第8節 外 国 語
第1款 目 標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語によ,る聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動及びこれらを結び付けた統合的な言語活動を通して,情報や考えなどを的確に理解したり適切に表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 外国語の音声や語彙,表現,文法,言語の働きなどの理解を深めるとともに,これらの知識を,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて,目的や場面,状況などに応じて適切に活用できる技能を身に付けるようにする。
(2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,日常的な話題や社会的な話題について,外国語で情報や考えなどの概要や要点,詳細,話し手や書き手の意図などを的確に理解したり,これらを活用して適切に表現したり伝え合ったりすることができる力を養う。
(3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,聞き手,読み手,話し手,書き手に配慮しながら,主体的,自律的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 英語コミュニケーションⅠ
1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことの五つの領域(以下この節において「五つの領域」という。)別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1款の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1款の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 聞くこと
ア 日常的な話題について,話される速さや,使用される語句や文,情報量などにおいて,多くの支援を活用すれば,必要な情報を聞き取り,話し手の意図を把握することができるようにする。
イ 社会的な話題について,話される速さや,使用される語句や文,情報量などにおいて,多くの支援を活用すれば,必要な情報を聞き取り,概要や要点を目的に応じて捉えることができるようにする。
(2) 読むこと
ア 日常的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,多くの支援を活用すれば,必要な情報を読み取り,書き手の意図を把握することができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,多くの支援を活用すれば,必要な情報を読み取り,概要や要点を目的に応じて捉えることができるようにする。
(3) 話すこと[やり取り]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,多くの支援を活用すれば,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを話して伝え合うやり取りを続けることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,多くの支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを基に,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して話して伝え合うことができるようにする。
(4) 話すこと[発表]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して話して伝えることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを基に,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して話して伝えることができるようにする。
(5) 書くこと
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して文章を書いて伝えることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを基に,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して文章を書いて伝えることができるようにする。
2 内 容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
実際に英語を用いた言語活動を通して,小学校学習指導要領(平成二十九年文部科学省告示第六十三号)第2章第10節の第2の2の(1),中学校学習指導要領(平成二十九年文部科学省告示第六十四号)第2章第9節の第2の2の(1)及び次に示す言語材料のうち,五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解するとともに,言語材料と言語活動とを効果的に関連付け,実際のにコミュニケーションにおいて活用できる技技能を身に付けることができるよう指導する。
ア 音声
(ア) 語や句,文における強勢
(イ) 文におけるイントネーション
(ウ) 文における区切り
イ 句読法
(ア) コンマ
(イ) コロン,セミコロン
(ウ) ダッシュ
ウ 語,連語及び慣用表現
(ア) 小学校及び中学校で学習した語に400〜600語程度の新語を加えた語
(イ) 連語
(ウ) 慣用表現
エ 文構造及び文法事項
小学校学習指導要領第2章第10節の第2の2の(1)のエ,中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(1)のエ及び次に示す事項については,意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して活用すること。その際,(イ)に掲げる全ての事項を,適切に取り扱うこと。
(ア) 文構造のうち,活用頻度の高いもの
(イ) 文法事項
a 不定詞の用法
b 関係代名詞の用法
c 関係副詞の用法
d 接続詞の用法
e 助動詞の用法
f 前置詞の用法
g 動詞の時制及び相など
h 仮定法
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを論理的に適切な英語で表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 日常的な話題や社会的な話題について,英語を聞いたり読んだりして,情報や考えなどの概要や要点,詳細,話し手や書き手の意図などを的確に捉えたり,自分自身の考えをまとめたりすること。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,英語を聞いたり読んだりして得られた情報や考えなどを活用しながら,話したり書いたりして情報や自分自身の考えなどを適切に表現すること。
ウ 日常的な話題や社会的な話題について,伝える内容を整理し,英語で話したり書いたりして,要点や意図などを明確にしながら,情報や自分自身の考えなどを伝え合うこと。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような五つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して指導する。
ア 中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(3)の①に示す言語活動のうち,中学校における学習内容の定着を図るために必要なもの。
イ 聞くこと
(ア) 日常的な話題について,話される速さが調整されたり,基本的な語句や文での言い換えを十分に聞いたりしながら,対話や放送などから必要な情報を聞き取り,話し手の意図を把握する活動。また,聞き取った内容を話したり書いたりして伝え合う活動。
(イ) 社会的な話題について,話される速さが調整されたり,基本的な語句や文での言い換えを十分に聞いたりしながら,対話や説明などから必要な情報を聞き取り,概要や要点を把握する活動。また,聞き取った内容を話したり書いたりして伝え合う活動。
ウ 読むこと
(ア) 日常的な話題について,基本的な語句や文での言い換えや,書かれている文章の背景に関する説明などを十分に聞いたり読んだりしながら,電子メールやパンフレットなどから必要な情報を読み取り,書き手の意図を把握する活動。また,読み取った内容を話したり書いたりして伝え合う活動。
(イ) 社会的な話題について,基本的な語句や文での言い換えや,書かれている文章の背景に関する説明などを十分に聞いたり読んだりしながら,説明文や論証文などから必要な情報を読み取り,概要や要点を把握する活動。また,読み取った内容を話したり書いたりして伝え合う活動。
エ 話すこと[やり取り]
(ア) 身近な出来事や家庭生活などの日常的な話題について,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が十分に示される状況で,情報や考え,気持ちなどを即興で話して伝え合う活動。また,やり取りした内容を整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
(イ) 社会的な話題について,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が十分に示される状況で,対話や説明などを聞いたり読んだりして,賛成や反対の立場から,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに話して伝え合う活動。また,やり取りした内容を踏まえて,自分自身の考えなどを整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
オ 話すこと[発表]
(ア) 身近な出来事や家庭生活などの日常的な話題について,使用する語句や文,発話例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,使用する語句や文,発話例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,対話や説明などを聞いたり読んだりして,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
カ 書くこと
(ア) 身近な出来事や家庭生活などの日常的な話題について,使用する語句や文,文章例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに段落を書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,使用する語句や文,文章例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,対話や説明などを聞いたり読んだりして,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに段落を書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
② 言語の働きに関する事項
言語活動を行うに当たり,例えば,次に示すような言語の使用場面や言語の働きの中から,五つの領域別の目標を達成するためにふさわしいものを取り上げ,有機的に組み合わせて活用するようにする。
ア 言語の使用場面の例
(ア) 生徒の暮らしに関わる場面
・ 家庭での生活 ・ 学校での学習や活動
・ 地域での活動 ・ 職場での活動 など
(イ) 多様な手段を通して情報などを得る場面
・ 本,新聞,雑誌などを読むこと
・ テレビや映画,動画,ラジオなどを観(み)たり,聞いたりすること
・ 情報通信ネットワークを活用すること など
(ウ) 特有の表現がよく使われる場面
・ 買物 ・ 食事
・ 旅行 ・ 電話での対応
・ 手紙や電子メールのやり取り など
イ 言語の働きの例
(ア) コミュニケーションを円滑にする
・ 相づちを打つ ・ 聞き直す
・ 繰り返す ・ 言い換える
・ 話題を発展させる ・ 話題を変える など
(イ) 気持ちを伝える
・ 共感する ・ 褒める
・ 謝る ・ 感謝する
・ 望む ・ 驚く
・ 心配する など
(ウ) 事実・情報を伝える
・ 説明する ・ 報告する
・ 描写する ・ 理由を述べる
・ 要約する ・ 訂正する など
(エ) 考えや意図を伝える
・ 提案する ・ 申し出る
・ 賛成する ・ 反対する
・ 承諾する ・ 断る
・ 主張する ・ 推論する
・ 仮定する など
(オ) 相手の行動を促す
・ 質問する ・ 依頼する
・ 誘う ・ 許可する
・ 助言する ・ 命令する
・ 注意をひく ・ 説得する など
3 内容の取扱い
(1) 中学校におけるコミュニケーションを図る資質・能力を育成するための総合的な指導を踏まえ,五つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して,総合的に指導するものとする。
(2) 中学校における学習との接続のため,既習の語句や文構造,文法事項などの学習内容を繰り返したり,特にこの科目の学習の初期の段階においては中学校における基礎的な学習内容を整理したりして指導し,定着を図るよう配慮するものとする。
第2 英語コミュニケーションⅡ
1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,五つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1款の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1款の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 聞くこと
ア 日常的な話題について,話される速さや,使用される語句や文,情報量などにおいて,一定の支援を活用すれば,必要な情報を聞き取り,話の展開や話し手の意図を把握することができるようにする。
イ 社会的な話題について,話される速さや,使用される語句や文,情報量などにおいて,一 定の支援を活用すれば,必要な情報を聞き取り,概要や要点,詳細を目的に応じて捉えることができるようにする。
(2) 読むこと
ア 日常的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,一定の支援を活用すれば,必要な情報を読み取り,文章の展開や書き手の意図を把握することができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,一定の支援を活用すれば,必要な情報を読み取り,概要や要点,詳細を目的に応じて捉えることができるようにする。
(3) 話すこと[やり取り]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,一定の支援を活用すれば,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを詳しく話して伝え合うやり取りを続けることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,一定の支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを基に,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して詳しく話して伝え合うことができるようにする。
(4) 話すこと[発表]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して詳しく話して伝えることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを基に,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して詳しく話して伝えることができるようにする。
(5) 書くこと
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して複数の段落から成る文章で詳しく書いて伝えることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを基に,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理性に注意して複数の段落から成る文章で詳しく書いて伝えることができるようにする。
2 内 容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)と同様に取り扱うものとする。ただし,指導する語については,「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1) のウの(ア)で示す語に700〜950語程度の新語を加えた語とする。また,「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)のエの(イ)については,示された文法事項の中から,五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものを取り扱うものとする。
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(2)に示す事項について,五つのの領域別の目標を達成するように取り扱うものとする。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような五つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して指導する。
ア 「英語コミュニケーションⅠ」の2の(3)の①に示す言語活動のうち,「英語コミュニケーションⅠ」における学習内容の定着を図るために必要なもの。
イ 聞くこと
(ア) 日常的な話題について,必要に応じて,話される速さが調整されたり,別の語句や文での言い換えを聞いたりしながら,対話やスピーチなどから必要な情報を聞き取り,話の展開や話し手の意図を把握する活動。また,聞き取った内容を基に考えをまとめ,話したり書いたりして伝え合う活動。
(イ) 社会的な話題について,必要に応じて,話される速さが調整されたり,別の語句や文での言い換えを聞いたりしながら,説明や討論などから必要な情報を聞き取り,概要や要点,詳細を把握する活動。また,聞き取った内容を基に考えをまとめ,話したり書いたりして伝え合う活動。
ウ 読むこと
(ア) 日常的な話題について,必要に応じて,別の語句や文での言い換えや,書かれている文章の背景に関する説明などを聞いたり読んだりしながら,新聞記事や広告などから必要な情報を読み取り,文章の展開や書き手の意図を把握する活動。また,読み取った内容を基に考えをまとめ,話したり書いたりして伝え合う活動。
(イ) 社会的な話題について,必要に応じて,別の語句や文での言い換えや,書かれている文章の背景に関する説明などを聞いたり読んだりしながら,論証文や報告文などから必要な情報を読み取り,概要や要点,詳細を把握する活動。また,読み取った内容を基に考えをまとめ,話したり書いたりして伝え合う活動。
エ 話すこと[やり取り]
(ア) 関心のある事柄や学校生活などの日常的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が示される状況で,情報や考え,気持ちなどを詳しく話して伝え合う活動。また,やり取りした内容を整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
(イ) 社会的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が示される状況で,説明や討論などを聞いたり読んだりして,賛成や反対の立場から,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに詳しく話して伝え合う活動。また,やり取りした内容を踏まえて,自分自身の考えなどを整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
オ 話すこと[発表]
(ア) 関心のある事柄や学校生活などの日常的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,発話例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに詳しく話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,発話例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,説明や討論などを聞いたり読んだりして,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに詳しく話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
カ 書くこと
(ア) 関心のある事柄や学校生活などの日常的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,文章例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,文章例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,説明や討論などを聞いたり読んだりして,情報や考え,気持ちなどを理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
② 言語の働きに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(3)の②と同様に取り扱うものとする。
3 内容の取扱い
コミュニケーションを図る資質・能力を育成するためのこれまでの総合的な指導を踏まえ,五つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して,総合的に指導するものとする。
第3 英語コミュニケーションⅢ
1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,五つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1款の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1款の(3)に示す資質・能力をを育成する。
(1) 聞くこと
ア 日常的な話題について,話される速さや,使用される語句や文,情報量などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,必要な情報を聞き取り,話の展開や話し手の意図を把握することができるようにする。
イ 社会的な話題について,話される速さや,使用される語句や文,情報量などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,話の展開に注意しながら必要な情報を聞き取り,概要や要点,詳細を目的に応じて捉えることができるようにする。
(2) 読むこと
ア 日常的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,必要な情報を読み取り,文章の展開や書き手の意図を把握することができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用される語句や文,情報量などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,文章の展開に注意しながら必要な情報を読み取り,概要や要点,詳細を目的に応じて捉えることができるようにする。
(3) 話すこと[やり取り]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを詳しく話して伝え合うやり取りを続け,会話を発展させることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,聞いたり読んだりしたことを基に,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,課題の解決策などを論理的に詳しく話して伝え合うことができるようにする。
(4) 話すこと[発表]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを論理的に詳しく話して伝えることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,聞いたり読んだりしたことを基に,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを論理的に詳しく話して伝えることができるようにする。
(5) 書くこと
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを複数の段落から成る文章で論理的に詳しく書いて伝えることができるようにする。
イ 社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,聞いたり読んだりしたことを基に,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを複数の段落から成る文章で論理的に詳しく書いて伝えることができるようにする。
2 内 容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)と同様に取り扱うものとする。ただし,指導する語については,「英語コミュニケーションⅡ」の2の(1) で示す語に700〜950語程度の新語を加えた語とする。また,「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)のエの(イ)については,示された文法事項の中から,五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものを取り扱うものとする。
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(2)に示す事項について,五つの領域別の目標を達成するように取り扱うものとする。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような五つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して指導する。
ア 「英語コミュニケーションⅠ」及び「英語コミュニケーションⅡ」のそれぞれの2の(3)の①に示す言語活動のうち,これらの科目における学習内容の定着を図るために必要なもの。
イ 聞くこと
(ア) 日常的な話題について,インタビューやニュースなどから必要な情報を聞き取り,話の展開や話し手の意図を把握する活動。また,聞き取った内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,複数のニュースや講演などから話の展開に注意しながら必要な情報を聞き取り,概要や要点,詳細を把握する活動。また,聞き取った内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
ウ 読むこと
(ア) 日常的な話題について,新聞記事や物語などから必要な情報を読み取り,文章の展開や書き手の意図を把握する活動。また,読み取った内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,複数の論証文や記録文などから文章の展開に注意しながら課題を解決するために必要な情報を読み取り,概要や要点,詳細をまとめる活動。また,まとめた内容を基に解決策を考え,話したり書いたりして伝え合う活動。
エ 話すこと[やり取り]
(ア) 学校外での生活や地域社会などの日常的な話題について,情報や考え,気持ちなどを詳しく話して伝え合い,会話を発展させる活動。また,やり取りした内容を整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
(イ) 社会的な話題について,ニュースや講演などを聞いたり読んだりして,情報や考え,課題の解決策などを明確な理由や根拠とともに詳しく話して伝え合う活動。また,やり取りした内容を踏まえて,自分自身の考えなどを整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
オ 話すこと[発表]
(ア) 学校外での生活や地域社会などの日常的な話題について,情報や考え,気持ちなどを明確な理由や根拠とともに詳しく話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,ニュースや講演などを聞いたり読んだりして,情報や考え,気持ちなどを明確な理由や根拠とともに詳しく話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
カ 書くこと
(ア) 学校外での生活や地域社会などの日常的な話題について,情報や考え,気持ちなどを明確な理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 社会的な話題について,ニュースや講演などを聞いたり読んだりして,情報や考え,気持ちなどを自分自身の立場を明らかにしながら,明確な理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
② 言語の働きに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(3)の②と同様に取り扱うものとする。
3 内容の取扱い
「英語コミュニケーションⅡ」の3と同様に取り扱うものとする。
第4 論理・表現Ⅰ
1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことの三つの領域(以下この節において「三つの領域」という。)別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1款の(1)及び(2) に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1款の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 話すこと[やり取り]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,多くの支援を活用すれば,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを話して伝え合ったり,やり取りを通して必要な情報を得たりすることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,多くの支援を活用すれば,ディベートやディスカッションなどの活動を通して,聞いたり読んだりしたことを活用しながら,基本的な語句や文を用いて,意見や主張などを論理の構成や展開を工夫して話して伝え合うことができるようにする。
(2) 話すこと[発表]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理の構成や展開を工夫して話して伝えることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,スピーチやプレゼンテーションなどの活動を通して,聞いたり読んだりしたことを活用しながら,基本的な語句や文を用いて,意見や主張などを論理の構成や展開を工夫して話して伝えることができるようにする。
(3) 書くこと
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,基本的な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理の構成や展開を工夫して文章を書いて伝えることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,多くの支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを活用しながら,基本的な語句や文を用いて,意見や主張などを論理の構成や展開を工夫して文章を書いて伝えることができるようにする。
2 内 容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
実際に英語を用いた言語活動を通して,小学校学習指導要領第2節第10節の第2の2の(1),中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(1)及び「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)に示す言語材料及び次に示す事項のうち,三つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解するとともに,それらと言語活動とを効果的に関連付け,実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導する。ただし,語や文法事項については,三つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものを適宜取り扱うものとする。
ア 論理の構成や展開及び表現などに関する事項
(ア) 目的や場面,状況などに応じた論理の構成や展開
(イ) 情報や考えなどを効果的に伝える表現
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを論理的に適切な英語で表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 日常的な話題や社会的な話題について,英語を聞いたり読んだりして得られた情報や考えなどを活用しながら,話したり書いたりして情報や自分自身の考えなどを適切に表現すること。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,伝える内容を整理し,英語で話したり書いたりして,要点や意図などを明確にしながら,情報や自分自身の考えなどを伝え合うこと。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような三つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して指導する。
ア 話すこと[やり取り]
(ア) 関心のある事柄や学校生活などの日常的な話題について,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が十分に示される状況で,情報や考え,気持ちなどを話して伝え合ったり,やり取りを通して必要な情報を得たりする活動。また,やり取りした内容を整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が十分に示される状況で,優れている点や改善すべき点を話して伝え合ったり,意見や主張などを適切な理由や根拠とともに伝え合うディベートやディスカッションをする活動。また,やり取りした内容を踏まえて,自分自身の考えなどを整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
イ 話すこと[発表]
(ア) 関心のある事柄や学校生活などの日常的な話題について,使用する語句や文,発話例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを適切な理由や根拠とともに話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,使用する語句や文,発話例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,段階的な手順を踏みながら,意見や主張などを適切な理由や根拠とともに伝える短いスピーチやプレゼンテーションをする活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
ウ 書くこと
(ア) 関心のある事柄や学校生活などの日常的な話題について,使用する語句や文,文章例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを適切な理由や根拠とともに段落を書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,使用する語句や文,文章例が十分に示されたり,準備のための多くの時間が確保されたりする状況で,発想から推敲(こう)まで段階的な手順を踏みながら,意見や主張などを適切な理由や根拠とともに段落を書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
② 言語の働きに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(3)の②と同様に取り扱うものとする。
3 内容の取扱い
コミュニケーションを図る資質・能力を育成するためのこれまでの総合的な指導を踏まえ,話したり書いたりする言語活動を中心に,情報や考えなどを表現したり伝え合ったりする能力の向上を図るように指導するものとする。
第5 論理・表現Ⅱ
1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,三つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1款の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1款の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 話すこと[やり取り]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,一定の支援を活用すれば,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを詳しく話して伝え合ったり,立場や状況が異なる相手と交渉したりすることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,一定の支援を活用すれば,ディベートやディスカッションなどの活動を通して,聞いたり読んだりしたことを活用しながら,多様な語句や文を用いて,意見や主張,課題の解決策などを論理の構成や展開を工夫して詳しく話して伝え合うことができるようにする。
(2) 話すこと[発表]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理の構成や展開を工夫して詳しく話して伝えることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,スピーチやプレゼンテーションなどの活動を通して,聞いたり読んだりしたことを活用しながら,多様な語句や文を用いて,意見や主張などを論理の構成や展開を工夫して詳しく話して伝えることができるようにする。
(3) 書くこと
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,多様な語句や文を用いて,情報や考え,気持ちなどを論理の構成や展開を工夫して複数の段落から成る文章で詳しく書いて伝えることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,一定の支援を活用すれば,聞いたり読んだりしたことを活用しながら,多様な語句や文を用いて,意見や主張などを論理の構成や展開を工夫して複数の段落から成る文章で詳しく書いて伝えることができるようにする。
2 内 容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
「論理・表現Ⅰ」の2の(1)と同様に取り扱うものとする。
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
「論理・表現Ⅰ」の2の(2)に示す事項について,三つの領域別の目標を達成するように取り扱うものとする。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような三つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して指導する。
ア 「論理・表現Ⅰ」の2の(3)の①に示す言語活動のうち,「論理・表現Ⅰ」における学習内容の定着を図るために必要なもの。
イ 話すこと[やり取り]
(ア) 学校外での生活や地域社会などの日常的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が示される状況で,情報や考え,気持ちなどを詳しく話して伝え合ったり,自分自身の状況や要望を伝え,相手の意向を把握しながら交渉したりする活動。また,やり取りした内容を整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,必要に応じて,使用する語句や文,やり取りの具体的な進め方が示される状況で,課題を明確に説明し,その解決策を提案し合ったり,意見や主張,課題の解決策などを適切な理由や根拠とともに詳しく伝え合ったりするディベートやディスカッションをする活動。また,やり取りした内容を踏まえて,自分自身の考えなどを整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
ウ 話すこと[発表]
(ア) 学校外での生活や地域社会などの日常的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,発話例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを適切な理由や根拠とともに詳しく話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,必要に応じて,使用する語句や文,発話例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,段階的な手順を踏みながら,意見や主張などを適切な理由や根拠とともに詳しく伝えるスピーチやプレゼンテーションをする活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
エ 書くこと
(ア) 学校外での生活や地域社会などの日常的な話題について,必要に応じて,使用する語句や文,文章例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,情報や考え,気持ちなどを適切な理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,必要に応じて,使用する語句や文,文章例が示されたり,準備のための一定の時間が確保されたりする状況で,発想から推敲まで段階的な手順を踏みながら,意見や主張などを適切な理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
② 言語の働きに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(3)の②と同様に取り扱うものとする。
3 内容の取扱い
「論理・表現Ⅰ」の3と同様に取り扱うものとする。
第6 論理・表現Ⅲ
1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,三つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通して,第1款の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,その過程を通して,第1款の(3)に示す資質・能力を育成する。
(1) 話すこと[やり取り]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,複数の資料を活用しながら,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,課題を解決することができるよう,情報や考え,気持ちなどを整理して話して伝え合うことができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,対話の展開などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,ディベートやディスカッションなどの活動を通して,複数の資料を活用しながら,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,意見や主張,課題の解決策などを,聞き手を説得できるよう,論理の構成や展開を工夫して詳しく話して伝え合うことができるようにする。
(2) 話すこと[発表]
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを,聞き手を説得できるよう,論理の構成や展開を工夫して詳しく話して伝えることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,スピーチやプレゼンテーションなどの活動を通して,複数の資料を活用しながら,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,意見や主張などを,聞き手を説得できるよう,論理の構成や展開を工夫して詳しく話して伝えることができるようにする。
(3) 書くこと
ア 日常的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,情報や考え,気持ちなどを,読み手を説得できるよう,論理の構成や展開を工夫して複数の段落から成る文章で詳しく書いて伝えることができるようにする。
イ 日常的な話題や社会的な話題について,使用する語句や文,事前の準備などにおいて,支援をほとんど活用しなくても,複数の資料を活用しながら,多様な語句や文を目的や場面,状況などに応じて適切に用いて,意見や主張などを,読み手を説得できるよう,論理の構成や展開を工夫して複数の段落から成る文章で詳しく書いて伝えることができるようにする。
2 内 容
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
「論理・表現Ⅰ」の2の(1)と同様に取り扱うものとする。
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項
「論理・表現Ⅰ」の2の(2)に示す事項について,三つの領域別の目標を達成するように取り扱うものとする。
(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような三つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通して指導する。
ア 「論理・表現Ⅰ」及び「論理・表現Ⅱ」のそれぞれの2の(3)の①に示す言語活動のうち,これらの科目における学習内容の定着を図るために必要なもの。
イ 話すこと[やり取り]
(ア) 日常的な話題について,ニュースや新聞記事などの複数の資料を活用して,情報や考え,気持ちなどを整理して話して伝え合ったり,課題を解決するために話し合ったりする活動。また,やり取りした内容を整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題に関して聞いたり読んだりした内容について,質疑応答をしたり,聞き手を説得することができるよう,ニュースや新聞記事などの複数の資料を活用して,意見や主張,課題の解決策などを効果的な理由や根拠とともに詳しく伝え合ったりするディベートやディスカッションをする活動。また,やり取りした内容を踏まえて,自分自身の考えなどを,整理して発表したり,文章を書いたりする活動。
ウ 話すこと[発表]
(ア) 日常的な話題について,聞き手を説得することができるよう,情報や考え,気持ちなどを効果的な理由や根拠とともに詳しく話して伝える活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題について,ニュースや新聞記事などの複数の資料を活用して,段階的な手順を踏みながら,聞き手を説得することができるよう,意見や主張などを効果的な理由や根拠とともに詳しく伝えるまとまりのある長さのスピーチやプレゼンテーションをする活動。また,発表した内容について,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
エ 書くこと
(ア) 日常的な話題について,読み手を説得することができるよう,情報や考え,気持ちなどを効果的な理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
(イ) 日常的な話題や社会的な話題について,ニュースや新聞記事などの複数の資料を活用して,発想から推敲まで段階的な手順を踏みながら,読み手を説得することができるよう,意見や主張などを効果的な理由や根拠とともに複数の段落を用いて詳しく書いて伝える活動。また,書いた内容を読み合い,質疑応答をしたり,意見や感想を伝え合ったりする活動。
② 言語の働きに関する事項
「英語コミュニケーションⅠ」の2の(3)の②と同様に取り扱うものとする。
3 内容の取扱い
「論理・表現Ⅰ」の3と同様に取り扱うものとする。
第7 その他の外国語に関する科目
1 その他の外国語に関する科目については,第1から第6まで及び第3款に示す英語に関する各科目の目標及び内容などに準じて指導を行うものとする。
2 高等学校において英語以外の外国語を初めて履修させる場合には,生徒の学習負担等を踏まえ,適切に指導するものとする。
第3款 英語に関する各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,小学校や中学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,生徒が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーンの目的や場面、状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現,文法などの知識を五つの領域(「論理・表現Ⅰ」,「論理・表現Ⅱ」及び「論理・表現Ⅲ」においては三つの領域。3において同じ。)における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。
(2) 「英語コミュニケーションⅡ」は「英語コミュニケーションⅠ」を,「英語コミュニケーションⅢ」は「英語コミュニケーションⅡ」を履修した後に履修させることを原則とすること。
(3) 「論理・表現Ⅱ」は「論理・表現Ⅰ」を,「論理・表現Ⅲ」は「倫理・表現Ⅱ」を履修した後に履修させることを原則とすること。
(4) 多様な生徒の実態に応じ,生徒の学習負担に配慮しながら,年次ごと及び科目ごとの目標を適切に定め,学校が定める卒業までの指導計画を通して十分に段階を踏みながら,外国語科の目標の実現を図るようにすること。
(5) 実際に英語を使用して自分自身の考えを伝え合うなどの言語活動を行う際は,既習の語句や文構造,文法事項などの学習内容を繰り返し指導し定着を図ること。
(6) 生徒が英語に触れる機会を充実させるとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること。
(7) 言語能力の向上を図る観点から,言語活動などにおいて国語科と連携を図り,指導の効果を高めるとともに,日本語と英語の語彙や表現,論理の展開などの違いや共通点に気付かせ,その背景にある歴史や文化,習慣などに対する理解が深められるよう工夫をすること。
(8) 言語活動で扱う題材は,生徒の興味・関心に合ったものとし,国語科や地理歴史科,理科など,他の教科等で学習した内容と関連付けるなどして,英語を用いて課題解決を図る力を育成する工夫をすること。
(9) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。
(10) 指導計画の作成や授業の実施に当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。
2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 単に英語を日本語に,又は日本語を英語に置き換えるような指導とならないよう,各科目の内容の(1)に示す言語材料については,意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して指導すること。また,生徒の発達の段階に応じて,聞いたり読んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき事項と,話したり書いたりして表現できるように指導すべき事項とがあることに留意すること。
(2) 音声指導の補助として,必要に応じて発音表記を用いて指導することもできることに留意すること。
(3) 文法事項の指導に当たっては,文法はコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,過度に文法的な正しさのみを強調したり,用語や用法の区別などの指導が中心となったりしないよう配慮し,使用する場面や伝えようとする内容と関連付けて整理するなど,実際のコミュニケーションにおいて活用できるように,効果的な指導を工夫すること。
(4) 現代の標準的な英語によること。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。
(5) 話すことや書くことの指導に当たっては,目的や場面,状況などに応じたやり取りや発表,文章などの具体例を示した上で,生徒がそれらを参考にしながら自分で表現できるよう留意すること。
(6) 中学校で身に付けた使い方を基礎として,辞書を効果的に活用できるようにすること。
(7) 生徒が発話する機会を増やすとともに,他者と協働する力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態について適宜工夫すること。その際,他者とコミュニケーションを行うことに課題がある生徒については,個々の生徒の特性に応じて指導内容や指導方法を工夫すること。
(8) 生徒が身に付けるべき資質・能力や生徒の実態,教材の内容などに応じて,視聴覚教材コミュニケーションや,情報通信ネットワーク,教育機器などを有効活用し,生徒の興味・関心をより高めるとともに,英語による情報の発信に慣れさせるために,キーボードを使って英文を入力するなどの活動を効果的に取り入れることにより,指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすること。
(9) 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などを設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すことにより,生徒が学習の見通しを立てたり,振り返ったりして,主体的,自律的に学習することができるようにすること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 教材は,五つの領域別の言語活動及び複数の領域を結び付けた統合的な言語活動を通してコミュニケーションを図る資質・能力を総合的に育成するため,各科目の五つの領域別の目標と2に示す内容との関係について,単元など内容や時間のまとまりごとに各教材の中で明確に示すとともに,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分に配慮した題材を取り上げること。その際,各科目の内容の(1)に示す文法事項などを中心とした構成とならないよう十分に留意し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などを設定した上で,言語活動を通して育成すべき資質・能力を明確に示すこと。
(2) 英語を使用している人々を中心とする世界の人々や日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化,自然科学などに関するものの中から,生徒の発達の段階や興味・関心に即して適切な題材を効果的に取り上げるものとし,次の観点に配慮すること。
(ア) 多様な考え方に対する理解を深めさせ,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
(イ) 我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解を深めようとする態度を養うのに役立つこと。
(ウ) 社会がグローバル化する中で,広い視野から国際理解を深め,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
(エ) 人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。