第2節 中学部

 

第1款 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

各教科の目標,各学年,各分野又は各言語の目標及び内容並びに指導計画の作成と内容の取扱いについては,中学校学習指導要領第2章に示すものに準ずるものとする。

指導計画の作成と内容の取扱いに当たっては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を十分考慮するとともに,第2章第1節第1款において特に示している事項に配慮するものとする。

 

第2款 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

第1 各教科の目標及び内容

 

 〔国 語〕

1 目 標

  言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で理解し表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 日常生活や社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。

 (2) 日常生活や社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。

 (3) 言葉がもつよさに気付くとともに,言語感覚を養い,国語を大切にしてその能力の向上を図る態度を養う。 

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  ア 日常生活や社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しむことができるようにする。

  イ 順序立てて考える力や感じたり想像したりする力を養い,日常生活や社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えをもつことができるようにする。

  ウ 言葉がもつよさに気付くとともに,図書に親しみ,国語で考えたり伝え合ったりしようとする態度を養う。

 (2) 内 容

 〔知識及び技能〕

ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 (ア) 身近な大人や友達とのやり取りを通して,言葉には,事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働きがあることに気付くこと。

 (イ) 発音や声の大きさに気を付けて話すこと。

 (ウ) 長音,拗(よう)音,促音,撥(はつ)音,助詞の正しい読み方や書き方を知ること。

 (エ) 言葉には,意味による語句のまとまりがあることを理解するとともに,話し方や書き方によって意味が異なる語句があることに気付くこと。

 (オ) 主語と述語との関係や接続する語句の役割を理解すること。

 (カ) 普通の言葉との違いに気を付けて,丁寧な言葉を使うこと。

 (キ) 語のまとまりに気を付けて音読すること。

イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 (ア) 事柄の順序など,情報と情報との関係について理解すること。

ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 (ア) 自然や季節の言葉を取り入れた俳句などを聞いたり作ったりして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

 (イ) 挨拶状などに書かれた語句や文を読んだり書いたりし,季節に応じた表現があることを知ること。

 (ウ) 書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

   ㋐ 姿勢や筆記具の持ち方を正しくし,文字の形に注意しながら,丁寧に書くこと。

   ㋑ 点画相互の接し方や交わり方,長短や方向などに注意して文字を書くこと。

 (エ) 読書に親しみ,簡単な物語や,自然や季節などの美しさを表した詩や紀行文などがあることを知ること。

 〔思考力,判断力,表現力等〕

A 聞くこと・話すこと

  聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 身近な人の話や簡単な放送などを聞き,聞いたことを書き留めたり分からないことを聞き返したりして,話の大体を捉えること。

 イ 話す事柄を思い浮かべ,伝えたいことを決めること。

 ウ 見聞きしたことや経験したこと,自分の意見などについて,内容の大体が伝わるように伝える順序等を考えること。

 エ 自己紹介や電話の受け答えなど,相手や目的に応じた話し方で話すこと。

 オ 相手の話に関心をもち,分かったことや感じたことを伝え合い,考えをもつこと。

B 書くこと

  書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 見聞きしたことや経験したことの中から,伝えたい事柄を選び,書く内容を大まかにまとめること。

 イ 相手に伝わるように事柄の順序に沿って簡単な構成を考えること。

 ウ 文の構成,語句の使い方に気を付けて書くこと。

 エ 自分が書いたものを読み返し,間違いを正すこと。

 オ 文章に対する感想をもち,伝え合うこと。

C 読むこと

  読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 簡単な文や文章を読み,情景や場面の様子,登場人物の心情などを想像すること。

 イ 語や語句の意味を基に時間的な順序や事柄の順序など内容の大体を捉えること。

 ウ 日常生活で必要な語句や文章などを読み,行動すること。

 エ 文章を読んで分かったことを伝えたり,感想をもったりすること。

○2段階

 (1) 目 標

  ア 日常生活や社会生活,職業生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しむことができるようにする。

  イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,日常生活や社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えをまとめることができるようにする。

  ウ 言葉がもつよさに気付くとともに,いろいろな図書に親しみ,国語を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

 (2) 内 容

 〔知識及び技能〕

ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 (ア) 日常生活の中での周りの人とのやり取りを通して,言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

 (イ) 発声や発音に気を付けたり,声の大きさを調節したりして話すこと。

 (ウ) 長音,拗(よう)音,促音,撥(はつ)音などの表記や助詞の使い方を理解し,文や文章の中で使うこと。

 (エ) 理解したり表現したりするために必要な語句の量を増し,使える範囲を広げること。

 (オ) 修飾と被修飾との関係,指示する語句の役割について理解すること。

 (カ) 敬体と常体があることを理解し,その違いに注意しながら書くこと。

 (キ) 内容の大体を意識しながら音読すること。

イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 (ア) 考えとそれを支える理由など,情報と情報との関係について理解すること。

 (イ) 必要な語や語句の書き留め方や,比べ方などの情報の整理の仕方を理解し使うこと。

ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 (ア) 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

 (イ) 生活に身近なことわざなどを知り,使うことにより様々な表現に親しむこと。

 (ウ) 書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

   ㋐ 点画の書き方や文字の形に注意しながら,筆順に従って丁寧に書くこと。

   ㋑ 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。

 (エ) 幅広く読書に親しみ,本にはいろいろな種類があることを知ること。

 〔思考力,判断力,表現力等〕

A 聞くこと・話すこと

  聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 身近な人の話や放送などを聞きながら,聞いたことを簡単に書き留めたり,分からないときは聞き返したりして,内容の大体を捉えること。

 イ 相手や目的に応じて,自分の伝えたいことを明確にすること。

 ウ 見聞きしたことや経験したこと,自分の意見やその理由について,内容の大体が伝わるように伝える順序や伝え方を考えること。

 エ 相手に伝わるように発音や声の大きさ,速さに気を付けて話したり,必要な話し方を工夫したりすること。

 オ 物事を決めるために,簡単な役割や進め方に沿って話し合い,考えをまとめること。

B 書くこと

  書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 相手や目的を意識して,見聞きしたことや経験したことの中から書くことを選び,伝えたいことを明確にすること。

 イ 書く内容の中心を決め,自分の考えと理由などとの関係を明確にして,文章の構成を考えること。

 ウ 事実と自分の考えとの違いなどが相手に伝わるように書き表し方を工夫すること。

 エ 文章を読み返す習慣を身に付け,間違いを正したり,語と語との続き方を確かめたりすること。

 オ 文章に対する感想を伝え合い,内容や表現のよいところを見付けること。

C 読むこと

  読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 様々な読み物を読み,情景や場面の様子,登場人物の心情などを想像すること。

 イ 語と語や文と文との関係を基に,出来事の順序や気持ちの変化など内容の大体を捉えること。

 ウ 日常生活や社会生活,職業生活に必要な語句,文章,表示などの意味を読み取り,行動すること。

 エ 中心となる語句や文を明確にしながら読むこと。

 オ 読んで感じたことや分かったことを伝え合い,一人一人の感じ方などに違いがあることに気付くこと。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言葉の特徴や使い方などを身に付け自分の思いや考えを深める学習の充実を図ること。

  イ 2の各段階の内容の〔知識及び技能〕に示す事項については,〔思考力,判断力,表現力等〕に示す事項の指導を通して指導することを基本とすること。

  ウ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「A聞くこと・話すこと」に関する指導については,生活に必要な話し言葉を身に付け,活用できるよう指導すること。

  エ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「B書くこと」に関する指導については,筆記具を用いる技能の指導に偏ることなく,文章を書く場面を設けるよう工夫すること。

  オ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」に関する指導については,発達の段階に応じた様々な文章に接し,日常生活において読書活動を活発に行うようにするとともに,他教科等における読書の指導や学校図書館等における指導との関連を図るようにすること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 2の各段階の内容のうち,文字に関する事項については,次のとおり取り扱うこと。

   (ア) 生活場面や関わる相手が多様になることに応じて,平仮名,片仮名,漢字に加えてローマ字などの文字を取り扱うようにすること。

   (イ) これまでに学習した句読点の使い方や長音,撥音などの表記について,中学部においても正しくより適切に用いることができるよう引き続き指導すること。

  イ 2の内容の指導に当たっては,学校図書館などを目的をもって計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。その際,本などの種類や配置,探し方について指導するなど,生徒が必要な本を選ぶことができるよう配慮すること。

  ウ 教材の取扱いについては,次の事項に留意すること。

   (ア) 生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じ,興味・関心のある話題や身近な題材から,日常生活や社会生活及び職業生活に関連する題材まで,様々な種類や形式の文,文章を取り扱う機会を設けること。

   (イ) 読み物教材としては,登場人物の行動や言葉から心情を読み取りやすいものや,情景が思い浮かびやすいものを選ぶこと。また,生徒の生活範囲が広がり,生活する力が高まるような内容の教材を選ぶこと。

 

 〔社 会〕

1 目 標

  社会的な見方・考え方を働かせ,社会的事象について関心をもち,具体的に考えたり関連付けたりする活動を通して,自立し生活を豊かにするとともに,平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 地域や我が国の国土の地理的環境,現代社会の仕組みや役割,地域や我が国の歴史や伝統と文化及び外国の様子について,具体的な活動や体験を通して理解するとともに,経験したことと関連付けて,調べまとめる技能を身に付けるようにする。

 (2) 社会的事象について,自分の生活と結び付けて具体的に考え,社会との関わりの中で,選択・判断したことを適切に表現する力を養う。

 (3) 社会に主体的に関わろうとする態度を養い,地域社会の一員として人々と共に生きていくことの大切さについての自覚を養う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  日常生活に関わる社会的事象が分かり,地域社会の一員としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

  ア 身近な地域や市区町村の地理的環境,地域の安全を守るための諸活動,地域の産業と消費生活の様子及び身近な地域の様子の移り変わり並びに社会生活に必要なきまり,公共施設の役割及び外国の様子について,具体的な活動や体験を通して,自分との関わりが分かるとともに,調べまとめる技能を身に付けるようにする。

  イ 社会的事象について,自分の生活や地域社会と関連付けて具体的に考えたことを表現する基礎的な力を養う。

  ウ 身近な社会に自ら関わろうとする意欲をもち,地域社会の中で生活することの大切さについての自覚を養う。

 (2) 内 容

  ア 社会参加ときまり

   (ア) 社会参加するために必要な集団生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 学級や学校の中で,自分の意見を述べたり相手の意見を聞いたりするなど,集団生活の中での役割を果たすための知識や技能を身に付けること。

㋑ 集団生活の中で何が必要かに気付き,自分の役割を考え,表現すること。

   (イ) 社会生活に必要なきまりに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 家庭や学校でのきまりを知り,生活の中でそれを守ることの大切さが分かること。

㋑ 社会生活ときまりとの関連を考え,表現すること。

  イ 公共施設と制度

   (ア) 公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 身近な公共施設や公共物の役割が分かること。

㋑ 公共施設や公共物について調べ,それらの役割を考え,表現すること。

   (イ) 制度の仕組みに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 身近な生活に関する制度が分かること。

㋑ 身近な生活に関する制度について調べ,自分との関わりを考え,表現すること。

  ウ 地域の安全

   (ア) 地域の安全に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 地域の安全を守るため,関係機関が地域の人々と協力していることが分かること。

㋑ 地域における災害や事故に対する施設・設備などの配置,緊急時への備えや対応などに着目して,関係機関や地域の人々の諸活動を捉え,そこに関わる人々の働きを考え,表現すること。

  エ 産業と生活

   (ア) 仕事と生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 生産の仕事は,地域の人々の生活と密接な関わりをもって行われていることが分かること。

㋑ 仕事の種類や工程などに着目して,生産に携わっている人々の仕事の様子を捉え,地域の人々の生活との関連を考え,表現すること。

   (イ) 身近な産業と生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 販売の仕事は,消費者のことを考え,工夫して行われていることが分かること。

㋑ 消費者の願いや他地域との関わりなどに着目して,販売の仕事に携わっている人々の仕事の様子を捉え,それらの仕事に見られる工夫を考え,表現すること。

  オ 我が国の地理や歴史

   (ア) 身近な地域や市区町村(以下第2章第2節第2款において「市」という。)の様子に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 身近な地域や自分たちの市の様子が分かること。

㋑ 都道府県(以下第2章第2節第2款第1〔社会〕(2)内容において「県」という。)内における市の位置や市の地形,土地利用などに着目して,身近な地域や市の様子を捉え,場所による違いを考え,表現すること。

   (イ) 身近な地域の移り変わりに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 身近な地域や自分たちの市の様子,人々の生活は,時間とともに移り変わってきたことを知ること。

㋑ 交通や人口,生活の道具などの時期による違いに着目して,市や人々の生活の様子を捉え,それらの変化を考え,表現すること。

  カ 外国の様子

   (ア) 世界の中の日本と国際交流に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 文化や風習の特徴や違いを知ること。

㋑ そこに暮らす人々の生活などに着目して,日本との違いを考え,表現すること。

○2段階

 (1) 目 標

  日常生活に関わる社会的事象について理解し,地域社会の一員としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

  ア 自分たちの都道府県の地理的環境の特色,地域の人々の健康と生活環境を支える役割,自然災害から地域の安全を守るための諸活動及び地域の伝統と文化並びに社会参加するためのきまり,社会に関する基本的な制度及び外国の様子について,具体的な活動や体験を通して,人々の生活との関連を踏まえて理解するとともに,調べまとめる技能を身に付けるようにする。

  イ 社会的事象について,自分の生活や地域社会と関連付けて具体的に考えたことを表現する力を養う。

  ウ 社会に自ら関わろうとする意欲をもち,地域社会の中で生活することの大切さについての自覚を養う。

 (2) 内 容

  ア 社会参加ときまり

   (ア) 社会参加するために必要な集団生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 学級や学校の中で,意見を述べ合い,助け合い,協力しながら生活する必要性を理解し,そのための知識や技能を身に付けること。

     ㋑ 周囲の状況を判断し,集団生活の中での自分の役割と責任について考え,表現すること。

   (イ) 社会生活に必要なきまりに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 家庭や学校,地域社会でのきまりは,社会生活を送るために必要であることを理解すること。

     ㋑ 社会生活に必要なきまりの意義について考え,表現すること。

  イ 公共施設と制度

   (ア) 公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 自分の生活の中での公共施設や公共物の役割とその必要性を理解すること。

     ㋑ 公共施設や公共物の役割について調べ,生活の中での利用を考え,表現すること。

   (イ) 制度の仕組みに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 社会に関する基本的な制度について理解すること。

     ㋑ 社会に関する基本的な制度について調べ,それらの意味を考え,表現すること。

  ウ 地域の安全

   (ア) 地域の安全に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 地域の関係機関や人々は,過去に発生した地域の自然災害や事故に対し,様々な協力をして対処してきたことや,今後想定される災害に対し,様々な備えをしていることを理解すること。

     ㋑ 過去に発生した地域の自然災害や事故,関係機関の協力などに着目して,危険から人々を守る活動と働きを考え,表現すること。

  エ 産業と生活

   (ア) 県内の特色ある地域に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 地域では,人々が協力し,産業の発展に努めていることを理解すること。

     ㋑ 人々の活動や産業の歴史的背景などに着目して,地域の様子を捉え,それらの特色を考え,表現すること。

   (イ) 生活を支える事業に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 水道,電気及びガスなどの生活を支える事業は,安全で安定的に供給や処理できるよう実施されていることや,地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っていることを理解すること。

     ㋑ 供給や処理の仕組みや関係機関の協力などに着目して,水道,電気及びガスなどの生活を支える事業の様子を捉え,それらの事業が果たす役割を考え,表現すること。

  オ 我が国の地理や歴史

   (ア) 身近な地域に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 自分たちの県の概要を理解すること。

     ㋑ 我が国における自分たちの県の位置,県全体の地形などに着目して,県の様子を捉え,地理的環境の特色を考え,表現すること。

   (イ) 県内の伝統や文化,先人の働きや出来事に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 県内の主な歴史を手掛かりに,先人の働きや出来事,文化遺産などを知ること。

     ㋑ 歴史的背景や現在に至る経緯などに着目し,県内の文化財や年中行事の様子を捉え,それらの特色を考え,表現すること。

  カ 外国の様子

   (ア) 世界の中の日本と国際交流に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 文化や風習の特徴や違いを理解すること。

      ㋑ 人々の生活や習慣などに着目して,多様な文化について考え,表現すること。

   (イ) 世界の様々な地域に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     ㋐ 人々の生活の様子を大まかに理解すること。

     ㋑ 世界の出来事などに着目して,それらの国の人々の生活の様子を捉え,交流することの大切さを考え,表現すること。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生活に即した具体的で分かりやすい内容を取り上げ,社会的事象の見方・考え方を働かせ,事象の特色や意味などを考え,説明したり表現したりするなど,自ら意欲的に取り組むことのできる活動の充実を図ること。

  イ 各教科等との関連を図り,指導の効果を高めるようにするとともに,小学部の生活科の学習との関連を踏まえて,系統的・発展的に指導できるようにすること。

  ウ コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して,情報の収集やまとめなどを行うようにすること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 各学校においては,地域の実態を生かして,生徒が興味・関心をもって学習に取り組めるようにするとともに,観察や見学,聞き取りなどの調査活動を含む具体的な体験を伴う学習を通し,自分の生活と結び付けて考えたことをまとめることで知識が深まるようにすること。

  イ 2の内容については,次の事項について配慮するものとする。

   (ア) アについては,集団生活を送る上で必要とされる人との関わりやきまりを守ることについて理解できるようにするとともに,主体的に社会参加するための基礎的な力を養うこと。

   (イ) イについては,身近な公共施設を取り上げ,その役割や利用できる制度を知ることで,よりよい社会生活を送ることができるようにすること。

   (ウ) ウについては,地域の実態に応じて,地震災害,津波災害,風水害,火山災害,雪害などの中から取り上げ,地域や自分自身の安全を守るために自分たちにできることなどを考えたり選択・判断したりできるようにすること。

   (エ) エについては,身近な仕事を通して生産や販売について関心をもつこと。また,生活を支える事業について取り扱うことで,節水や節電の必要性を感じて取り組もうとすること。

   (オ) オについては,地図の扱いに慣れるようにすること。また,主な文化財や年中行事の中から具体的事例を取り上げ,その特色が大まかに分かるようにすること。

   (カ) カについては,我が国や諸外国には国旗があることを理解し,それを尊重する態度を養うようにすること。

 

 〔数 学〕

1 目 標

  数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解し,事象を数理的に処理する技能を身に付けるようにする。

 (2) 日常の事象を数理的に捉え見通しをもち筋道を立てて考察する力,基礎的・基本的な数量や図形の性質などを見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力を養う。

 (3) 数学的活動の楽しさや数学のよさに気付き,学習を振り返ってよりよく問題を解決しようとする態度,数学で学んだことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  A 数と計算

   ア 3位数程度の整数の概念について理解し,数に対する感覚を豊かにするとともに,加法,減法及び乗法の意味や性質について理解し,これらを計算することについての技能を身に付けるようにする。

   イ 数とその表現や数の関係に着目し,具体物や図などを用いて,数の表し方や計算の仕方などを筋道立てて考えたり,関連付けて考えたりする力を養う。

   ウ 数量に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさに気付き,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  B 図形

   ア 三角形や四角形,箱の形などの基本的な図形について理解し,図形についての感覚を豊かにするとともに,図形を作図したり,構成したりすることなどについての技能を身に付けるようにする。

   イ 三角形や四角形,箱の形などの基本的な図形を構成する要素に着目して,平面図形の特徴を捉えたり,身の回りの事象を図形の性質から関連付けて考えたりする力を養う。

   ウ 図形に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさに気付き,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  C 測定

   ア 身の回りにある長さ,体積,重さ及び時間の単位と測定の意味について理解し,量の大きさについての感覚を豊かにするとともに,それらを測定することについての技能を身に付けるようにする。

   イ 身の回りの事象を量に着目して捉え,量の単位を用いて的確に表現する力を養う。

   ウ 数量や図形に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさに気付き,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  D データの活用

   ア 身の回りにあるデータを分類整理して簡単な表やグラフに表したり,それらを問題解決において用いたりすることについての技能を身に付けるようにする。

   イ 身の回りの事象を,データの特徴に着目して捉え,簡潔に表現したり,考察したりする力を養う。

   ウ データの活用に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさに気付き,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

 (2) 内 容

  A 数と計算

   ア 整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 1000までの数をいくつかの同じまとまりに分割したうえで数えたり,分類して数えたりすること。

㋑ 3位数の表し方について理解すること。

㋒ 数を十や百を単位としてみるなど,数の相対的な大きさについて理解すること。

㋓ 3位数の数系列,順序,大小について,数直線上の目盛りを読んで理解したり,数を表したりすること。

㋔ 一つの数をほかの数の積としてみるなど,ほかの数と関係付けてみること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数のまとまりに着目し,考察する範囲を広げながら数の大きさの比べ方や数え方を考え,日常生活で生かすこと。

   イ 整数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 2位数の加法及び減法について理解し,その計算ができること。また,それらの筆算の仕方について知ること。

㋑ 簡単な場合について3位数の加法及び減法の計算の仕方を知ること。

㋒ 加法及び減法に関して成り立つ性質について理解すること。

㋓ 計算機を使って,具体的な生活場面における簡単な加法及び減法の計算ができること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,数を適用する範囲を広げ,計算に関して成り立つ性質や計算の仕方を見いだすとともに,日常生活で生かすこと。

   ウ 整数の乗法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 乗法が用いられる場合や意味について知ること。

      ㋑ 乗法が用いられる場面を式に表したり,式を読み取ったりすること。

      ㋒ 乗法に関して成り立つ簡単な性質について理解すること。

      ㋓ 乗法九九について知り,1位数と1位数との乗法の計算ができること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質や計算の仕方を見いだすとともに,日常生活で生かすこと。

  B 図形

   ア 図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 直線について知ること。

㋑ 三角形や四角形について知ること。

㋒ 正方形,長方形及び直角三角形について知ること。

㋓ 正方形や長方形で捉えられる箱の形をしたものについて理解し,それらを構成したり,分解したりすること。

㋔ 直角,頂点,辺及び面という用語を用いて図形の性質を表現すること。

㋕ 基本的な図形が分かり,その図形をかいたり,簡単な図表を作ったりすること。

㋖ 正方形,長方形及び直角三角形をかいたり,作ったり,それらを使って平面に敷き詰めたりすること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素に着目し,構成の仕方を考えるとともに,図形の性質を見いだし,身の回りのものの形を図形として捉えること。

  C 測定

   ア 量の単位と測定に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 目盛の原点を対象の端に当てて測定すること。

㋑ 長さの単位[ミリメートル(mm),センチメートル(cm),メートル(m),キロメートル(km)]や重さの単位[グラム(g),キログラム(kg)]について知り,測定の意味を理解すること。

㋒ かさの単位[ミリリットル(mL),デシリットル(dL),リットル(L)]について知り,測定の意味を理解すること。

㋓ 長さ,重さ及びかさについて,およその見当を付け,単位を選択したり,計器を用いて測定したりすること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 身の回りのものの特徴に着目し,目的に適した単位で量の大きさを表現したり,比べたりすること。

   イ 時刻や時間に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 時間の単位(秒)について知ること。

㋑ 日常生活に必要な時刻や時間を求めること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 時間の単位に着目し,簡単な時刻や時間の求め方を日常生活に生かすこと。

  D データの活用

   ア 身の回りにあるデータを簡単な表やグラフで表したり,読み取ったりすることに関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 身の回りにある数量を簡単な表やグラフに表したり,読み取ったりすること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 身の回りの事象に関するデータを整理する観点に着目し,簡単な表やグラフを用いながら読み取ったり,考察したりすること。

 〔数学的活動〕

ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C測定」及び「Dデータの活用」に示す学習については,次のような数学的活動に取り組むものとする。

 (ア) 日常生活の事象から見いだした数学の問題を,具体物や図,式などを用いて解決し,結果を確かめたり,日常生活に生かしたりする活動

 (イ) 問題解決した過程や結果を,具体物や図,式などを用いて表現し伝え合う活動

○2段階

 (1) 目 標

  A 数と計算

   ア 整数の概念や性質について理解を深め,数に対する感覚を豊かにするとともに,加法,減法,乗法及び除法の意味や性質について理解し,それらの計算ができるようにする。また,小数及び分数の意味や表し方について知り,数量とその関係を表したり読み取ったりすることができるようにすることについての技能を身に付けるようにする。

   イ 数を構成する単位に着目して,数の表し方やその数について考えたり,扱う数の範囲を広げ,計算の仕方を見いだし,筋道立てて考えたりするとともに,日常生活の問題場面を数量に着目して捉え,処理した結果を場面をもとに振り返り,解釈及び判断する力を養う。

   ウ 数量に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさを理解し,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  B 図形

   ア 二等辺三角形や正三角形などの基本的な図形や面積,角の大きさについて理解し,図形についての感覚を豊かにするとともに,図形を作図や構成したり,図形の面積や角の大きさを求めたりすることなどについての技能を身に付けるようにする。

   イ 二等辺三角形や正三角形などの基本的な図形を構成する要素に着目して,平面図形の特徴を捉えたり,身の回りの事象を図形の性質から考察したりする力,図形を構成する要素に着目し,図形の計量について考察する力を養う。

   ウ 図形や数量に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさを理解し,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  C 変化と関係

   ア 二つの数量の関係や変化の様子を表や式,グラフで表すことについて理解するとともに,二つの数量の関係を割合によって比べることについての技能を身に付けるようにする。

   イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,変化の特徴に気付き,二つの数量の関係を表や式,グラフを用いて考察したり,割合を用いて考察したりする力を養う。

   ウ 数量に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさを理解し,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  D データの活用

   ア データを表や棒グラフ,折れ線グラフで表す表し方や読み取り方を理解し,それらを問題解決における用い方についての技能を身に付けるようにする。

   イ 身の回りの事象について整理されたデータの特徴に着目し,事象を簡潔に表現したり,適切に判断したりする力を養う。

   ウ データの活用に進んで関わり,数学的に表現・処理するとともに,数学で学んだことのよさを理解し,そのことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

 (2) 内 容

  A 数と計算

   ア 整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 4位数までの十進位取り記数法による数の表し方及び数の大小や順序について,理解すること。

      ㋑ 10倍,100倍,1/10の大きさの数及びその表し方について知ること。

      ㋒ 数を千を単位としてみるなど,数の相対的な大きさについて理解を深めること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数のまとまりに着目し,考察する範囲を広げながら数の大きさの比べ方や数え方を考え,日常生活で生かすこと。

   イ 整数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 3位数や4位数の加法及び減法の計算の仕方について理解し,計算ができること。また,それらの筆算についての仕方を知ること。

      ㋑ 加法及び減法に関して成り立つ性質を理解すること。

      ㋒ 計算機を使って,具体的な生活場面における加法及び減法の計算ができること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,数の適用範囲を広げ,計算に関して成り立つ性質や計算の仕方を見いだすとともに,日常生活で生かすこと。

   ウ 整数の乗法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 1位数と1位数との乗法の計算ができ,それを適切に用いること。

      ㋑ 交換法則や分配法則といった乗法に関して成り立つ性質を理解すること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質や計算の仕方を見いだすとともに,日常生活で生かすこと。

   エ 整数の除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 除法が用いられる場合や意味について理解すること。

      ㋑ 除法が用いられる場面を式に表したり,式を読み取ったりすること。

      ㋒ 除法と乗法との関係について理解すること。

      ㋓ 除数と商が共に1位数である除法の計算ができること。

      ㋔ 余りについて知り,余りの求め方が分かること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質や計算の仕方を見いだすとともに,日常生活に生かすこと。

   オ 小数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 端数部分の大きさを表すのに小数を用いることを知ること。

      ㋑ 1/10の位までの小数の仕組みや表し方について理解すること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数のまとまりに着目し,数の表し方の適用範囲を広げ,日常生活に生かすこと。

   カ 分数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

       ㋐ 1/21/4など簡単な分数について知ること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数のまとまりに着目し,数の表し方の適用範囲を広げ,日常生活に生かすこと。

   キ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係を式に表したり,式と図を関連付けたりすること。

      ㋑ □などを用いて数量の関係を式に表すことができることを知ること。

      ㋒ □などに数を当てはめて調べること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,事柄や関係を式や図を用いて簡潔に表したり,式と図を関連付けて式を読んだりすること。

  B 図形

   ア 図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 二等辺三角形,正三角形などについて知り,作図などを通してそれらの関係に着目すること。

      ㋑ 二等辺三角形や正三角形を定規とコンパスなどを用いて作図すること。

      ㋒ 基本的な図形と関連して角について知ること。

      ㋓ 直線の平行や垂直の関係について理解すること。

      ㋔ 円について,中心,半径及び直径を知ること。また,円に関連して,球についても直径などを知ること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,構成の仕方を考察して,図形の性質を見いだすとともに,その性質を基に既習の図形を捉え直すこと。

   イ 面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 面積の単位[平方センチメートル( ),平方メートル(㎡),平方キロメートル( )]について知り,測定の意味について理解すること。

      ㋑ 正方形及び長方形の面積の求め方について知ること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 面積の単位に着目し,図形の面積について,求め方を考えたり,計算して表したりすること。

   ウ 角の大きさに関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 角の大きさを回転の大きさとして捉えること。

      ㋑ 角の大きさの単位(度( °))について知り,測定の意味について理解すること。

      ㋒ 角の大きさを測定すること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 角の大きさの単位に着目し,図形の角の大きさを的確に表現して比較したり,図形の考察に生かしたりすること。

  C 変化と関係

   ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 変化の様子を表や式を用いて表したり,変化の特徴を読み取ったりすること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,表や式を用いて変化の特徴を考察すること。

   イ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 簡単な場合について,ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係とを比べる場合に割合を用いる場合があることを知ること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 日常生活における数量の関係に着目し,図や式を用いて,二つの数量の関係を考察すること。

  D データの活用

   ア データを表やグラフで表したり,読み取ったりすることに関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ データを日時や場所などの観点から分類及び整理し,表や棒グラフで表したり,読んだりすること。

      ㋑ データを二つの観点から分類及び整理し,折れ線グラフで表したり,読み取ったりすること。

      ㋒ 表や棒グラフ,折れ線グラフの意味やその用い方を理解すること。

    (イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 身の回りの事象に関するデータを整理する観点に着目し,表や棒グラフを用いながら,読み取ったり,考察したり,結論を表現したりすること。

      ㋑ 目的に応じてデータを集めて分類及び整理し,データの特徴や傾向を見付けて,適切なグラフを用いて表現したり,考察したりすること。

 

 〔数学的活動〕

ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」に示す学習については,次のような数学的活動に取り組むものとする。

 (ア) 身の回りの事象を観察したり,具体物を操作したりして,数学の学習に関わる活   動

 (イ) 日常の事象から見いだした数学の問題を,具体物や図,表及び式などを用いて解決し,結果を確かめたり,日常生活に生かしたりする活動

 (ウ) 問題解決した過程や結果を,具体物や図,表,式などを用いて表現し伝え合う活動

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき資質・能力の育成に向けて,数学的活動を通して,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,数学的な見方・考え方を働かせながら,日常の事象を数学的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決し,学習の過程を振り返り,概念を形成するなどの学習の充実を図ること。

  イ 数量や図形についての基礎的な能力の維持や向上を図るため,適宜練習の機会を設けて計画的に指導すること。また,段階間の指導内容を円滑に接続させるため,適切な反復による学習指導を進めるようにすること。

  ウ 2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「C測定」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」の指導の間の関連を図ること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各段階の内容の指導に当たっては,具体物,言葉,数,式,図,表,グラフなどを用いて考えたり,説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの学習活動を積極的に取り入れるようにすること。

  イ 「A数と計算」の指導に当たっては,具体物などの教具を適宜用いて,数と計算についての意味の理解を深めるよう留意すること。

  ウ 1段階の内容に示す事項については,次のアからウまでに留意するものとする。

   (ア) 内容の「A数と計算」のイについては,必要な場合には,( )や□などを用いることができるものとする。

   (イ) 内容の「C測定」のア及び「Dデータの活用」のアについては,必要な場合には,温度計や体温計の目盛りの読み方やデータのまとめ方を取り扱うものとする。

   (ウ) 内容の「C測定」のアのアの については,任意の単位を用いた比較や基準容器で正確に計量する技能を指導することに配慮するものとする。

  エ 2段階の内容に示す事項については,次のアからウまでに留意するものとする。

   (ア) 内容の「A数と計算」のイ及びウについては,簡単な計算は暗算でできるよう配慮するものとする。また,計算の結果の見積もりについても触れるものとする。

   (イ) 内容の「B図形」のアのアの基本的な図形については,定規,コンパスなどを用いて,図形をかいたり確かめたりする活動を通して,図形に関心をもたせるよう配慮するものとする。コンパスを取り扱う際には,生徒の障害の状態等に配慮するものとする。

   (ウ) 内容の「Dデータの活用」のアについては,いろいろな表やグラフに触れるとともに,式やグラフが,事象の変化や全体の傾向をつかむのに便利であることに気付くよう配慮するものとする。

 (3) 数学的活動の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 数学的活動は,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に身に付けたり,思考力,判断力,表現力等を高めたり,数学を学ぶことの楽しさを実感したりするために,重要な役割を果たすものであることから,2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「C測定」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」に示す事項については,数学的活動を通して指導するようにすること。

  イ 数学的活動を楽しめるようにするとともに,数学を生活に活用することなどについて実感する機会を設けること。

 

 〔理 科〕

1 目 標

  自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって,観察,実験を行うことなどを通して,自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 自然の事物・現象についての基本的な理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

 (2) 観察,実験などを行い,疑問をもつ力と予想や仮説を立てる力を養う。

 (3) 自然を愛する心情を養うとともに,学んだことを主体的に日常生活や社会生活などに生かそうとする態度を養う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  A 生命

   ア 身の回りの生物の様子について気付き,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 身の回りの生物の様子から,主に差異点や共通点に気付き,疑問をもつ力を養う。

   ウ 身の回りの生物の様子について進んで調べ,生物を愛護する態度や学んだことを日常生活などに生かそうとする態度を養う。

  B 地球・自然

   ア 太陽と地面の様子について気付き,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 太陽と地面の様子から,主に差異点や共通点に気付き,疑問をもつ力を養う。

   ウ 太陽と地面の様子について進んで調べ,学んだことを日常生活などに生かそうとする態度を養う。

  C 物質・エネルギー

   ア 物の性質,風やゴムの力の働き,光や音の性質,磁石の性質及び電気の回路について気付き,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 物の性質,風やゴムの力の働き,光や音の性質,磁石の性質及び電気の回路から,主に差異点や共通点に気付き,疑問をもつ力を養う。

   ウ 物の性質,風やゴムの力の働き,光や音の性質,磁石の性質及び電気の回路について進んで調べ,学んだことを日常生活などに生かそうとする態度を養う。

 (2) 内 容

  A 生命

   ア 身の回りの生物

     身の回りの生物について,探したり育てたりする中で,生物の姿に着目して,それらを比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 生物は,色,形,大きさなど,姿に違いがあること。

      ㋑ 昆虫や植物の育ち方には一定の順序があること。

    (イ) 身の回りの生物について調べる中で,差異点や共通点に気付き,生物の姿についての疑問をもち,表現すること。

  B 地球・自然

   ア 太陽と地面の様子

     太陽と地面の様子との関係について,日なたと日陰の様子に着目して,それらを比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 日陰は太陽の光を遮るとできること。

      ㋑ 地面は太陽によって暖められ,日なたと日陰では地面の暖かさに違いがあること。

    (イ) 日なたと日陰の様子について調べる中で,差異点や共通点に気付き,太陽と地面の様子との関係についての疑問をもち,表現すること。

  C 物質・エネルギー

   ア 物と重さ

     物の性質について,形や体積に着目して,重さを比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 物は,形が変わっても重さは変わらないこと。

      ㋑ 物は,体積が同じでも重さは違うことがあること。

    (イ) 物の形や体積と重さとの関係について調べる中で,差異点や共通点に気付き,物の性質についての疑問をもち,表現すること。

   イ 風やゴムの力の働き

     風やゴムの力の働きについて,力と物の動く様子に着目して,それらを比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 風の力は,物を動かすことができること。また,風の力の大きさを変えると,物が動く様子も変わること。

      ㋑ ゴムの力は,物を動かすことができること。また,ゴムの力の大きさを変えると,物が動く様子も変わること。

    (イ) 風やゴムの力で物が動く様子について調べる中で,差異点や共通点に気付き,風やゴムの力の働きについての疑問をもち,表現すること。

   ウ 光や音の性質

     光や音の性質について,光を当てたときの明るさや暖かさ,音を出したときの震え方に着目して,光の強さや音の大きさを変えたときの違いを比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 日光は直進すること。

      ㋑ 物に日光を当てると,物の明るさや暖かさが変わること。

      ㋒ 物から音が出たり伝わったりするとき,物は震えていること。

    (イ) 光を当てたときの明るさや暖かさの様子,音を出したときの震え方の様子について調べる中で,差異点や共通点に気付き,光や音の性質についての疑問をもち,表現すること。

   エ 磁石の性質

     磁石の性質について,磁石を身の回りの物に近付けたときの様子に着目して,それらを比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 磁石に引き付けられる物と引き付けられない物があること。

      ㋑ 磁石の異極は引き合い,同極は退け合うこと。

    (イ) 磁石を身の回りの物に近付けたときの様子について調べる中で,差異点や共通点に気付き,磁石の性質についての疑問をもち,表現すること。

   オ 電気の通り道

     電気の回路について,乾電池と豆電球などのつなぎ方と,乾電池につないだ物の様子に着目して,電気を通すときと通さないときのつなぎ方を比較しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 電気を通すつなぎ方と通さないつなぎ方があること。

      ㋑ 電気を通す物と通さない物があること。

    (イ) 乾電池と豆電球などをつないだときの様子について調べる中で,差異点や共通点に気付き,電気の回路についての疑問をもち,表現すること。

 (3) 内容の取扱い

  ア (2)の「A生命」のアの「身の回りの生物」については,次のとおり取り扱うものとする。

    (ア) (ア)の㋑については,飼育,栽培を通して行うこと。

    (イ) (ア)の㋑の「植物の育ち方」については,夏生一年生の双子葉植物を扱うこと。

  イ (2) の「B地球・自然」のアの「太陽と地面の様子」については,太陽の位置は,東から南,西へと変化することを取り扱うものとする。

  ウ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづくりを通して行うよう配慮すること。

○2段階

 (1) 目 標

  A 生命

   ア 人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境との関わりについての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境との関わりについて,疑問をもったことについて既習の内容や生活経験を基に予想する力を養う。

   ウ 人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境の関わりについて見いだした疑問を進んで調べ,生物を愛護する態度や学んだことを日常生活や社会生活などに生かそうとする態度を養う。

  B 地球・自然

   ア 雨水の行方と地面の様子,気象現象,月や星についての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 雨水の行方と地面の様子,気象現象,月や星について,疑問をもったことについて既習の内容や生活経験を基に予想する力を養う。

   ウ 雨水の行方と地面の様子,気象現象,月や星について見いだした疑問を進んで調べ,学んだことを日常生活や社会生活などに生かそうとする態度を養う。

  C 物質・エネルギー

   ア 水や空気の性質についての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 水や空気の性質について,疑問をもったことについて既習の内容や生活経験を基に予想する力を養う。

   ウ 水や空気の性質について見いだした疑問を進んで調べ,学んだことを日常生活や社会生活などに生かそうとする態度を養う。

 (2) 内 容

  A 生命

   ア 人の体のつくりと運動

     人や他の動物について,骨や筋肉のつくりと働きに着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 人の体には骨と筋肉があること。

      ㋑ 人が体を動かすことができるのは,骨,筋肉の働きによること。

    (イ) 人や他の動物の骨や筋肉のつくりと働きについて調べる中で,見いだした疑問について,既習の内容や生活経験を基に予想し,表現すること。

   イ 季節と生物

     身近な動物や植物について,探したり育てたりする中で,動物の活動や植物の成長と季節の変化に着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 動物の活動は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。

      ㋑ 植物の成長は,暖かい季節,寒い季節などによって違いがあること。

    (イ) 身近な動物の活動や植物の成長の変化について調べる中で,見いだした疑問について,既習の内容や生活経験を基に予想し,表現すること。

  B 地球・自然

   ア 雨水の行方と地面の様子

     雨水の行方と地面の様子について, 流れ方やしみ込み方に着目して,それらと地面の傾きや土の粒の大きさとを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 水は,高い場所から低い場所へと流れて集まること。

      ㋑ 水のしみ込み方は,土の粒の大きさによって違いがあること。

    (イ) 雨水の流れ方やしみ込み方と地面の傾きや土の粒の大きさとの関係について調べる中で,見いだした疑問について,既習の内容や生活経験を基に予想し,表現すること。

   イ 天気の様子

     天気や自然界の水の様子について,気温や水の行方に着目して,それらと天気の様子や水の状態変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 天気によって1日の気温の変化の仕方に違いがあること。

      ㋑ 水は,水面や地面などから蒸発し,水蒸気になって空気中に含まれていくこと。

    (イ) 天気の様子や水の状態変化と気温や水の行方との関係について調べる中で,見いだした疑問について,既習の内容や生活経験を基に予想し,表現すること。

   ウ 月と星

     月や星の特徴について,位置の変化や時間の経過に着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 月は日によって形が変わって見え,1日のうちでも時刻によって位置が変わること。

      ㋑ 空には,明るさや色の違う星があること。

    (イ) 月の位置の変化と時間の経過との関係について調べる中で,見いだした疑問について,既習の内容や生活経験を基に予想し,表現すること。

  C 物質・エネルギー

   ア 水や空気と温度

     水や空気の性質について,体積や状態の変化に着目して,それらと温度の変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 水や空気は,温めたり冷やしたりすると,その体積が変わること。

      ㋑ 水は,温度によって水蒸気や氷に変わること。

    (イ) 水や空気の体積や状態の変化について調べる中で,見いだした疑問について,既習の内容や生活経験を基に予想し,表現すること。

 (3) 内容の取扱い

  ア (2)の「A生命」のアの「人の体のつくりと運動」のアの については,関節の働きを扱うものとすること。

  イ (2)の「A生命」のイの「季節と生物」については,1年を通しての動物の活動や植物の成長を観察や映像資料などで指導するものとする。

  ウ (2)の「B地球・自然」のイの「天気の様子」のアの については,2つのデータを同時に扱うようなグラフや表は扱わないこと。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,理科の学習過程の特質を踏まえ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うなどの,問題を科学的に解決しようとする学習活動の充実を図ること。

  イ 各段階で育成を目指す思考力,判断力,表現力等については,当該段階において育成することを目指す力のうち,主なものを示したものであり,実際の指導に当たっては,他の段階で掲げている力の育成についても十分に配慮すること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 実験を行うに当たっては,身の回りのことや生活に関わる簡単なものを取り扱うこと。

  イ 生物,天気などに関する指導に当たっては,自然に親しむ活動や体験的な活動を多く取り入れるとともに,生命を尊重し,身の回りの自然環境の保全に寄与する態度を養うようにすること。

  ウ 天気などに関する指導に当たっては,災害に関する基礎的な理解が図られるようにすること。

  エ 理科で学習することが様々な職業などと関係していることにも触れること。

  オ 博物館や科学学習センターなどと連携,協力を図ること。

 (3) 観察,実験などの指導に当たっては,事故防止に十分留意すること。また,環境整備に十分配慮すること。

 

 〔音 楽〕

1 目 標

  表現及び鑑賞の活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と豊かに興味や関心をもって関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 曲名や曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,表したい音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。

 (2) 音楽表現を考えることや,曲や演奏のよさなどを見いだしながら,音や音楽を味わって聴くことができるようにする。

 (3) 進んで音や音楽に関わり,協働して音楽活動をする楽しさを感じるとともに,様々な音楽に親しんでいく態度を養い,豊かな情操を培う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  ア 曲名や曲の雰囲気と音楽の構造などとの関わりについて気付くとともに,音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,音楽づくり,身体表現の技能を身に付けるようにする。

  イ 音楽表現を考えて表したい思いや意図をもつことや,音や音楽を味わいながら聴くことができるようにする。

  ウ 進んで音や音楽に関わり,協働して音楽活動をする楽しさを感じながら,様々な音楽に触れるとともに,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにしようとする態度を養う。

 (2) 内 容

  A 表 現

   ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲の雰囲気に合いそうな表現を工夫し,歌唱表現に対する思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の㋐及び㋑について気付くこと。

      ㋐ 曲名や曲の雰囲気と音楽の構造との関わり

      ㋑ 曲想と歌詞の表す情景やイメージとの関わり

    (ウ) 思いや意図にふさわしい歌い方で歌うために必要な次の㋐ から㋒ までの技能を身に付けること。

      ㋐ 範唱を聴いて歌ったり,歌詞を見て歌ったりする技能

      ㋑ 発声の仕方に気を付けて歌う技能

      ㋒ 友達の歌声や伴奏を聴いて声を合わせて歌う技能

   イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲の雰囲気に合いそうな表現を工夫し,器楽表現に対する思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の㋐ 及び ㋑について気付くこと。

      ㋐ 曲の雰囲気と音楽の構造との関わり

      ㋑ 楽器の音色と全体の響きとの関わり

    (ウ) 思いや意図にふさわしい表現をするために必要な次の ㋐から㋒ までの技能を身に付けること。

      ㋐ 簡単な楽譜を見てリズムや速度を意識して演奏する技能

      ㋑ 音色や響きに気を付けて,打楽器や旋律楽器を使って演奏する技能

      ㋒ 友達の楽器の音や伴奏を聴いて,音を合わせて演奏する技能

   ウ 音楽づくりの活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 音楽づくりについての知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の ㋐及び ㋑をできるようにすること。

      ㋐ 音遊びを通して,どのように音楽をつくるのかについて発想を得ること。

      ㋑ 音を音楽へと構成することについて思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の ㋐及び ㋑について,それらが生み出す面白さなどと関わらせて気付くこと。

      ㋐ いろいろな音の響きの特徴

      ㋑ リズム・パターンや短い旋律のつなげ方の特徴

    (ウ) 発想を生かした表現,思いや意図に合った表現をするために必要な次の ㋐及び ㋑の技能を身に付けること。

      ㋐ 設定した条件に基づいて,音を選択したり組み合わせたりして表現する技   能 

      ㋑ 音楽の仕組みを生かして,簡単な音楽をつくる技能

   エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,リズムの特徴や曲の雰囲気を感じ取り,体を動かすことについての思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の ㋐及び㋑ の関わりについて気付くこと。

      ㋐ 曲の雰囲気と音楽の構造との関わり

      ㋑ 曲名や歌詞と体の動きとの関わり

    (ウ) 思いや意図にふさわしい動きで表現するために必要な次の㋐ から㋒ までの技能を身に付けること。

      ㋐ 示範を見て体を動かしたり,曲の速度やリズム,曲の雰囲気に合わせて身体表現したりする技能

      ㋑ 音や音楽を聴いて,様々な動きを組み合わせて身体表現をする技能

      ㋒ 友達と動きを合わせて表現する技能

  B 鑑 賞

   ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏のよさなどを見いだして聴くこと。

    (イ) 曲想とリズムや速度,旋律の特徴との関わりについて分かること。

○2段階

 (1) 目 標

  ア 曲名や曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,表したい音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,音楽づくり,身体表現の技能を身に付けるようにする。

  イ 音楽表現を考えて表したい思いや意図をもつことや,曲や演奏のよさを見いだしながら,音や音楽を味わって聴くことができるようにする。

  ウ 主体的に楽しく音や音楽に関わり,協働して音楽活動をする楽しさを味わいながら,様々な音楽に親しむとともに,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにしようとする態度を養う。

 (2) 内 容

  A 表 現

   ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲の特徴にふさわしい表現を工夫し,歌唱表現に対する思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の ㋐及び ㋑について理解すること。

      ㋐ 曲名や曲想と音楽の構造との関わり

      ㋑ 曲想と歌詞の表す情景やイメージとの関わり

    (ウ) 思いや意図にふさわしい歌い方で歌うために必要な次の ㋐から ㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 歌詞やリズム,音の高さ等を意識して歌う技能

      ㋑ 呼吸及び発音の仕方に気を付けて歌う技能

      ㋒ 独唱と,斉唱及び簡単な輪唱などをする技能

   イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,曲想にふさわしい表現を工夫し,器楽表現に対する思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の ㋐及び㋑ について理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

      ㋑ 多様な楽器の音色と全体の響きとの関わり

    (ウ) 思いや意図にふさわしい表現をするために必要な次の㋐ から ㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 簡単な楽譜を見てリズムや速度,音色などを意識して,演奏する技能

      ㋑ 打楽器や旋律楽器の基本的な扱いを意識して,音色や響きに気を付けて演奏する技能

      ㋒ 友達の楽器の音や伴奏を聴いて,リズムや速度を合わせて演奏する技能

   ウ 音楽づくりの活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 音楽づくりについての知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の ㋐及び ㋑をできるようにすること。

      ㋐ 即興的に表現することを通して,音楽づくりの発想を得ること。

      ㋑ 音を音楽へと構成することについて思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の㋐ 及び ㋑について,それらが生み出す面白さなどと関わらせて理解すること。

      ㋐ いろいろな音の響きやその組み合わせの特徴

      ㋑ リズム・パターンや短い旋律のつなぎ方や重ね方の特徴

    (ウ) 発想を生かした表現,思いや意図に合った表現をするために必要な次の ㋐及び ㋑の技能を身に付けること。

      ㋐ 設定した条件に基づいて,即興的に音を選択したり組み合わせたりして表現する技能

      ㋑ 音楽の仕組みを生かして,音楽をつくる技能

   エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,リズムの特徴や曲想を感じ取り,体を動かすことについて思いや意図をもつこと。

    (イ) 次の ㋐及び ㋑の関わりについて理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

      ㋑ 曲名や歌詞と体の動きとの関わり

    (ウ) 思いや意図にふさわしい動きで表現するために必要な次の ㋐から ㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 示範を見て表現したり,曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現したりする技能

      ㋑ 音や音楽を聴いて,様々な動きを組み合わせてまとまりのある表現をする技能

      ㋒ 友達と動きを相談して,合わせて表現する技能

  B 鑑 賞

   ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏のよさなどを見いだし,曲全体を味わって聴くこと。

    (イ) 曲想と音楽の構造等との関わりについて理解すること。

 〔共通事項〕

(1) 1段階と2段階の「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

 ア 音楽を形づくっている要素を聴き取り,それらの働きが生み出すよさや面白さ,美しさを感じ取りながら,聴き取ったことと感じ取ったこととの関わりについて考えること。

 イ 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる音符,休符,記号や用語について,音楽における働きと関わらせて理解すること。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,音楽的な見方・考え方を働かせ,他者と協働しながら,音楽表現を生み出したり音楽を聴いてそのよさなどを見いだしたりするなど,思考,判断し,表現する一連の過程を大切にした学習の充実を図ること。

  イ 2の目標及び内容の「A表現」のアからエまでの指導については,ア,イ及びウの各事項を,「B鑑賞」のアの指導については,ア及びイの各事項を,適切に関連させて指導すること。

  ウ 2の目標及び内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

  エ 2の目標及び内容の「A表現」のアからエまで及び「B鑑賞」のアの指導については,適宜,〔共通事項〕を要として各領域や分野の関連を図るようにすること。

  オ 国歌「君が代」は,時期に応じて適切に指導すること。

  カ 各段階においては,生徒の発達の段階と生活年齢を考慮すること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 各段階の指導に当たっては,音や音楽との一体感を味わえるようにするため,指導のねらいに即して体を動かす活動を取り入れるようにすること。

  イ 各段階の指導に当たっては,音や音楽及び言葉によるコミュニケーションを図る指導を工夫すること。その際,生徒の言語理解や発声・発語の状況等を考慮し,必要に応じてコンピュータや教育機器も効果的に活用すること。

  ウ 生徒が学校内及び公共施設などの学校外における音楽活動とのつながりを意識できるような機会をつくるなど,生徒や学校,地域の実態に応じて,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と主体的に関わっていくことができるよう配慮すること。

  エ 合奏や合唱などの活動を通して,和音のもつ表情を感じることができるようにすること。また,長調及び短調の曲においては,Ⅰ,Ⅳ,Ⅴ及びV7などの和音を中心に指導すること。

  オ 我が国や郷土の音楽の指導に当たっては,そのよさなどを感じ取って表現したり鑑賞したりできるよう,楽譜や音源等の示し方,伴奏の仕方,曲に合った歌い方や楽器の演奏の仕方など指導方法について工夫すること。

  カ 各段階の「A表現」のアの歌唱の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。

   (ア) 生徒の実態や学習状況及び必要に応じて適宜,移動ド唱法を取り上げるようにすること。

   (イ) 成長に伴う声の変化に気付くことができるよう,変声期の生徒に対して適切に配慮すること。

  キ 各段階の「A表現」のイの楽器については,次のとおり取り扱うこと。

   (ア) 各段階で取り上げる打楽器は,簡単に操作できる楽器,木琴,鉄琴,和楽器,諸外国に伝わる様々な楽器を含めて,生徒の実態や発達の段階を考慮して選択すること。

   (イ) 1段階で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,鍵盤楽器などの中から生徒の実態や発達の段階を考慮して選択すること。

   (ウ) 2段階で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,鍵盤楽器や和楽器,電子楽器などの中から生徒の実態や発達の段階を考慮して選択すること。

   (エ) 合奏で扱う楽器については,リズム,旋律,和音などの各声部の演奏ができるよう,楽器の特性を生かして選択すること。

  ク 各段階の「A表現」のウの音楽づくりの指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。

   (ア) 音遊びや即興的な表現では,リズムや旋律を模倣したり,身近なものから多様な音を探したりして,音楽づくりのための発想を得ることができるよう指導すること。

   (イ) どのような音楽を,どのようにしてつくるかなどについて,生徒の実態に応じて具体的な例を示しながら指導すること。

   (ウ) つくった音楽については,指導のねらいに即し,必要に応じて記録できるようにすること。記録の仕方については,図や絵によるものなど,柔軟に指導すること。

   (エ) 拍のないリズム,我が国の音楽に使われている音階や調性にとらわれない音階などを生徒の実態に応じて取り上げるようにすること。

  ケ 各段階の「B鑑賞」の指導に当たっては,気付いたり感じたりしたことを体の動きで表現したり,絵にかいたり,言葉で表現したりできるよう指導を工夫すること。

  コ 2の目標及び内容の〔共通事項〕の のアに示す「音楽を形づくっている要素」については,生徒の発達の段階や指導のねらいに応じて,次の(ア)及び(イ)を適切に選択したり関連付けたりして必要に応じて適切に指導すること。

   (ア) 音楽を特徴付けている要素

㋐ 音色,リズム,速度,旋律,強弱,音の重なり,和音の響き,音階,調,拍,フレーズなど

   (イ) 音楽の仕組み

㋐ 反復,呼びかけとこたえ,変化,音楽の縦と横との関係など

  サ 〔共通事項〕の(1) のイに示す「音符,休符,記号や用語」については,生徒の実態や学習状況を考慮して取り扱うこと。

  シ 歌唱教材は,次に示すものを取り扱うこと。

   (ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,日常の生活に関連した曲。

   (イ) 主となる歌唱教材については,各段階ともウの共通教材を含めて,独唱,斉唱で歌う曲。

   (ウ) 共通教材

     ㋐ 1段階の共通教材は,次に示すものとする。

    「うさぎ」 (日本古謡)

    「茶つみ」(文部省唱歌)

    「春の小川」(文部省唱歌)高野辰之(たかのたつゆき)作詞 岡野貞一(おかのていいち)作曲

    「ふじ山」(文部省唱歌)巌谷小波(いわやさざなみ)作詞

    「さくらさくら」(日本古謡)

    「とんび」葛原(くずはら)しげる作詞 梁田貞(やなださだし)作曲

    「まきばの朝」(文部省唱歌)船橋栄吉(ふなばしえいきち)作曲

    「もみじ」(文部省唱歌)高野辰之(たかのたつゆき)作詞 岡野貞一(おかのていいち)作曲

     ㋑ 2段階の共通教材は,次に示すものとする。

    「こいのぼり」(文部省唱歌)

    「子もり歌」(日本古謡)

    「スキーの歌」(文部省唱歌)林柳波作(はやしりゅうは)詞橋本国彦(はしもとくにひこ)作曲

    「冬げしき」(文部省唱歌)

    「越天楽今様(歌詞は第2節まで)」(日本古謡)慈鎮(じちん)和尚作歌

    「おぼろ月夜」(文部省唱歌)高野辰之(たかのたつゆき)作詞岡野貞一(おかのていいち)作曲

    「ふるさと」(文部省唱歌)高野辰之(おかのたつゆき)作詞岡野貞一(おかのていいち)作曲

    「われは海の子(歌詞は第3節まで)」(文部省唱歌)

  ス 器楽教材は,次に示すものを取り扱うこと。

   (ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,指導のねらいとの関係において適切であり,身近で親しみのもてるもの。

   (イ) 主となる器楽教材については,既習の歌唱教材を含め,主旋律に簡単なリズム伴奏や低音部を加えた曲。

  セ 音楽づくり教材は,次に示すものを取り扱うこと。

   (ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関係において適切であり,身近で親しみのもてるもの。

  ソ 音や音楽の特徴を身体表現するために適した教材は,次に示すものを取り扱うこと。

   (ア) 主となる教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め,音や音楽を聴いて体を動かすことができるものを中心に,生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関係において適切であり,親しみのもてるもの。

  タ 鑑賞教材は,次に示すものを取り扱うこと。

   (ア) 主となる鑑賞教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め,生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,曲想を感じ取り,情景を思い浮かべやすい,いろいろな種類の曲。

   (イ) 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,曲の雰囲気や音楽の構造に気付きやすい曲。

   (ウ) 楽器の音色や人の声の表現の違いなどによる演奏の特徴が聴き取りやすい,いろいろな演奏形態による曲。

 

 〔美 術〕

1 目 標

  表現及び鑑賞の活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 造形的な視点について理解し,表したいことに合わせて材料や用具を使い,表し方を工夫する技能を身に付けるようにする。

 (2) 造形的なよさや面白さ,美しさ,表したいことや表し方などについて考え,経験したことや材料などを基に,発想し構想するとともに,造形や作品などを鑑賞し,自分の見方や感じ方を深めることができるようにする。

 (3) 創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育み,感性を豊かにし,心豊かな生活を営む態度を養い,豊かな情操を培う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  ア 造形的な視点について気付き,材料や用具の扱い方に親しむとともに,表し方を工夫する技能を身に付けるようにする。

  イ 造形的なよさや面白さ,表したいことや表し方などについて考え,経験したことや思ったこと,材料などを基に,発想し構想するとともに,身近にある造形や作品などから,自分の見方や感じ方を広げることができるようにする。

  ウ 楽しく美術の活動に取り組み,創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を営む態度を養う。

 (2) 内 容

  A 表 現

   ア 日常生活の中で経験したことや思ったこと,材料などを基に,表したいことや表し方を考えて,描いたり,つくったり,それらを飾ったりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 経験したことや思ったこと,材料などを基に,表したいことや表し方を考えて,発想や構想をすること。

    (イ) 材料や用具の扱いに親しみ,表したいことに合わせて,表し方を工夫し,材料や用具を選んで使い表すこと。

  B 鑑 賞

   ア 自分たちの作品や身近な造形品の鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 自分たちの作品や身近な造形品の制作の過程などの鑑賞を通して,よさや面白さに気付き,自分の見方や感じ方を広げること。

    (イ) 表し方や材料による印象の違いなどに気付き,自分の見方や感じ方を広げること。

  〔共通事項〕

 ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

  (ア) 形や色彩,材料や光などの特徴について知ること。

  (イ) 造形的な特徴などからイメージをもつこと。

○2段階

 (1) 目 標

  ア 造形的な視点について理解し,材料や用具の扱い方などを身に付けるとともに,多様な表し方を工夫する技能を身に付けるようにする。

  イ 造形的なよさや面白さ,美しさ,表したいことや表し方などについて考え,経験したことや想像したこと,材料などを基に,発想し構想するとともに,自分たちの作品や美術作品などに親しみ自分の見方や感じ方を深めることができるようにする。

  ウ 主体的に美術の活動に取り組み,創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を高め,心豊かな生活を営む態度を養う。

 (2) 内 容

  A 表 現

   ア 経験したことや想像したこと,材料などを基に,表したいことや表し方を考えて,描いたり,つくったり,それらを飾ったりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 経験したことや想像したこと,材料などを基に,表したいことや表し方を考えて,発想や構想をすること。

    (イ) 材料や用具の扱い方を身に付け,表したいことに合わせて,材料や用具の特徴を生かしたり,それらを組み合わせたりして計画的に表すこと。

  B 鑑 賞

   ア 自分たちの作品や美術作品などの鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア) 自分たちの作品や美術作品などを鑑賞して,よさや面白さ,美しさを感じ取り,自分の見方や感じ方を深めること。

    (イ) 表し方や材料による特徴の違いなどを捉え,自分の見方や感じ方を深めること。

  〔共通事項〕

 ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

  (ア) 形や色彩,材料や光などの特徴について理解すること。

  (イ) 造形的な特徴などからイメージを捉えること。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,造形的な見方・考え方を働かせ,表現したり鑑賞したりする資質・能力を相互に関連させた学習の充実を図ること。

  イ 2の各段階の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,相互の関連を図るようにすること。

  ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

  エ 2の各段階の内容の「A表現」の指導に当たっては,適宜共同してつくりだす活動を取り上げるようにすること。

  オ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,感じたことや思ったことを伝え合うなど,周りの人と共有できる機会を設けるようにすること。

  カ 2の各段階の「B鑑賞」の指導に当たっては,生徒や学校の実態に応じて,地域の美術館を利用するなど,連携を図るようにすること。また,学校図書館等における鑑賞用図書,映像資料等の活用を図ること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 「A表現」の指導に当たっては,材料や用具の安全な使い方について指導するとともに,活動場所を事前に点検するなどして,事故防止について徹底すること。

  イ 生徒が個性を生かして活動することができるようにするため,学習活動や表現方法などに幅をもたせるようにすること。

  ウ 「A表現」の指導に当たっては,活動の全過程を通して生徒が実現したい思いを大切にしながら活動できるようにし,自分のよさや可能性を見いだし,楽しく豊かな生活を創造する態度を養うようにすること。

  エ 各活動において,互いのよさや個性などを認め尊重し合うようにすること。

  オ 「A表現」及び「B鑑賞」の学習を通して学んだことが,生活や社会の中で生かせるようにすることや,作品や用具等を大切に取り扱うことを理解して使えるよう指導すること。

  カ 美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること。

  キ 材料については,地域の身近にある材料なども取り上げ,指導すること。

  ク 作品を校内の適切な場所に展示するなどし,日常の学校生活においてそれらを鑑賞することができるよう配慮すること。また,学校や地域の実態に応じて,校外に生徒の作品を展示する機会を設けるなどすること。

 

 〔保健体育〕

1 目 標

  体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を見付け,その解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し,豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 各種の運動の特性に応じた技能等及び自分の生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。

 (2) 各種の運動や健康・安全についての自分の課題を見付け,その解決に向けて自ら思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。

 (3) 生涯にわたって運動に親しむことや健康の保持増進と体力の向上を目指し,明るく豊かな生活を営む態度を養う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  ア 各種の運動の楽しさや喜びに触れ,その特性に応じた行い方及び体の発育・発達やけがの防止,病気の予防などの仕方が分かり,基本的な動きや技能を身に付けるようにする。

  イ 各種の運動や健康な生活における自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝える力を養う。

  ウ 各種の運動に進んで取り組み,きまりや簡単なスポーツのルールなどを守り,友達と協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をする態度を養う。また,健康・安全の大切さに気付き,自己の健康の保持増進に進んで取り組む態度を養う。

 (2) 内 容

  A 体つくり運動

    体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさに触れるとともに,その行い方が分かり,友達と関わったり,動きを持続する能力などを高めたりすること。

   イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動に進んで取り組み,きまりを守り,友達と協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  B 器械運動

    器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 器械・器具を使った運動の楽しさや喜びに触れ,その行い方が分かり,基本的な動きや技を身に付けること。

   イ 器械・器具を使った運動についての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 器械・器具を使った運動に進んで取り組み,きまりを守り,友達と協力したり,場や器械・器具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  C 陸上運動

    陸上運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 陸上運動の楽しさや喜びに触れ,その行い方が分かり,基本的な動きや技能を身に付けること。

   イ 陸上運動についての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 陸上運動に進んで取り組み,きまりを守り,友達と協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  D 水泳運動

    水泳運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 初歩的な泳ぎの楽しさや喜びに触れ,その行い方が分かり,基本的な動きや技能を身に付けること。

   イ 初歩的な泳ぎについての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 初歩的な泳ぎに進んで取り組み,きまりなどを守り,友達と協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  E 球技

    球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 球技の楽しさや喜びに触れ,その行い方が分かり,基本的な動きや技能を身に付け,簡易化されたゲームを行うこと。

   イ 球技についての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 球技に進んで取り組み,きまりや簡単なルールを守り,友達と協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  F 武道

    武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 武道の楽しさを感じ,その行い方や伝統的な考え方が分かり,基本動作や基本となる技を用いて,簡易な攻防を展開すること。

   イ 武道についての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 武道に進んで取り組み,きまりや伝統的な行動の仕方を守り,友達と協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  G ダンス

    ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア ダンスの楽しさや喜びに触れ,その行い方が分かり,基本的な動きや技能を身に付け,表現したり踊ったりすること。

   イ ダンスについての自分の課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ ダンスに進んで取り組み,友達の動きを認め協力したり,場や用具の安全に留意したりし,最後まで楽しく運動をすること。

  H 保健

    健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 体の発育・発達やけがの防止,病気の予防などの仕方が分かり,基本的な知識及び技能を身に付けること。

   イ 自分の健康・安全についての課題を見付け,その解決のための活動を考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

○2段階

 (1) 目 標

  ア 各種の運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた行い方及び体の発育・発達やけがの防止,病気の予防などの仕方について理解し,基本的な技能を身に付けるようにする。

  イ 各種の運動や健康な生活における自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝える力を養う。

  ウ 各種の運動に積極的に取り組み,きまりや簡単なスポーツのルールなどを守り,友達と助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の最善を尽くして運動をする態度を養う。また,健康・安全の大切さに気付き,自己の健康の保持増進と回復に進んで取り組む態度を養う。

 (2) 内 容

  A 体つくり運動

    体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わうとともに,その行い方を理解し,友達と関わったり,動きを持続する能力などを高めたりすること。

   イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動に積極的に取り組み,きまりを守り,友達と助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  B 器械運動

    器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 器械運動の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解し,基本的な技を身に付けること。

   イ 器械運動についての自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 器械運動に積極的に取り組み,きまりを守り,友達と助け合ったり,場や器械・器具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  C 陸上運動

    陸上運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 陸上運動の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解し,基本的な技能を身に付けること。

   イ 陸上運動についての自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 陸上運動に積極的に取り組み,きまりを守り,友達と助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  D 水泳運動

    水泳運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 水泳運動の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解し,基本的な技能を身に付けること。

   イ 水泳運動についての自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 水泳運動に積極的に取り組み,きまりなどを守り,友達と助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  E 球技

    球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 球技の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解し,基本的な技能を身に付け,簡易化されたゲームを行うこと。

   イ 球技についての自分やチームの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 球技に積極的に取り組み,きまりや簡単なルールを守り,友達と助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  F 武道

    武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 武道の楽しさや喜びに触れ,その行い方や伝統的な考え方を理解し,基本動作や基本となる技を用いて,簡易な攻防を展開すること。

   イ 武道についての自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ 武道に積極的に取り組み,きまりや伝統的な行動の仕方を守り,友達と助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  G ダンス

    ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア ダンスの楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解し,基本的な技能を身に付け,表現したり踊ったりすること。

   イ ダンスについての自分やグループの課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

   ウ ダンスに積極的に取り組み,友達のよさを認め助け合ったり,場や用具の安全に留意したりし,自己の力を発揮して運動をすること。

  H 保健

    健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 体の発育・発達やけがの防止,病気の予防などの仕方について理解し,基本的な技能を身に付けること。

   イ 自分やグループの健康・安全についての課題を見付け,その解決のために友達と考えたり,工夫したりしたことを他者に伝えること。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 各段階の内容のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,体育や保健の見方・考え方を働かせ,運動や健康についての自他の課題を見付け,個々の生徒の障害の状態等に応じて,その解決のための活動の充実を図ること。また,運動の楽しさや喜びを味わったり,健康の大切さを実感したりすることができるよう,留意すること。

  イ 「A体つくり運動」及び「H保健」については,3学年間にわたって取り扱うこと。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 学校や地域の実態を考慮するとともに,個々の生徒の障害の状態等,運動の経験及び技能の程度などに応じた指導や生徒自らが運動の課題の解決を目指す活動を行えるよう工夫すること。

  イ 運動を苦手と感じている生徒や,運動に意欲的に取り組まない生徒への指導を工夫すること。

  ウ 「A体つくり運動」から「Gダンス」までと「H保健」との関連を図る指導を工夫すること。

  エ 「E球技」については,個の能力だけでなく,より集団を意識したゲームを取り扱うものとすること。

  オ 「F武道」については,武道場や用具の確保が難しい場合は指導方法を工夫して行うとともに,安全面に十分留意すること。

  カ 自然との関わりの深い雪遊び,氷上遊び,スキー,スケート,水辺活動などの指導については,生徒の障害の状態等,学校や地域の実態等に応じて積極的に行うようにすること。

  キ オリンピック・パラリンピックなどとも関連させ,フェアなプレイを大切にするなど,生徒の発達の段階に応じて,運動やスポーツの大切さや必要性等に触れるようにするとともに,運動やスポーツを「すること」,「知ること」,「見ること」,「応援すること」などの多様な関わり方について取り扱うようにすること。

 

 〔職業・家庭〕

1 目 標

  生活の営みに係る見方・考え方や職業の見方・考え方を働かせ,生活や職業に関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 生活や職業に対する関心を高め,将来の家庭生活や職業生活に係る基礎的な知識や技能を身に付けるようにする。

 (2) 将来の家庭生活や職業生活に必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価・改善し,自分の考えを表現するなどして,課題を解決する力を養う。

 (3) よりよい家庭生活や将来の職業生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

 

2 各段階の目標及び内容

○1段階

 (1) 目 標

  職業分野

   職業に係る見方・考え方を働かせ,作業や実習に関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  ア 職業について関心をもち,将来の職業生活に係る基礎的な知識や技能を身に付けるようにする。

  イ 将来の職業生活に必要な事柄について触れ,課題や解決策に気付き,実践し,学習したことを伝えるなど,課題を解決する力の基礎を養う。

  ウ 将来の職業生活の実現に向けて,生活を工夫しようとする態度を養う。

  家庭分野

   生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  ア 家庭の中の自分の役割に気付き,生活の自立に必要な家族・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

  イ 家庭生活に必要な事柄について触れ,課題や解決策に気付き,実践し,学習したことを伝えるなど,日常生活において課題を解決する力の基礎を養う。

  ウ 家族や地域の人々とのやりとりを通して,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫しようとする態度を養う。

 (2) 内 容

  職業分野

   A 職業生活

    ア 働くことの意義

      働くことに関心をもち,作業や実習等に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 働くことの目的などを知ること。

     (イ) 意欲や見通しをもって取り組み,自分の役割について気付くこと。

     (ウ) 作業や実習等で達成感を得ること。

    イ 職業

      職業に関わる事柄について,考えたり,体験したりする学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

         ㋐ 職業生活に必要な知識や技能について知ること。

         ㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等があることを知ること。

         ㋒ 材料や育成する生物等の扱い方及び生産や生育活動等に関わる基礎的な技術について知ること。

         ㋓ 作業課題が分かり、使用する道具等の扱い方に慣れること。

         ㋔ 作業の持続性や巧緻性などを身に付けること。

     (イ) 職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次のとおりとする。

㋐ 職業に関わる事柄と作業や実習で取り組む内容との関連について気付くこと。

㋑ 作業に当たり安全や衛生について気付き、工夫すること。

㋒ 職業生活に必要な健康管理について気付くこと。

   B 情報機器の活用

     職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器に触れることなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    ア コンピュータ等の情報機器の初歩的な操作の仕方を知ること。

    イ コンピュータ等の情報機器に触れ,体験したことなどを他者に伝えること。

   C 産業現場等における実習

     実際的な学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    ア 職業や進路に関わることについて関心をもったり,調べたりすること。

    イ 職業や職業生活,進路に関わることについて,気付き,他者に伝えること。

  家庭分野

   A 家族・家庭生活

    ア 自分の成長と家族

      自分の成長に気付くことや家族のことなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 自分の成長を振り返りながら,家庭生活の大切さを知ること。

     (イ) 家族とのやりとりを通して,家族を大切にする気持ちを育み,よりよい関わり方について気付き,それらを他者に伝えること。

    イ 家庭生活と役割

      家庭の中での役割などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 家庭における役割や地域との関わりについて関心をもち,知ること。

     (イ) 家庭生活に必要なことや自分の果たす役割に気付き,それらを他者に伝えること。

    ウ 家庭生活における余暇

      家庭における余暇の過ごし方などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 健康や様々な余暇の過ごし方について知り,実践しようとすること。

     (イ) 望ましい生活環境や健康及び様々な余暇の過ごし方について気付き,工夫すること。

    エ 幼児の生活と家族

      幼児と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 幼児の特徴や過ごし方について知ること。

     (イ) 幼児への適切な関わり方について気付き,それらを他者に伝えること。

   B 衣食住の生活

    ア 食事の役割

      食事の仕方や食事の大切さに気付くことなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 健康な生活と食事の役割について知ること。

     (イ) 適切な量の食事を楽しくとることの大切さに気付き,それらを他者に伝えること。

    イ 調理の基礎

      必要な材料を使って食事の準備をすることなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 簡単な調理の仕方や手順について知り,できるようにすること。

     (イ) 簡単な調理計画について考えること。

    ウ 衣服の着用と手入れ

      衣服の着方や手入れの仕方などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 場面に応じた日常着の着方や手入れの仕方などについて知り,実践しようとすること。

     (イ) 日常着の着方や手入れの仕方に気付き,工夫すること。

    エ 快適な住まい方

      持ち物の整理や住まいの清掃などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 住まいの主な働きや,整理・整頓や清掃の仕方について知り,実践しようとすること。

     (イ) 季節の変化に合わせた住まい方,整理・整頓や清掃の仕方に気付き,工夫すること。

   C 消費生活・環境

    ア 身近な消費生活

      買物の仕組みや必要な物の選び方などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 生活に必要な物の選び方,買い方,計画的な使い方などについて知り,実践しようとすること。

     (イ) 生活に必要な物を選んだり,物を大切に使おうとしたりすること。

    イ 環境に配慮した生活

      身近な生活の中で環境に配慮することに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 身近な生活の中で,環境に配慮した物の使い方などについて知り,実践しようとすること。

     (イ) 身近な生活の中で,環境に配慮した物の使い方などについて考え,工夫すること。

○2段階

 (1) 目 標

  職業分野

   職業に係る見方・考え方を働かせ,作業や実習に関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  ア 働くことに対する関心を高め,将来の職業生活に係る基礎的な知識や技能を身に付けるようにする。

  イ 将来の職業生活に必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践し,学習したことを振り返り,考えたことを表現するなど,課題を解決する力を養う。

  ウ 将来の職業生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

  家庭分野

   生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  ア 家族や自分の役割について理解し,生活の自立に必要な家族・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

  イ 家庭生活に必要な事柄について考え,課題を設定し,解決策を考え,実践し,学習したことを振り返り,考えたことを表現するなど,日常生活において課題を解決する力を養う。

  ウ 家族や地域の人々とのやりとりを通して,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

 (2) 内 容

  職業分野

   A 職業生活

    ア 働くことの意義

      働くことに対する意欲や関心を高め,他者と協力して取り組む作業や実習等に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 働くことの目的などを理解すること。

     (イ) 意欲や見通しをもって取り組み,自分と他者との関係や役割について考えること。

     (ウ) 作業や実習等に達成感を得て,進んで取り組むこと。

    イ 職業

      職業に関わる事柄について,考えを深めたり,体験したりする学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

       ㋐ 職業生活に必要な知識や技能を理解すること。

 ㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等があることを理解すること。

       ㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活動等に関わる基礎的な技術について理解すること。

       ㋓ 作業課題が分かり、使用する道具や機械等の扱い方を理解すること。

       ㋔ 作業の確実性や持続性、巧緻性等を身に付けること。

     (イ) 職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次のとおりとする。

        ㋐ 職業に関わる事柄と作業や実習で取り組む内容との関連について、考えて、発表すること。

        ㋑ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考えて、工夫すること。

  職業生活に必要な健康管理について考えること。

   B 情報機器の活用

     職業生活や社会生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    ア コンピュータ等の情報機器の基礎的な操作の仕方を知り,扱いに慣れること。

    イ コンピュータ等の情報機器を扱い,体験したことや自分の考えを表現すること。

   C 産業現場等における実習

     実際的な学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    ア 職業や進路に関わることについて調べて,理解すること。

    イ 職業や職業生活,進路に関わることと自己の成長などについて考えて,発表すること。

  家庭分野

   A 家族・家庭生活

    ア 自分の成長と家族

      自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 自分の成長を振り返り,家庭生活の大切さを理解すること。

     (イ) 家族とのやりとりを通して,家族を大切にする気持ちを育み,よりよい関わり方について考え,表現すること。

    イ 家庭生活と役割

      家庭生活での役割などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 家庭における役割や地域との関わりについて調べて,理解すること。

     (イ) 家庭生活に必要なことに関して,家族の一員として,自分の果たす役割を考え,表現すること。

    ウ 家庭生活における余暇

      家庭生活における健康や余暇に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 健康管理や余暇の過ごし方について理解し,実践すること。

     (イ) 望ましい生活環境や健康管理及び自分に合った余暇の過ごし方について考え,表現すること。

    エ 家族や地域の人々との関わり

      家族との触れ合いや地域の人々と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 地域生活や地域の活動について調べて,理解すること。

     (イ) 家族との触れ合いや地域生活に関心をもち,家族や地域の人々と地域活動への関わりについて気付き,表現すること。

   B 衣食住の生活

    ア 食事の役割

      楽しく食事をするための工夫などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 健康な生活と食事の役割や日常の食事の大切さを理解すること。

     (イ) 日常の食事の大切さや規則正しい食事の必要性を考え,表現すること。

    イ 栄養を考えた食事

      バランスのとれた食事について考えることに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 身体に必要な栄養について関心をもち,理解し,実践すること。

     (イ) バランスのとれた食事について気付き,献立などを工夫すること。

    ウ 調理の基礎

      食事の準備や調理の仕方などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 調理に必要な材料の分量や手順などについて理解し,適切にできること。

     (イ) 調理計画に沿って,調理の手順や仕方を工夫すること。

    エ 衣服の着用と手入れ

      衣服の手入れや洗濯の仕方などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 日常着の使い分けや手入れの仕方などについて理解し,実践すること。

     (イ) 日常着の快適な着方や手入れの仕方を考え,工夫すること。

    オ 快適で安全な住まい方

      住まいの整理・整頓や清掃などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 快適な住まい方や,安全について理解し,実践すること。

     (イ) 季節の変化に合わせた快適な住まい方に気付き,工夫すること。

   C 消費生活・環境

    ア 身近な消費生活

      身近な消費生活について考えることなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 生活に必要な物の選択や扱い方について理解し,実践すること。

     (イ) 生活に必要な物について考えて選ぶことや,物を大切に使う工夫をすること。

    イ 環境に配慮した生活

      自分の生活と環境との関連などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

     (ア) 身近な生活の中での環境との関わりや環境に配慮した物の使い方などについて理解し,実践すること。

     (イ) 身近な生活の中で,環境との関わりや環境に配慮した生活について考えて,物の使い方などを工夫すること。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,作業や実習など体験的な活動と知識とを相互に関連付けてより深く理解できるようにすること。

  イ 職業分野及び家庭分野に示された各段階の目標・内容については,分野相互の関連を図り,総合的に展開されるよう適切に計画すること。その際,小学部の生活科をはじめとする各教科等とのつながりや,中学部における他教科等との関連を重視することや高等部における職業科,家庭科,情報科等の学習を見据え,系統的に指導できるよう計画すること。

  ウ 生徒一人一人のキャリア発達を促していくことを踏まえ,発達の段階に応じて望ましい勤労観や職業観を身に付け,自らの生き方を考えて進路を主体的に選択することができるよう,将来の生き方等についても扱うなど,組織的かつ計画的に指導を行うこと。

  エ 地域や産業界との連携を図り,実際的な学習活動や就業体験,実習等を計画的に取り入れること。産業現場等における実習については,校内での作業や就業体験等と関連させ,段階的・系統的に指導するよう配慮すること。

 (2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 実習の指導に当たっては,施設・設備の安全・衛生管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いと事故防止の指導を徹底するものとする。その際,適切な服装や防護眼鏡・防塵マスクの着用等による安全の確保に努めること。

  イ 職業分野

    職業分野の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   (ア) 基礎的な知識及び技能を習得し,その理解を深めることで概念が育まれるとともに,仕事の楽しさや完成の喜びを体得できるよう,実践的・体験的な学習活動を充実すること。

   (イ) 生徒が習得した知識や技能を生活に活用できるよう,問題解決的な学習を充実するとともに,家庭や地域との連携を図ること。

   (ウ) 職業生活や家庭生活に必要な生きて働く知識や技能及び態度の形成に重点を置いた指導が行われるように配慮すること。

   (エ) 職業生活における余暇については,家庭生活における余暇と関連させて指導すること。

   (オ) 「B情報機器の活用」については,家庭生活における情報機器の取扱いについても留意して指導すること。

  ウ 家庭分野

    家庭分野の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   (ア) 食に関する指導では,職業・家庭科の特質に応じて,食育の充実に資すること。

   (イ) 幼児と関わるなどの校外での学習について,事故の防止策及び事故発生時の対応策等を綿密に計画するとともに,相手に対する配慮にも十分留意するものとする。

   (ウ) 調理に用いる食品については,安全・衛生に留意すること。また,食物アレルギーについても配慮すること。

 

 〔外国語〕

1 目 標

  外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語の音声や基本的な表現に触れる活動を通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 (1) 外国語を用いた体験的な活動を通して,身近な生活で見聞きする外国語に興味や関心をもち,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。

 (2) 身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。

 (3) 外国語を通して,外国語やその背景にある文化の多様性を知り,相手に配慮しながらコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

 

2 内 容

 〔英 語〕

  〔知識及び技能〕

 (1) 英語の特徴等に関する事項

   実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

  ア 英語の音声や基本的な表現に慣れ親しむこと

   (ア) 英語の音声を聞き,真似て声を出したり,話したりしようとすること。

   (イ) 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝えたりなどの働きがあることを感じ取ること。

   (ウ) 基本的な表現や語句が表す内容を知り,それらを使うことで相手に伝わることを感じ取ること。

  イ 日本と外国の言語や文化に慣れ親しむこと。

   (ア) 体験的な活動を通して,日本と外国との生活,習慣,行事などの違いを知ること。

   (イ) 対話的な活動を通して,相手の発言をよく聞こうとしたり,相づちや表情,ジェスチャーなどで応じようとしたりすること。

  〔思考力,判断力,表現力等〕

 (2) 情報を整理し,表現したり,伝え合ったりすることに関する事項

    具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて情報や考えなどを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

  ア 日常生活に関する簡単な事柄について,伝えたいことを考え,簡単な語などや基本的な表現を使って伝え合うこと。

  イ 日常生活に関する簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどが伝わるよう,工夫して質問をしたり,質問に答えたりすること。

 (3) 言語活動及び言語の働きに関する事項

  ① 言語活動に関する事項

   (2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば,次のような言語活動を通して指導する。

   ア 聞くこと

    (ア) 文字の発音を聞いて文字と結び付ける活動。

    (イ) 身近で具体的な事物に関する簡単な英語を聞き,それが表す内容をイラストや写真と結び付ける活動。

    (ウ) 挨拶や簡単な指示に応じる活動。

   イ 話すこと[発表]

    (ア) 自分の名前,年齢,好みなどを簡単な語などや基本的な表現を用いて表現する活動。

    (イ) 身近で具体的な事物の様子や状態を簡単な語などや基本的な表現,ジェスチャーを用いて表現する活動。

   ウ 話すこと[やり取り]

    (ア) 簡単な挨拶をし合う活動。

    (イ) 自分のことについて,具体物などを相手に見せながら,好みや要求などの自分の考えや気持ちを伝え合う活動。

    (ウ) ゆっくり話される簡単な質問に,英語の語など又は身振りや動作などで応じる活動。

   エ 書くこと

    (ア) 身近な事物を表す文字を書く活動。

    (イ) 例示を見ながら自分の名前を書き写す活動。

   オ 読むこと

    (ア) 身の回りで使われている文字や単語を見付ける活動。

    (イ) 日本の人の名前や地名の英語表記に使われている文字を読む活動。

  ② 言語の働きに関する事項

    言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。

   ア 言語の使用場面の例

    (ア) 特有の表現がよく使われる場面

      挨拶をする

      自己紹介をする

      買物をする

      食事をする など

    (イ) 生徒の身近な暮らしに関わる場面

      ゲーム

      歌やダンス

      学校での学習や活動

      家庭での生活 など

   イ 言語の働きの例

    (ア) コミュニケーションを円滑にする

      挨拶をする

      相づちを打つ

    (イ) 気持ちを伝える

      礼を言う

      褒める

    (ウ) 相手の行動を促す

      質問する

 〔その他の外国語〕

 その他の外国語については,外国語の2の内容の〔英語〕に準じて指導を行うものとする。

 

3 指導計画の作成と内容の取扱い

 (1) 外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。

 (2) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的課題等を設定し,生徒が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。

  イ これまでに学習した外国語活動との関連に留意して,指導計画を適切に作成すること。

  ウ 外国語科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,指導目標を適切に定め,3年間を通して外国語科の目標の実現を図るようにすること。また,高等部における指導との接続に配慮すること。

  エ 指導内容や活動については,生徒の興味や関心,経験などに合ったものとし,国語科や音楽科,美術科などの他教科等で生徒が学習したことを活用するなどの工夫により,指導の効果を高めるようにすること。

  オ 学級担任の教師又は外国語を担当する教師が指導計画を作成し,授業を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制等の充実を図るとともに,指導方法を工夫すること。

  カ 外国語を通して他者とコミュニケーションを図ることの必要性や楽しさを味わうことができるよう工夫すること。

 (3) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

  ア 言語材料については,生徒に身近でなじみのある簡単なものから扱うようにするとともに,語,連語及び慣用表現については活用頻度の高いものを用い,必要に応じて繰り返し活用しながら体験的な理解を図るようにすること。

  イ 2の内容のうち,主として言語や文化に関する内容の指導については,言語活動との関連を図るようにすること。その際,日本語と外国語との違いに生徒が気付くなど体験的な理解を図ることとし,指導内容が必要以上に細部にわたったり,形式的になったりしないようにすること。

  ウ 生徒の実態や教材の内容などに応じて,情報機器等を有効に活用し適切な言語材料を十分に提供できるようにすること。

 

第2 指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱い

  指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱いについては,第2章第1節第2款第2において特に示している事項に準ずるものとする。