情報の活用場面に適したソフトウェアや情報メディアについて扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(3)については,情報通信ネットワークを介して流通するデータの種類,情報通信ネットワークや情報システムがサービスを提供する仕組みと特徴について実際の事例を取り上げること。情報システムによる問題解決の方法については,モデル化,シミュレーションなど基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(4)については,農業情報を活用したプロジェクト学習などを扱うこと。
第5 作物
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,作物の生産と経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 作物の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 作物の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 作物の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「作物」とプロジェクト学習
ア 作物生産と経営に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 作物生産の役割と動向
ア 作物生産の役割
イ 生活と作物の利用
ウ 作物の流通と需給の動向
(3) 作物の特性と栽培技術
ア 作物の種類と特徴
イ 作物の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
エ 品種改良と繁殖
(4) 作物の栽培と管理・評価
ア 品種の特性と選び方
イ 作型と栽培計画
ウ 栽培管理
エ 商品化と生産物の管理・評価
オ 機械・施設の利用
(5) 作物の生産と経営
ア 生産目標と経営計画
イ 生産工程の管理
ウ 流通と販売
エ 地域環境に配慮した作物生産
(6) 作物生産と経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 作物の生産から消費,経営までの仕組みと作物の利用形態を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,作物生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,作物の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した作物栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,作物経営に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第6 野菜
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,野菜の生産と経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 野菜の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 野菜の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 野菜の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「野菜」とプロジェクト学習
ア 野菜生産と経営に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 野菜生産の役割と動向
ア 野菜生産の役割
イ 生活と野菜の利用
ウ 野菜の流通と需給の動向
(3) 野菜の特性と栽培技術
ア 野菜の種類と特徴
イ 野菜の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
エ 品種改良と繁殖
(4) 野菜の栽培と管理・評価
ア 品種の特性と選び方
イ 作型と栽培計画
ウ 栽培管理
エ 商品化と生産物の管理・評価
オ 機械・施設の利用
(5) 野菜の生産と経営
ア 生産目標と経営計画
イ 生産工程の管理
ウ 流通と販売
エ 地域環境に配慮した野菜生産
(6) 野菜生産と経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 野菜の生産から消費,経営までの仕組みと野菜の利用形態を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,野菜生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,野菜の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した野菜栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,野菜経営に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第7 果樹
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,果実の生産と経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 果実の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 果実の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 果実の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「果樹」とプロジェクト学習
ア 果実生産と経営に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 果実生産の役割と動向
ア 果実生産の役割
イ 生活と果実の利用
ウ 果実の流通と需給の動向
(3) 果樹の特性と栽培技術
ア 果樹の種類と特徴
イ 果樹の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
エ 品種改良と繁殖
(4) 果樹の栽培と管理・評価
ア 品種の特性と選び方
イ 作型と栽培計画
ウ 栽培管理
エ 商品化と生産物の管理・評価
オ 機械・施設の利用
(5) 果実の生産と経営
ア 生産目標と経営計画
イ 生産工程の管理
ウ 流通と販売
エ 地域環境に配慮した果実生産
(6) 果実生産と経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 果実の生産から消費,経営までの仕組みと果実の利用形態を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,果実生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,果実の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した果樹栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,果樹経営に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第8 草花
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,草花の生産と経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 草花の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 草花の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 草花の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「草花」とプロジェクト学習
ア 草花生産と経営に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 草花生産の役割と動向
ア 草花生産の役割
イ 生活と草花の利用
ウ 草花の流通と需給の動向
(3) 草花の特性と栽培技術
ア 草花の種類と特徴
イ 草花の生育と生理
ウ 栽培環境と生育の調節
エ 品種改良と繁殖
(4) 草花の栽培と管理・評価
ア 品種の特性と選び方
イ 作型と栽培計画
ウ 栽培管理
エ 商品化と生産物の管理・評価
オ 機械・施設の利用
(5) 草花の生産と経営
ア 生産目標と経営計画
イ 生産工程の管理
ウ 流通と販売
エ 地域環境に配慮した草花生産
(6) 草花生産と経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 草花の生産から消費,経営までの仕組みと草花の利用形態を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,草花生産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,草花の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環境に配慮した草花栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた栽培管理,商品化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,草花経営に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第9 畜産
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,家畜の飼育と畜産経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 家畜の飼育と畜産経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 家畜の飼育と畜産経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 家畜の飼育と畜産経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「畜産」とプロジェクト学習
ア 畜産に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 畜産の役割と動向
ア 畜産の役割
イ 生活と家畜・畜産物の利用
ウ 畜産物の流通と需給の動向
(3) 家畜の特性と飼育技術
ア 家畜の種類と特徴
イ 家畜の発育と生理・生態
ウ 飼育環境の調節
(4) 家畜の飼育と管理・評価
ア 品種の特性と選び方
イ 家畜の改良
ウ 繁殖計画と管理
エ 飼育計画と管理
オ 家畜と飼料
カ 家畜の病気と予防
キ 家畜・畜産物の商品化と管理・評価
ク 畜舎と機械・施設の利用
(5) 畜産と経営
ア 生産目標と経営計画
イ 生産工程の管理
ウ 流通と販売
エ 地域環境に配慮した畜産
(6) 家畜の飼育と畜産経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 畜産物の生産から消費,家畜経営までの仕組みを理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,畜産に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,畜産物の生産及び需給の動向について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,家畜の発育過程や生理・生態,飼育環境の調節や環境に配慮した家畜の飼育技術,危害分析・重要管理点方式の考え方を取り入れた飼養衛生管理技術などについて基礎的な仕組みを扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,品種の選定,繁殖計画の立案と管理,飼育計画の立案,発育段階に応じた飼育管理,家畜の飼料と病気,商品化と生産物の管理,発育成績や繁殖成績に基づく評価などについて体系的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程管理,販売方法の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。また,安全な食品を供給するための食品トレーサビリティシステムについても扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,畜産経営に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第10 栽培と環境
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,栽培植物の育成環境の調整・管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 栽培と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 栽培と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 栽培と環境について農業生物の栽培や管理に応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「栽培と環境」とプロジェクト学習
ア 栽培と環境に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 栽培と環境の診断・実験の方法
ア 調査と観察
イ 生育と環境の診断
ウ 実験と検証
(3) 栽培植物と環境要素
ア 環境の要素
イ 物質の循環
ウ 栽培技術と環境
(4) 栽培植物の育成環境
ア 気象と災害対策
イ 土壌の管理と改良
ウ 肥料の性質と施肥の方法
エ 農薬の特性と防除の方法
オ 施設型農業の栽培環境
(5) 環境に配慮した栽培の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 「作物」,「野菜」,「果樹」,「草花」などの科目と関連付けて指導計画を作成するとともに,〔指導項目〕の(1)から(5)まで横断的に学習できるようにすること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(5)については,(1)を踏まえ,(2)から(4)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(2)については,調査と観察,診断の方法,各種の実験と検証の方法を理解させ,科学的な見方と実践力が身に付くよう工夫して指導すること。また,(3)については,栽培植物の種類と特性に応じた育成管理と環境要素との関係について理解できるよう工夫して指導すること。(4)については,栽培のプロジェクト学習を通して,実践的・体験的に取り組めるようにすること。施設型農業については,施設内の栽培環境と環境制御について理解できるよう工夫して指導すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,「作物」,「野菜」,「果樹」,「草花」などの科目と関連付けながら,科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,栽培植物の育成と環境要素に関する実験,調査,観察,診断などの方法と進め方について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,栽培植物の育成に関わる環境要素の役割や物質循環,栽培技術と環境との相互関係について基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,栽培管理における環境要素の活用や,環境に配慮した栽培管理の方法,農業生産工程管理やポジティブリスト制度,生態的な防除の方法など具体的な内容を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,環境に配慮した栽培技術を踏まえ,環境の保全や創造に関する地域や学校での実践的な活動を行うこと。
第11 飼育と環境
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,飼育動物の育成環境の調整・管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 飼育と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 飼育と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 飼育と環境について農業生物の飼育や管理に応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「飼育と環境」とプロジェクト学習
ア 飼育と環境に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 飼育の目的と現状
ア 飼育の目的
イ 飼育の現状と動向
(3) 飼育と環境
ア 動物の種類と特性
イ 発育と環境
ウ 衛生と環境
(4) 飼育技術と管理・評価
ア 飼育と管理・評価
イ 飼料と管理
ウ 動物バイオテクノロジーと繁殖技術
(5) 飼育の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 「畜産」などの科目と関連付けて指導計画を作成するとともに,〔指導項目〕の(1)から(5)まで横断的に学習できるようにすること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(5)については,(1)を踏まえ,(2)から(4)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,「畜産」などの科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,飼育目的ごとの動物の利活用の概要について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,動物の発育過程や生理・生態,飼育環境の調節,環境に配慮した動物の飼育技術や飼料生産,健康な動物を飼育するための飼養衛生管理技術などについて基礎的な内容を扱うこと。なお,必要に応じて,農業生産工程管理や危害分析・重要管理点方式などについても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,それぞれの飼育目的に応じた動物の役割や飼育管理の方法,動物実験の基礎について体系的な内容を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,動物の飼育や実験,畜産経営の深化などに関する実践的な活動を行うこと。
第12 農業経営
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業経営とマーケティングに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業経営のマネジメントやマーケティングが経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「農業経営」とプロジェクト学習
ア 農業経営に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 農業の動向と農業経営
ア 我が国と世界の農業
イ 農業経営の動向
ウ 食料・農業・農村政策と関係法規
エ 農産物消費の動向と社会経済環境
(3) 農業のマネジメント
ア 農業マネジメントの概要
イ 組織のマネジメント
ウ 人材のマネジメント
エ 会計のマネジメント
(4) 農業のマーケティング
ア 農業マーケティングの概要
イ 農業のマーケティング戦略
ウ 農産物のブランド化
(5) 農業経営とマーケティングの活動
ア 市場調査・環境分析
イ 農業の起業計画・マーケティング戦略の策定
ウ 農業経営の実践と評価
(6) 農業経営とマーケティングの実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農業経営とマーケティングの基本的な内容について,学校農場の経営に関する事例を通して理解させ,農業経営者の先進的な実践に触れるよう留意して指導すること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,グローバル化,消費者ニーズの多様化などに関わる消費者と農業・食とをめぐる課題や社会構造の変化に着目し,六次産業化や農産物の輸出入などに関する農業経営の動向を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,農業協同組合や生産組合の事業,農業生産組織や農地所有適格法人の運営及び経営について,簿記などの内容を踏まえた基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,顧客の視点から見た農産物の価値の創造やマーケティングを実践する過程について,マーケティング戦略の視点から扱うこと。また,(4)及び(5)については,マーケティングや経営管理に取り組むプロジェクト学習を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(6)については,農業経営とマーケティングに関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第13 農業機械
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業機械の取り扱いと維持管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業機械について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業機械に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業機械について特性を理解し,効率的な利用へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 農業機械の役割
ア 農業機械化の意義
イ 農業機械の利用と現状
(2) 農業機械の構造と操作
ア 原動機
イ トラクタ
ウ 作業機
エ 燃料と潤滑油
(3) 農業機械と安全
ア 農作業と安全
イ 農業機械の安全な取扱い
(4) 農業生産における農業機械の利用
ア 農業機械の効率的利用
イ 農作業体制の変化と機械の利用
ウ 農業機械化体系の作成
(5) 農業機械化の展望
ア 農作業の自動化・機械化
イ 農業機械の高度化・実用化
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農業機械の構造と作業特性の相互関係から機械の点検や整備及び操作方法について理解できるよう留意して指導すること。また,実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,農業機械の維持管理を図る実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 機械及び燃料の安全な取扱いについて指導し,事故の防止に努めること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業機械の利用の現状及び農業の生産性の向上と機械化との相互関係,農業の機械化に伴う今後の課題について扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,原動機・トラクタ・作業機の構造と種類,正しい操作技術,点検や整備の方法,トラクタと作業機のマッチングや接続の原理についての基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,農業機械の安全な取扱いや操作方法などの基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,学校農場や地域農業の身近な事例を取り上げて,機械の作業効率や利用経費など農業機械の効率的な利用と経営形態や目的に応じた機械の導入及び利用を考慮した農業機械化体系の作成を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,自動制御機器や人工知能などの技術の進展に対応した題材を取り上げ,その活用について基礎的な内容を扱うこと。
第14 植物バイオテクノロジー
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,植物に関するバイオテクノロジーを農業の各分野で活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 植物バイオテクノロジーについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 植物バイオテクノロジーに関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 植物バイオテクノロジーについて特質を理解し,農業の各分野で活用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「植物バイオテクノロジー」とプロジェクト学習
ア 植物バイオテクノロジーに関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) バイオテクノロジーの意義と役割
ア バイオテクノロジーの意義
イ 産業社会とバイオテクノロジー
(3) 植物バイオテクノロジーの特質と基本操作
ア 植物の構造と機能
イ 無菌操作の基本
(4) 植物の増殖能力の利用
ア 組織培養の目的と技術体系
イ 培地の組成と調整
ウ 培養植物体の生育と環境
エ 野菜や草花への活用
オ 果樹や作物への活用
カ バイオテクノロジーの活用実態
(5) 植物バイオテクノロジーの展望
ア 植物の遺伝情報の利用
イ バイオマス・エネルギーの利用
ウ 産業社会とバイオテクノロジーの動向
(6) 植物バイオテクノロジーの実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 植物バイオテクノロジー技術を農業の各分野に活用する仕組みやその役割について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,植物バイオテクノロジー技術の活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(5)及び(6)について,遺伝子組換えを扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じるなど安全に十分留意して指導し,雑菌による機器や施設などの汚染防止を図ること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,植物の繁殖などの機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業などの産業各分野における利用の概要を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,茎頂など植物の組織・器官の構造と機能,植物ホルモンの作用及び無菌的条件の設定も扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,植物細胞の分化全能性,培地の調整,組織培養及び培養植物体の順化,育成を中心に扱うこと。カについては,地域の野菜や草花など身近な植物や貴重な遺伝資源植物の種苗生産や品種改良などの具体的な実践を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,細胞融合や遺伝子組換えなどの遺伝情報及びバイオマス・エネルギーの利用など,植物バイオテクノロジーに関する今後の動向,課題及び可能性について基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,植物バイオテクノロジーの技術を活用した農業の各分野での種苗生産や品種改良,絶滅危惧植物の保護や環境保全などに関する実践的な活動を行うこと。
第15 食品製造
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品製造に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食品製造について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食品製造に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 食品製造について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「食品製造」とプロジェクト学習
ア 食品製造に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 食品産業の現状と動向
ア 食品産業の現状
イ 食品産業の動向
(3) 製造原理と原材料特性
ア 食品加工の原理
イ 原材料の特性と加工
(4) 食品の安全と品質表示
ア 食品の安全性
イ 食品の衛生
ウ 食品の貯蔵
エ 食品の包装と品質表示
(5) 機械と装置の利用
ア 製造用の機械と装置の利用
イ ボイラと冷却装置の利用
(6) 生産工程の管理と改善
ア 品質管理
イ 作業体系の改善
(7) 食品の製造実習
ア 穀物,小麦粉
イ 豆類,イモ類
ウ 野菜,果実
エ 畜産物
オ 発酵食品
(8) 食品製造の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農業生産,食品製造から流通・消費までの食料供給の仕組みを理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,食品製造技術の活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(8)については,(1)を踏まえ,(2)から(7)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(4)から(8)までについては,食品衛生上の危害発生の防止と適正な品質表示,製造用機器や器具の安全な取扱いに努めること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,我が国の食生活における食品産業の現状と動向について扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,原材料の特性を利用した加熱,塩漬や発酵などの食品加工の方法とその基本的な原理を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,食品による危害の要因や食品の安全に関する法規の概要について,危害分析・重要管理点方式や食品安全マネジメントシステムなどと関連付けて扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,食品製造の機械と装置,ボイラと冷却装置の基本的な操作や安全にかかる整備について扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,食品企業における従業員の教育や管理の手法,作業の体系について扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,代表的な食品の製造方法について実習を行うこと。なお,製品の原価計算についても扱うこと。
ク 〔指導項目〕の(8)については,食品製造に関する実践的な活動を行うこと。なお,地域農業の発展の視点で,食品産業との関連性や食品ブランドの活用や創造についても扱うこと。
第16 食品化学
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品の成分と栄養価値の利用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食品化学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食品化学に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 食品化学について食品の成分や栄養を理解し,農業の各分野で応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「食品化学」とプロジェクト学習
ア 食品化学に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 食品の成分
ア 食品成分の分類
イ 食品成分の機能
ウ 食品成分の変化
(3) 食品の栄養
ア 食品成分の代謝と栄養
イ 栄養改善と機能性食品
ウ 食品成分表と栄養的価値
(4) 食品の成分分析
ア 基本操作
イ 定量分析
ウ 水分
エ タンパク質,脂質,炭水化物
オ 無機質,ビタミン
(5) 食品化学の実践
ア 成分分析の実践
イ 食品の衛生検査
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 食品の成分や栄養的な機能や性質が,食品製造や食生活の改善に果たしている役割を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,食品化学に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(5)については,(1)を踏まえ,(2)から(4)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,食品中のタンパク質,脂質,ビタミンなどの性質や機能を扱うこと。また,それらの化学式,構造式及び化学反応式を扱う場合は,基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,食品成分の体内での消化・吸収や変化を中心に,機能性食品についても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,食品成分の分析方法とその原理及び分析機器の操作を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,身近な食品を試料とした成分分析を行うこと。また,危害分析・重要管理点方式や食品安全マネジメントシステムなどにおける衛生検査に関する内容を扱うこと。
第17 食品微生物
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品微生物の利用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食品微生物について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食品微生物に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 食品微生物について特質を理解し,農業の各分野で利用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「食品微生物」とプロジェクト学習
ア 食品と微生物
イ 食品微生物に関するプロジェクト学習の意義
ウ プロジェクト学習の進め方
(2) 食品微生物の種類
ア 微生物の形態と種類
イ 微生物の栄養と生理
ウ 微生物の増殖と遺伝
エ 微生物の酵素と種類
オ 微生物の代謝
(3) 食品微生物の実験
ア 基本操作
イ かびの分離と培養
ウ 酵母の分離と培養
エ 細菌の分離と培養
オ きのこの培養
(4) 微生物利用の動向
ア 微生物の改良
イ 固定化生体触媒
ウ エネルギー生産
エ 環境保全と浄化
(5) 微生物利用の実践
ア 食品微生物を利用した実習
イ 食品の微生物検査
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 微生物の形態的特徴と生理的特性を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,微生物の応用を図る実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(5)については,(1)を踏まえ,(2)から(4)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)及び(5)については,実験・実習を通して,微生物の安全な取扱いについて指導すること。特に,有害微生物を扱う際には,適切な拡散防止の措置を講じるなど安全に十分留意して指導すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)について,微生物の学名や英名及び化学式や構造式を扱う場合は,基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,観察・実験を通して,微生物の形態的特徴と生理的特性を具体的に扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,微生物及び微生物酵素利用の動向について扱い,特に遺伝子組換え,バイオリアクター,バイオマスなどの原理を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,微生物の有用性を確認するために,多様な発酵食品の製造を行うとともに,危害分析・重要管理点方式や食品安全マネジメントシステムなどにおける微生物検査に関する内容を扱うこと。
第18 食品流通
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,食品流通とマーケティングに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 食品流通について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 食品流通に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 食品流通の合理的な管理とマーケティングが経営発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「食品流通」とプロジェクト学習
ア 食品流通に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 食と消費の動向
ア 食をめぐる世界の動向
イ 食と生活の動向
ウ 食生活と健康
(3) 食品の流通・保管と物流
ア 食品流通の構造
イ 食品の保管
ウ 物流と情報システム
エ 食品の品質管理
オ 食品の輸出入
(4) 食品のマーケティング
ア 食品マーケティングの概要
イ 食品マーケティング戦略
ウ 食品のブランド化
(5) 食品流通とマーケティングの実践
ア 市場調査・環境分析
イ マーケティング戦略の策定
ウ 食品マーケティングの実践と評価
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農業生産,食品製造から流通・消費までの食料供給の仕組みを理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,食品流通に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(5)については,(1)を踏まえ,(2)から(4)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,世界と日本の食の動向について,世界的な視点と身近な食生活の視点から扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,食品トレーサビリティシステムなどの品質管理と適正な食品表示について扱うこと。また,危害分析・重要管理点方式及び食品安全マネジメントシステムなどの考え方や方法についても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,マーケティングの原理,方法,ブランド化について具体的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,顧客の視点からの分析,マーケティング戦略の策定,実践と評価を具体的に行うこと。
第19 森林科学
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,森林の構造や機能並びに保全技術などを科学的に捉えるために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 森林科学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 森林科学に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 森林を科学的に捉えるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「森林科学」とプロジェクト学習
ア 森林科学に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 森林と樹木
ア 森林の特性
イ 樹木の特性
ウ 林木の立地環境
(3) 森林生態系の構造と多面的機能
ア 森林生態系の構造
イ 森林植生遷移と森林の発達段階
ウ 森林の構造と多面的機能との関係
(4) 森林の機能と目標林型
ア 森林の機能と生態系サービス
イ 目標林型
ウ ゾーニング
(5) 森林の施業技術や管理技術
ア 全体技術と個別技術
イ 生産林の施業技術
ウ 環境林の管理技術
(6) 木材の収穫
ア 作業システム
イ 林道,作業道
ウ 伐採,造材,集材
エ 労働安全
(7) 森林の育成と活用の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 森林生態系の構造と多面的機能,目標林型,森林の施業技術や管理技術の仕組みを理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,森林科学に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域林業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(7)については,(1)を踏まえ,(2)から(6)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,様々な森林のタイプ分けについてその意義を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,森林生態系について図などを活用してわかりやすく丁寧に扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,森林の機能と生態系サービスとの関係,目標林型,生態系サービスと目標林型との関係などを扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,個別技術の意義や意味,技術の関連性と全体像,生産林に対して人間が関与する意義,環境林の空間利用を含めた取扱いなどを扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,集材方法を考えた伐採,路網の設計,機材を使用する際の安全性などを扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,森林の育成と活用に関する実践的な活動を行うこと。
第20 森林経営
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,森林経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 森林経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 森林経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 森林経営について持続的な経営発展へ向けて自ら学び,農業の振興や社会貢献について主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「森林経営」とプロジェクト学習
ア 森林経営に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 世界と日本の森林・林業
ア 世界の森林・林業
イ 日本の森林・林業
(3) 森林経営の目標と組織
ア 持続可能な森林経営
イ 森林経営の組織
ウ 森林経営の計画
(4) 森林の測定と評価
ア 森林の測定
イ リモートセンシングの利用
ウ 森林の評価
(5) 森林・林業の制度と政策
ア 制度と政策の特徴
イ 制度と政策の体系
ウ 政策主体と近年の政策動向
(6) 山地と農山村の保全
ア 山地の保全
イ 治山事業
ウ 日本の農山村
(7) 森林経営の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 持続可能な森林経営や森林経営の組織と計画などについて理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,森林経営に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域林業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(7)については,(1)を踏まえ,(2)から(6)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(4)については,学校林などを対象に森林認証制度についても学習すること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,地球規模で森林・林業の現状を取り上げるとともに,世界各国の森林・林業事情を踏まえ,我が国の森林・林業の特徴と問題点を扱うこと。また,木材の貿易,価格,流通についても扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,持続可能な森林経営の概念,森林経営を担う組織及び森林経営に関する計画などについて扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,持続可能な森林経営の基礎となる森林の測定と評価について扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,森林経営に関する制度や政策の概要を取り上げるとともに,国や自治体の制度や政策の重要性について扱うこと。また,森林経営に関する法規の概要について扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,農山村の振興方策など幅広く扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,森林経営に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第21 林産物利用
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,林産物の利用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 林産物の利用について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 林産物の利用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 林産物が多様な利用につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「林産物利用」とプロジェクト学習
ア 林産物利用に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 循環資源としての木材
ア 木材の性質
イ 木材の用途
ウ 循環資源と環境
(3) 林産業の概要
ア 林産業の現状
イ 木材需要の構造
ウ 外国の林産業
(4) 製材・加工と木工
ア 製材・加工
イ 木工
ウ 安全衛生
(5) 木材の改良と成分の利用
ア 木質材料の製造
イ 木材パルプと和紙
ウ 木質バイオマスの利用
(6) 特用林産物の生産と加工
ア きのこの生産と加工
イ 木炭及び薪(まき)の生産と利用
ウ その他の特用林産物
(7) 林産物利用の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 再生可能な森林資源を利用する林産物利用の意義と役割を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,林産物利用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域林業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(7)については,(1)を踏まえ,(2)から(6)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,バイオマス利用と化石燃料との代替関係などについて扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,林産業の現状,木材需要の構造,各国の林産業の比較とともに,各国の森林資源の成熟度や森林所有者団体などの比較も扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,製材と木材の乾燥,木工,安全衛生について扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,木材の材質の改良,木材の物理的処理と化学的処理及び木質バイオマスのエネルギー利用について基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,特用林産業が林業経営や地域社会の振興及び持続的発展に寄与していることを扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,林産物利用に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第22 農業土木設計
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業土木事業の計画と設計に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業土木設計について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業土木設計に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業土木設計について農業土木事業が自然環境との調和へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「農業土木設計」とプロジェクト学習
ア 農業土木設計に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 農業土木事業の計画と設計
ア 農業土木事業の意義と役割
イ 農業土木事業の計画
ウ 農業土木構造物の設計
(3) 水と土の性質
ア 水の基本的性質
イ 土の基本的性質
ウ 土中の水
(4) 構造物の設計
ア 設計の基礎
イ はり
ウ 柱
エ トラス
オ ラーメン
(5) 農業土木構造物
ア コンクリート構造
イ 鉄筋コンクリート構造
ウ 鋼構造
(6) 農業土木設計の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農村の発展や国土保全・環境創造を担う農業土木事業の事例を通して,計画と設計について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,農業土木事業の計画と設計に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,農業土木事業の計画,農業土木構造物の目的や特徴,種類及び特質について,国土保全や環境創造と関連付けて扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,水路やせきなどの水利構造物,擁壁や農業土木構造物の基礎の設計・施工・維持管理に必要な水と土の物理的性質について基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,農業土木構造物の構造材料である木材や鋼材,コンクリートなどの強さと特性,はり,柱とトラスに作用する外力と応力及びその計算方法について基礎的な内容を扱うこと。また,ラーメン構造については概要を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,コンクリート構造と鉄筋コンクリート構造,鋼構造の特性や構造物設計に必要な基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,農業土木設計に関する実践的な活動を行うこと。
第23 農業土木施工
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業土木事業における施工と管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 農業土木施工について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 農業土木施工に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 農業土木施工について自然環境や安全に配慮し,合理的な施工・管理ができるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「農業土木施工」とプロジェクト学習
ア 農業土木施工に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 施工計画の基本
ア 施工計画の立案
イ 仮設計画
ウ 仕様と積算
(3) 工事の管理
ア 工事の運営組織
イ 工程管理
ウ 品質管理
エ 安全管理
(4) 農業土木関係の法規
ア 農村計画関連の法
イ 環境保全関連の法規
(5) 農業土木工事の施工
ア 土木材料
イ 土工
ウ コンクリート工
エ 鉄筋コンクリート工
オ 基礎工
カ 道路工
キ 植栽工
ク いろいろな施工技術
(6) 農業土木施工の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農村の発展や国土保全・環境創造を担う農業土木工事の事例を通して,農業土木施工・管理について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,農業土木施工・管理に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,合理的かつ自然環境に配慮した施工計画の立案や工事費と工期との関係,設計図書について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,工事の運営手順や工程図の種類とそれぞれの特徴及び作成方法,品質管理手法や安全衛生管理について基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,施工計画や施工管理に関連付けながら,農村計画関連法規及び環境保全関連法規の目的と概要について扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,農業土木構造物の新設工事,既設構造物の補修・補強工事,災害復旧工事の特質や各種施工法の特徴について基礎的な内容を扱うこと。なお,イについては,農地整備と農地造成についても扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,農業土木施工に関する実践的な活動を行うこと。
第24 水循環
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,循環する水を有効に活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 水循環について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 水循環に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 水循環について環境保全や農業の持続的な発展へつながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「水循環」とプロジェクト学習
ア 水循環に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 水と地球環境
ア 水と大気
イ 水文循環
ウ 水と森林・河川・農地
エ 水と生態系
(3) 水と生活環境
ア 水と人間の歴史
イ 資源としての水
ウ 水の有効利用と水質保全
(4) 水と農林業
ア 水と農地の土壌
イ 水と農業生物の栽培
ウ 水と森林の土壌
(5) 農業水利
ア 利水と治水
イ かんがいと排水
ウ 水利施設
エ 農業用水の多面的機能
(6) 水資源の保全と活用の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 水循環と環境や生物との関わり,水資源の確保など水を総合的に理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,農業の持続的な発展と国土保全・環境創造に水を有効かつ継続的に利用する実践力が身に付くようにすること。なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,地球全体と流域における森林・河川・農地それぞれの水循環の視点で捉えた大気や水,生物のあり方とそれぞれの相互関係及び環境について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,水の制御と技術の発達,水と農業形態や農業技術の発達,地球規模での水資源の種類や分布,農業用水や工業用水,生活用水や環境用水の機能や相互の関係,水の量的な不足や質的な変化について基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,水の動きに伴う肥料や農薬の動きと環境との関わり,農地と森林の水源涵(かん)養機能及び環境保全への寄与について扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,用排水機場や水門など主な水利施設の計画・施工・維持管理について基礎的な内容を扱うこと。なお,アについては,利水や治水に関連付けながら,水害や干ばつによる被害とそれらの対策についても扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,水資源の保全と活用に関する実践的な活動を行うこと。
第25 造園計画
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造園計画に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 造園計画について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 造園計画に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 造園計画について目的や環境に応じた造園空間の創造につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「造園計画」とプロジェクト学習
ア 造園計画に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 造園計画の意義と役割
ア 地球環境と造園
イ 生活環境と緑地環境
ウ 造園計画と造園空間
(3) 環境と造園の様式
ア 我が国の緑地環境と造園様式
イ 外国の緑地環境と造園様式
(4) 造園デザインと造園製図
ア 造園デザイン
イ 造園製図
(5) 造園の計画・設計
ア 住宅庭園
イ 屋上・室内・壁面緑化
ウ その他の造園
(6) 公園や緑地の計画・設計
ア 都市緑地
イ 農村緑地
ウ 自然公園,緑地
(7) 造園計画の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 緑地環境や造園空間の機能と生活空間での造園の役割について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,造園計画に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の緑地環境の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(7)については,(1)を踏まえ,(2)から(6)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,造園の目的と計画及びそれに基づく造園空間の創造と利用,緑地環境の種類,快適な生活環境を創造する造園計画の役割の概要について扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,我が国と外国の主な造園様式と実際の造園との関わり,時代の変遷並びにそれを取り巻く自然環境,文化的環境及び社会的環境で捉え,総合的に扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,造園デザインと身近な造園空間との関わり,図面の種類や製図技術の基礎的な内容について総合的に扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,様々な造園の調査,構想,地割・動線及び計画・設計や機能,構成の基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,緑地や公園の機能,特徴や種類,都市公園法による公園の計画・設計の基礎的な内容を扱うこと。なお,イ及びウについては,設計を扱わないことができること。
キ 〔指導項目〕の(7)については,造園計画に関する実践的な活動を行うこと。
第26 造園施工管理
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造園施工管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 造園施工管理について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 造園施工管理に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 造園施工管理について目的や環境に応じた合理的な施工と維持管理につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「造園施工管理」とプロジェクト学習
ア 造園施工管理に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 造園施工管理の意義と役割
ア 社会環境と造園施工管理
イ 造園施工管理の意義
ウ 造園施工管理の特色と役割
(3) 造園材料の種類と特性
ア 石材
イ 木材,竹材
ウ 金属材料
エ コンクリート材料
オ コンクリート二次製品
カ 窯製品
キ その他の造園材料
(4) 造園土木施工
ア 敷地造成と土壌改良
イ コンクリート工
ウ 給排水工
(5) 施設施工管理
ア 園路・広場工
イ 水景施設工
ウ 庭園施設工
エ 公園施設工
オ 工作物の管理
カ 景観の管理
(6) 施工計画と工事の管理
ア 工程管理
イ 品質管理
ウ 安全管理
(7) 造園施工管理の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 造園や造園施工材料の特質及び合理的な施工管理方法について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,造園施工管理に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の緑地環境の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(7)については,(1)を踏まえ,(2)から(6)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,緑地環境,造園,造園施工と管理の現状,適切な施工材料の必要性,施工管理の技術,施工管理の課題の概要について扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,造園施工材料の種類と特性から造園空間に見合った造園施工材料の選定及び施工管理に至るまで系統的に扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,造園土木施工で使用する機械,器具について基礎的な内容を扱うとともに,合理的かつ安全な機械,器具の使用方法について扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,施工に必要な機械,器具について基礎的な内容を扱うとともに,工作物の補修などの維持管理及び造園の目的に沿った景観の維持管理について扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,実際の工事を想定した施工計画と工事の管理を関連付けながら,工程管理,安全管理,品質管理に関する基礎的な内容を扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,造園施工管理に関する実践的な活動を行うこと。
第27 造園植栽
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造園植栽に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 造園植栽について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 造園植栽に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 造園植栽について目的や環境に応じた合理的な植栽につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「造園植栽」とプロジェクト学習
ア 造園植栽に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 造園植栽の意義と役割
ア 造園植栽の意義
イ 造園植栽の特色と役割
ウ 植栽と風景
(3) 植物材料の種類と特性
ア 造園樹木
イ 地被植物
ウ 造園で活用する草花
(4) 植栽計画
ア 配植のデザイン
イ 植物の特性と植栽計画
(5) 造園植栽施工
ア 植栽施工
イ 芝生,地被の造成
ウ 花壇の造成
(6) 造園植栽管理
ア 樹木の管理
イ 芝生,地被,花壇の管理
ウ 景観と植栽管理
(7) 造園植栽の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 造園や植物材料の特質及び合理的な造園植栽の施工と管理方法について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,造園植栽に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の緑地環境の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(7)については,(1)を踏まえ,(2)から(6)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,住宅庭園,都市公園などの緑地や造園植栽の特色と役割,植栽施工管理の現状と課題,風景の構成要素と植栽,配植のデザインの概要について扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,植物材料の種類や特性及び育成と,植栽施工や管理の特性を関連付けながら総合的に扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,身近な造園空間を題材として,地域的に特色のある植物材料を活(い)かした植栽デザインについて基礎的な内容を扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,樹木の根回し,樹木の移植などの植栽工事技術や芝生,地被,花壇の造成工事に関する基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,樹木の整枝剪(せん)定や病害虫の防除,景観に配慮した管理など植栽管理に関する基礎的な内容を扱うこと。
キ 〔指導項目〕の(7)については,造園植栽に関する実践的な活動を行うこと。
第28 測量
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,測量に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 測量について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 測量に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 測量について国土保全や環境創造に応用できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「測量」とプロジェクト学習
ア 測量に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 測量の意義と役割
(3) 位置や高さの測量
ア 平板測量
イ 角測量
ウ トラバース測量
エ 水準測量
オ 基準点測量と衛星測位
(4) 地理空間情報
ア 写真測量の原理
イ 写真測量の利用
ウ リモートセンシングの原理と種類
エ リモートセンシングの利用
オ 地理情報システムの原理と役割
カ 地理情報システムの利用
(5) 測量の実践
ア 地形測量
イ 路線測量
ウ 工事測量
エ 河川測量
オ 森林測量
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 農林業の発展や国土保全・環境創造を担う公共測量の身近な事例を通して,測量について理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では現地調査や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,測量に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(5)については,(1)を踏まえ,(2)から(4)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,測量の意義や役割,座標系と基準点,測定値の処理と誤差について基礎的な内容を扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,点の平面的位置や高低位置を決定する測量の原理や測量機器の操作及び測定値の具体的な処理について基礎的な内容を扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,写真測量やリモートセンシングの測定原理及びデータ処理の方法,地理情報システムの原理や表現方法とデータの種類及び処理の方法について扱うこと。また,基盤地図情報の利用についても扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,既存の地図情報の利用,各種事業の目的に応じた測量の選択,データの精度と表現方法に関する基礎的な内容を扱うとともに,実践的な活動を行うこと。なお,技術の進展に対応した測量技術についても扱うこと。
第29 生物活用
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,園芸作物や社会動物の活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生物活用について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 生物活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 生物活用について生物の特性を活用し生活の質の向上につながるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「生物活用」とプロジェクト学習
ア 生物活用に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 生物活用の意義と役割
ア 園芸作物,社会動物と健康的な暮らし
イ 生物を活用した活動と療法
ウ 緑のある環境・園芸の特性と効用エ 社会動物の特性と効用
(3) 園芸作物の栽培と活用
ア 草花・野菜・ハーブの栽培と活用
イ 園芸デザインとその活用
ウ 園芸作物の安全性
(4) 社会動物の飼育と活用
ア 社会動物の飼育としつけ
イ 社会動物の活用
ウ 社会動物の安全性と衛生管理
(5) 生物を活用した療法
ア 園芸療法
イ 動物介在療法
(6) 生物活用の実践
ア 対象者の理解と交流の技法
イ 交流活動と評価
ウ 療法的な活動
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 生物の特性を活用することで,生活の質の向上につながることを事例を通して理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,生物活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,園芸作物や社会動物が人の健康にもたらす心理的・身体的・社会的特性及び専門家が療法として行う行為と一般の人々が健康増進などを目的として行う活動の違いを扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,教育や健康などに関する効用に着目した園芸作物の栽培や園芸デザインの活動を中心に扱い,それを活用した交流活動の準備や活動の支援,植物の安全性についても扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)については,教育や健康などに関する効用に着目した社会動物との交流とそのための飼育やしつけを中心に扱うこと。その際,社会動物を活用した交流活動の準備や活動の支援も扱うこと。また,ストレスや疾病の軽減など社会動物の快適性に配慮した飼養管理についても扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,園芸療法,動物介在療法の基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,生物活用に関する実践的な活動を行うこと。また,交流対象者の発達段階や特性,ライフステージ,健康状態の理解及び交流対象者を想定した試行,交流中の対象者の観察,交流に必要な技術と交流活動の評価についても扱うこと。
第30 地域資源活用
1 目 標
農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,地域資源の活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 地域資源の活用について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。
(2) 地域資源の活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。
(3) 地域資源の活用について新たな価値の創造に寄与できるよう自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。
2 内 容
1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。
〔指導項目〕
(1) 「地域資源活用」とプロジェクト学習
ア 地域資源活用に関するプロジェクト学習の意義
イ プロジェクト学習の進め方
(2) 農山村社会の変化と地域振興
ア 農山村社会の現状と変化
イ 地域活性化に向けた施策・取組
(3) 地域資源活用の意義と役割
ア 地域資源の魅力と価値
イ 地域振興に向けた施策・取組
ウ 異業種連携と商品価値の創造
エ 地域資源活用の実践と課題
オ 情報の活用と発信
(4) 地域資源の価値と活用
ア 観光への活用
イ 商品開発への活用
ウ サービス業への活用
エ 教育・福祉への活用
(5) 地域と連携した活動
ア 地域資源のマーケティングとブランドづくり
イ 地域資源を活用したサービス
ウ 農業のユニバーサルデザイン化
エ 地域振興活動と評価
(6) 地域資源活用の実践
3 内容の取扱い
(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。
ア 地域資源の活用や地域振興について身近な事例を通して理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では見学や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,地域資源の活用に関する実践力が身に付くようにすること。なお,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。
イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)については,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱うこと。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。
イ 〔指導項目〕の(2)については,農山村と都市の現状を考察し,それらに合わせた異業種との連携及びそこから生み出される地域資源の活用について扱うこと。
ウ 〔指導項目〕の(3)については,国内外の地域資源活用に関する取組について取り上げ,生徒自らが身近な地域資源を理解し,その活用を実践できるように扱うこと。
エ 〔指導項目〕の(4)及び(5)については,地域調査から地域の価値を見いだし,魅力を伝える取組についてプロジェクト学習を通して扱うこと。
オ 〔指導項目〕の(5)については,地域資源の活用におけるユニバーサルデザイン化及び地域振興活動の指標を定める評価方法について基礎的な内容を扱うこと。
カ 〔指導項目〕の(6)については,地域資源の活用に関する実践的な活動を行うこと。なお,起業や六次産業化に関わる内容についても扱うこと。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,農業の見方・考え方を働かせ,安定的な食料生産と環境保全及び資源活用の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付けるなどの実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。
(2) 農業に関する各学科においては,「農業と環境」及び「課題研究」を原則として全ての生徒に履修させること。
(3) 農業に関する各学科においては,原則として農業科に属する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。また,実験・実習に当たっては,ホームプロジェクトを取り入れることもできること。
(4) 地域や産業界,農業関連機関等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。
(5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 農業に関する課題について,科学的な根拠に基づくプロジェクト学習などによる課題解決に向けた主体的・協働的な調査や実験などを通して,情報分析,考察,協議などの言語活動の充実を図ること。
(2) コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。
3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。