第1章 総則

第1節 教育目標

 

小学部及び中学部における教育については,学校教育法第72条に定める目的を実現するために,児童及び生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を十分考慮して,次に掲げる目標の達成に努めなければならない。

 1 小学部においては,学校教育法第30条第1項に規定する小学校教育の目標

 2 中学部においては,学校教育法第46条に規定する中学校教育の目標

 3 小学部及び中学部を通じ,児童及び生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し自立を図るために必要な知識,技能,態度及び習慣を養うこと。

 

第2節 小・中学部における教育の基本と教育課程の役割

 

1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,児童又は生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに学校や地域の実態を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。

2 学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第4節の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,次の(1)から(4)までに掲げる事項の実現を図り,児童又は生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。

 (1) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際,児童又は生徒の発達の段階を考慮して,児童又は生徒の言語活動など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,児童又は生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること。

 (2) 道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊かな心や創造性の涵(かん)養を目指した教育の充実に努めること。

     学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動のそれぞれの特質に応じて,児童又は生徒の発達の段階を考慮して,適切な指導を行うこと。

      道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,小学部においては,自己の生き方を考え,中学部においては,人間としての生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とすること。

     道徳教育を進めるに当たっては,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに,平和で民主的な国家及び社会の形成者として,公共の精神を尊び,社会及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人の育成に資することとなるよう特に留意すること。

 (3) 学校における体育・健康に関する指導を,児童又は生徒の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより,健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,小学部の体育科や家庭科(知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校においては生活科),中学部の保健体育科や技術・家庭科(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては職業・家庭科)及び特別活動の時間はもとより,各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間及び自立活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮すること。

 (4) 学校における自立活動の指導は,障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し,自立し社会参加する資質を養うため,自立活動の時間はもとより,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,自立活動の時間における指導は,各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動と密接な関連を保ち,個々の児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を的確に把握して,適切な指導計画の下に行うよう配慮すること。

3 2の(1)から(4)までに掲げる事項の実現を図り,豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される児童又は生徒に,生きる力を育むことを目指すに当たっては,学校教育全体並びに各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間,特別活動(ただし,第3節の3の(2)のイ及びカにおいて,特別活動については学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。)及び自立活動の指導を通してどのような資質・能力の育成を目指すのかを明確にしながら,教育活動の充実を図るものとする。その際,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を踏まえつつ,次に掲げることが偏りなく実現できるようにするものとする。

 (1) 知識及び技能が習得されるようにすること。

 (2) 思考力,判断力,表現力等を育成すること。

 (3) 学びに向かう力,人間性等を涵(かん)養すること。

4 各学校においては,児童又は生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。その際,児童又は生徒に何が身に付いたかという学習の成果を的確にえ,第3節の3の(3)のイに示す個別の指導計画の実施状況の評価と改善を,教育課程の評価と改善につなげていくよう工夫すること。

 

第3節 節教育課程の編成

 

1 各学校の教育目標と教育課程の編成

  教育課程の編成に当たっては,学校教育全体や各教科等における指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。その際,小学部は小学校学習指導要領の第5章総合的な学習の時間の第2の1,中学部は中学校学習指導要領の第4章総合的な学習の時間の第2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする。

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成

 (1) 各学校においては,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。

 (2) 各学校においては,児童又は生徒や学校,地域の実態並びに児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。

3 教育課程の編成における共通的事項

 (1) 内容等の取扱い

  ア 第2章以下に示す各教科,道徳科,外国語活動,特別活動及び自立活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。

  イ 学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,全ての児童又は生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず加えて指導することができる。ただし,これらの場合には,第2章以下に示す各教科,道徳科,外国語活動,特別活動及び自立活動の目標や内容並びに各学年や各段階,各分野又は各言語の目標や内容(知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,外国語科及び外国語活動の各言語の内容)の趣旨を逸脱したり,児童又は生徒の負担過重となったりすることのないようにしなければならない。

  ウ 第2章以下に示す各教科,道徳科,外国語活動,特別活動及び自立活動の内容並びに各学年,各段階,各分野又は各言語の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。

  エ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童に対する教育を行う特別支援学校の小学部において,学年の内容を2学年まとめて示した教科及び外国語活動の内容は,2学年間かけて指導する事項を示したものである。各学校においては,これらの事項を児童や学校,地域の実態に応じ,2学年間を見通して計画的に指導することとし,特に示す場合を除き,いずれかの学年に分けて,又はいずれの学年においても指導するものとする。

  オ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の中学部においては,生徒や学校,地域の実態を考慮して,生徒の特性等に応じた多様な学習活動が行えるよう,第2章に示す各教科や,特に必要な教科を,選択教科として開設し生徒に履修させることができる。その場合にあっては,全ての生徒に指導すべき内容との関連を図りつつ,選択教科の授業時数及び内容を適切に定め選択教科の指導計画を作成し,生徒の負担過重となることのないようにしなければならない。また,特に必要な教科の名称,目標,内容などについては,各学校が適切に定めるものとする。

  カ 知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の小学部においては,生活,国語,算数,音楽,図画工作及び体育の各教科,道徳科,特別活動並びに自立活動については,特に示す場合を除き,全ての児童に履修させるものとする。また,外国語活動については,児童や学校の実態を考慮し,必要に応じて設けることができる。

  キ 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の中学部においては,国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育及び職業・家庭の各教科,道徳科,総合的な学習の時間,特別活動並びに自立活動については,特に示す場合を除き,全ての生徒に履修させるものとする。また,外国語科については,生徒や学校の実態を考慮し,必要に応じて設けることができる。

  ク 知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校において,各教科の指導に当たっては,各教科の段階に示す内容を基に,児童又は生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容を設定するものとする。その際,小学部は6年間,中学部は3年間を見通して計画的に指導するものとする。

  ケ 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の中学部においては,生徒や学校,地域の実態を考慮して,特に必要がある場合には,その他特に必要な教科を選択教科として設けることができる。その他特に必要な教科の名称,目標,内容などについては,各学校が適切に定めるものとする。その際,第2章第2節第2款の第2に示す事項に配慮するとともに,生徒の負担過重となることのないようにしなければならない。

  コ 道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の内容は,小学部においては第3章特別の教科道徳において準ずるものとしている小学校学習指導要領第3章特別の教科道徳の第2に示す内容,中学部においては第3章特別の教科道徳において準ずるものとしている中学校学習指導要領第3章特別の教科道徳の第2に示す内容とし,その実施に当たっては,第7節に示す道徳教育に関する配慮事項を踏まえるものとする。

 (2) 授業時数等の取扱い

  ア 小学部又は中学部の各学年における第2章以下に示す各教科(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の中学部において,外国語科を設ける場合を含む。以下同じ。),道徳科,外国語活動(知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の小学部において,外国語活動を設ける場合を含む。以下同じ。),総合的な学習の時間,特別活動(学級活動(学校給食に係る時間を除く。)に限る。以下,この項,イ及びカにおいて同じ。)及び自立活動(以下「各教科等」という。)の総授業時数は,小学校又は中学校の各学年における総授業時数に準ずるものとする。この場合,各教科等の目標及び内容を考慮し,それぞれの年間の授業時数を適切に定めるものとする。

  イ 小学部又は中学部の各教科等の授業は,年間35週(小学部第1学年については34週)以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が児童又は生徒の負担過重にならないようにするものとする。ただし,各教科等(中学部においては,特別活動を除く。)や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め,これらの授業を特定の期間に行うことができる。

  ウ 小学部又は中学部の各学年の総合的な学習の時間に充てる授業時数は,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を考慮して,視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校については,小学部第3学年以上及び中学部の各学年において,知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校については,中学部の各学年において,それぞれ適切に定めるものとする。

  エ 特別活動の授業のうち,小学部の児童会活動,クラブ活動及び学校行事並びに中学部の生徒会活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。

  オ 小学部又は中学部の各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じて,適切に定めるものとする。

  カ 各学校の時間割については,次の事項を踏まえ適切に編成するものとする。

   (ア) 小学部又は中学部の各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めること。

   (イ) 各教科等の特質に応じ,10分から15分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う場合において,当該教科等を担当する教師が,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中で,その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは,その時間を当該教科等の年間授業時数に含めることができること。

   (ウ) 給食,休憩などの時間については,各学校において工夫を加え,適切に定めること。

   (エ) 各学校において,児童又は生徒や学校,地域の実態及び各教科等や学習活動の特質等に応じて,創意工夫を生かした時間割を弾力的に編成できること。

  キ 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。

 (3) 指導計画の作成等に当たっての配慮事項

  ア 各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。

   (ア) 各教科等の各学年,各段階,各分野又は各言語の指導内容については,(1)のアを踏まえつつ,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加え,第4節の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して資質・能力を育む効果的な指導ができるようにすること。

   (イ) 各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。

   (ウ) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童に対する教育を行う特別支援学校の小学部において,学年の内容を2学年まとめて示した教科及び外国語活動については,当該学年間を見通して,児童や学校,地域の実態に応じ,児童の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を考慮しつつ,効果的,段階的に指導するようにすること。

   (エ) 小学部においては,児童の実態等を考慮し,指導の効果を高めるため,児童の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに指導内容の関連性等を踏まえつつ,合科的・関連的な指導を進めること。

   (オ) 知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校において,各教科,道徳科,外国語活動,特別活動及び自立活動の一部又は全部を合わせて指導を行う場合,各教科,道徳科,外国語活動,特別活動及び自立活動に示す内容を基に,児童又は生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容を設定するものとする。また,各教科等の内容の一部又は全部を合わせて指導を行う場合には,授業時数を適切に定めること。

  イ 各教科等の指導に当たっては,個々の児童又は生徒の実態を的確に把握し,次の事項に配慮しながら,個別の指導計画を作成すること。

   (ア) 児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに学習の進度等を考慮して,基礎的・基本的な事項に重点を置くこと。

   (イ) 児童又は生徒が,基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め,学習内容を確実に身に付けることができるよう,それぞれの児童又は生徒に作成した個別の指導計画や学校の実態に応じて,指導方法や指導体制の工夫改善に努めること。その際,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに学習の進度等を考慮して,個別指導を重視するとともに,グループ別指導,繰り返し指導,学習内容の習熟の程度に応じた学習,児童又は生徒の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや,教師間の協力による指導体制を確保することなど,指導方法や指導体制の工夫改善により,個に応じた指導の充実を図ること。その際,第4節の1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。

4 学部段階間及び学校段階等間の接続

教育課程の編成に当たっては,次の事項に配慮しながら,学部段階間及び学校段階等間の接続を図るものとする。

 (1) 小学部においては,幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえた指導を工夫することにより,特別支援学校幼稚部教育要領及び幼稚園教育要領等に基づく幼児期の教育を通して育まれた資質・能力を踏まえて教育活動を実施し,児童が主体的に自己を発揮しながら学びに向かうことが可能となるようにすること。

     また,低学年における教育全体において,例えば生活科において育成する自立し生活を豊かにしていくための資質・能力が,他教科等の学習においても生かされるようにするなど,教科等間の関連を積極的に図り,幼児期の教育及び中学年以降の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること。特に,小学部入学当初においては,幼児期において自発的な活動としての遊びを通して育まれてきたことが,各教科等における学習に円滑に接続されるよう,生活科を中心に,合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など,指導の工夫や指導計画の作成を行うこと。

 (2) 小学部においては,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領又は中学校学習指導要領及び特別支援学校高等部学習指導要領又は高等学校学習指導要領を踏まえ,中学部における教育又は中学校教育及びその後の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること。

 (3) 中学部においては,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領又は小学校学習指導要領を踏まえ,小学部における教育又は小学校教育までの学習の成果が中学部における教育に円滑に接続され,義務教育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を,生徒が確実に身に付けることができるよう工夫すること。

 (4) 中学部においては,特別支援学校高等部学習指導要領又は高等学校学習指導要領を踏まえ,高等部における教育又は高等学校教育及びその後の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること。

 

第4節 教育課程の実施と学習評価

 

1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善

  各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

 (1) 第2節の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,児童又は生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。

      特に,各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり,思考力,判断力,表現力等や学びに向かう力,人間性等を発揮させたりして,学習の対象となる物事を捉え思考することにより,各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し,児童又は生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。

 (2) 第3節の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校において必要な言語環境を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて,児童又は生徒の言語活動を充実すること。あわせて,(7)に示すとおり読書活動を充実すること。

 (3) 第3節の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

     あわせて,小学部においては,各教科等の特質に応じて,次の学習活動を計画的に実施すること。

  ア 児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動

  イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動

 (4) 児童又は生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を,計画的に取り入れるよう工夫すること。

 (5) 児童又は生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。

 (6) 児童又は生徒が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど,児童又は生徒の興味・関心を生かした自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。

 (7) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,児童又は生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,児童又は生徒の自主的,自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また,地域の図書館や博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を積極的に図り,資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。

2 障害のため通学して教育を受けることが困難な児童又は生徒に対して,教員を派遣して教育を行う場合については,障害の状態や学習環境等に応じて,指導方法や指導体制を工夫し,学習活動が効果的に行われるようにすること。

3 学習評価の充実

  学習評価の実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

 (1) 児童又は生徒のよい点や可能性,進歩の状況などを積極的に評価し,学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また,各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して,学習の過程や成果を評価し,指導の改善や学習意欲の向上を図り,資質・能力の育成に生かすようにすること。

 (2) 各教科等の指導に当たっては,個別の指導計画に基づいて行われた学習状況や結果を適切に評価し,指導目標や指導内容,指導方法の改善に努め,より効果的な指導ができるようにすること。

 (3) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう,組織的かつ計画的な取組を推進するとともに,学年や学校段階を越えて児童又は生徒の学習の成果が円滑に接続されるよう工夫すること。

 

第5節 児童又は生徒の調和的な発達の支援

 

1 児童又は生徒の調和的な発達を支える指導の充実

  教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

 (1) 学習や生活の基盤として,教師と児童又は生徒との信頼関係及び児童又は生徒相互のよりよい人間関係を育てるため,日頃から学級経営の充実を図ること。また,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の児童又は生徒の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により,児童又は生徒の発達を支援すること。

     あわせて,小学部の低学年,中学年,高学年の学年の時期の特長を生かした指導の工夫を行うこと。

 (2) 児童又は生徒が,自己の存在感を実感しながら,よりよい人間関係を形成し,有意義で充実した学校生活を送る中で,現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう,児童理解又は生徒理解を深め,学習指導と関連付けながら,生徒指導の充実を図ること。

 (3) 児童又は生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。その中で,中学部においては,生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。

 (4) 児童又は生徒が,学校教育を通じて身に付けた知識及び技能を活用し,もてる能力を最大限伸ばすことができるよう,生涯学習への意欲を高めるとともに,社会教育その他様々な学習機会に関する情報の提供に努めること。また,生涯を通じてスポーツや芸術文化活動に親しみ,豊かな生活を営むことができるよう,地域のスポーツ団体,文化芸術団体及び障害者福祉団体等と連携し,多様なスポーツや文化芸術活動を体験することができるよう配慮すること。

 (5) 家庭及び地域並びに医療,福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で児童又は生徒への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成すること。

 (6) 複数の種類の障害を併せ有する児童又は生徒(以下「重複障害者」という。)については,専門的な知識,技能を有する教師や特別支援学校間の協力の下に指導を行ったり,必要に応じて専門の医師やその他の専門家の指導・助言を求めたりするなどして,学習効果を一層高めるようにすること。

 (7) 学校医等との連絡を密にし,児童又は生徒の障害の状態等に応じた保健及び安全に十分留意すること。

2 海外から帰国した児童又は生徒などの学校生活への適応や,日本語の習得に困難のある児童又は生徒に対する日本語指導

 (1) 海外から帰国した児童又は生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行うものとする。

 (2) 日本語の習得に困難のある児童又は生徒については,個々の児童又は生徒の実態に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。特に,通級による日本語指導については,教師間の連携に努め,指導についての計画を個別に作成することなどにより,効果的な指導に努めるものとする。

3 学齢を経過した者への配慮

 (1) 中学部において,夜間その他の特別の時間に授業を行う課程において学齢を経過した者を対象として特別の教育課程を編成する場合には,学齢を経過した者の年齢,経験又は勤労状況その他の実情を踏まえ,中学部における教育の目的及び目標並びに第2章第2節以下に示す各教科等の目標に照らして,中学部における教育を通じて育成を目指す資質・能力を身に付けることができるようにするものとする。

 (2) 学齢を経過した者を教育する場合には,個別学習やグループ別学習など指導方法や指導体制の工夫改善に努めるものとする。

 

第6節 学校運営上の留意事項

 

1 教育課程の改善と学校評価等,教育課程外の活動との連携等

 (1) 各学校においては,校長の方針の下に,校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ,相互に連携しながら,各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また,各学校が行う学校評価については,教育課程の編成,実施,改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ,カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。

 (2) 教育課程の編成及び実施に当たっては,学校保健計画,学校安全計画,食に関する指導の全体計画,いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針など,各分野における学校の全体計画等と関連付けながら,効果的な指導が行われるよう留意するものとする。

 (3) 中学部において,教育課程外の学校教育活動と教育課程との関連が図られるよう留意するものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵(かん)養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,学校や地域の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い,持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。

2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携

  教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

 (1) 学校がその目的を達成するため,学校や地域の実態等に応じ,教育活動の実施に必要な人的又は物的な体制を家庭や地域の人々の協力を得ながら整えるなど,家庭や地域社会との連携及び協働を深めること。また,高齢者や異年齢の子供など,地域における世代を越えた交流の機会を設けること。

 (2) 他の特別支援学校や,幼稚園,認定こども園,保育所,小学校,中学校,高等学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のない幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け,共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むようにすること。

     特に,小学部の児童又は中学部の生徒の経験を広げて積極的な態度を養い,社会性や豊かな人間性を育むために,学校の教育活動全体を通じて,小学校の児童又は中学校の生徒などと交流及び共同学習を計画的,組織的に行うとともに,地域の人々などと活動を共にする機会を積極的に設けること。

3 小学校又は中学校等の要請により,障害のある児童若しくは生徒又は当該児童若しくは生徒の教育を担当する教師等に対して必要な助言又は援助を行ったり,地域の実態や家庭の要請等により保護者等に対して教育相談を行ったりするなど,各学校の教師の専門性や施設・設備を生かした地域における特別支援教育のセンターとしての役割を果たすよう努めること。その際,学校として組織的に取り組むことができるよう校内体制を整備するとともに,他の特別支援学校や地域の小学校又は中学校等との連携を図ること。

 

第7節 道徳教育に関する配慮事項

 

道徳教育を進めるに当たっては,道徳教育の特質を踏まえ,前項までに示す事項に加え,次の事項に配慮するものとする。

 1 各学校においては,第2節の2の(2)に示す道徳教育の目標を踏まえ,道徳教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育を展開すること。なお,道徳教育の全体計画の作成に当たっては,児童又は生徒や学校,地域の実態を考慮して,学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに,道徳科の指導方針,第3章特別の教科道徳に示す内容との関連を踏まえた各教科,外国語活動,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動における指導の内容及び時期並びに家庭や地域社会との連携の方法を示すこと。

 2 小学部においては,児童の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。その際,各学年を通じて,自立心や自律性,生命を尊重する心や他者を思いやる心を育てることに留意すること。また,各学年段階においては,次の事項に留意すること。

  (1) 第1学年及び第2学年においては,挨拶などの基本的な生活習慣を身に付けること,善悪を判断し,してはならないことをしないこと,社会生活上のきまりを守ること。

  (2) 第3学年及び第4学年においては,善悪を判断し,正しいと判断したことを行うこと,身近な人々と協力し助け合うこと,集団や社会のきまりを守ること。

  (3) 第5学年及び第6学年においては,相手の考え方や立場を理解して支え合うこと,法やきまりの意義を理解して進んで守ること,集団生活の充実に努めること,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重すること。

 3 小学部においては,学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,集団宿泊活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験を充実すること。また,道徳教育の指導内容が,児童の日常生活に生かされるようにすること。その際,いじめの防止や安全の確保等にも資することとなるよう留意すること。

 4 中学部においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。その際,小学部における道徳教育の指導内容を更に発展させ,自立心や自律性を高め,規律ある生活をすること,生命を尊重する心や自らの弱さを克服して気高く生きようとする心を育てること,法やきまりの意義に関する理解を深めること,自らの将来の生き方を考え主体的に社会の形成に参画する意欲と態度を養うこと,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重すること,国際社会に生きる日本人としての自覚を身に付けることに留意すること。

 5 中学部においては,学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験を充実すること。また,道徳教育の指導内容が,生徒の日常生活に生かされるようにすること。その際,いじめの防止や安全の確保等にも資することとなるよう留意すること。

 6 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。

 

第8節 重複障害者等に関する教育課程の取扱い

 

1 児童又は生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,次に示すところによるものとする。その際,各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動の当該各学年より後の各学年(知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科の当該各段階より後の各段階)又は当該各学部より後の各学部の目標の系統性や内容の関連に留意しなければならない。

 (1) 各教科及び外国語活動の目標及び内容に関する事項の一部を取り扱わないことができること。

 (2) 各教科の各学年の目標及び内容の一部又は全部を,当該各学年より前の各学年の目標及び内容の一部又は全部によって,替えることができること。また,道徳科の各学年の内容の一部又は全部を,当該各学年より前の学年の内容の一部又は全部によって,替えることができること。

 (3) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童に対する教育を行う特別支援学校の小学部の外国語科については,外国語活動の目標及び内容の一部を取り入れることができること。

 (4) 中学部の各教科及び道徳科の目標及び内容に関する事項の一部又は全部を,当該各教科に相当する小学部の各教科及び道徳科の目標及び内容に関する事項の一部又は全部によって,替えることができること。

 (5) 中学部の外国語科については,小学部の外国語活動の目標及び内容の一部を取り入れることができること。

 (6) 幼稚部教育要領に示す各領域のねらい及び内容の一部を取り入れることができること。

2 知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の小学部に就学する児童のうち,小学部の3段階に示す各教科又は外国語活動の内容を習得し目標を達成している者については,小学校学習指導要領第2章に示す各教科及び第4章に示す外国語活動の目標及び内容の一部を取り入れることができるものとする。

  また,知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の中学部の2段階に示す各教科の内容を習得し目標を達成している者については,中学校学習指導要領第2章に示す各教科の目標及び内容並びに小学校学習指導要領第2章に示す各教科及び第4章に示す外国語活動の目標及び内容の一部を取り入れることができるものとする。

3 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校に就学する児童又は生徒のうち,知的障害を併せ有する者については,各教科の目標及び内容に関する事項の一部又は全部を,当該各教科に相当する第2章第1節第2款若しくは第2節第2款に示す知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科の目標及び内容の一部又は全部によって,替えることができるものとする。また,小学部の児童については,外国語活動の目標及び内容の一部又は全部を第4章第2款に示す知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の外国語活動の目標及び内容の一部又は全部によって,替えることができるものとする。したがって,この場合,小学部の児童については,外国語科及び総合的な学習の時間を,中学部の生徒については,外国語科を設けないことができるものとする。

4 重複障害者のうち,障害の状態により特に必要がある場合には,各教科,道徳科,外国語活動若しくは特別活動の目標及び内容に関する事項の一部又は各教科,外国語活動若しくは総合的な学習の時間に替えて,自立活動を主として指導を行うことができるものとする。

5 障害のため通学して教育を受けることが困難な児童又は生徒に対して,教員を派遣して教育を行う場合については,上記1から4に示すところによることができるものとする。

6 重複障害者,療養中の児童若しくは生徒又は障害のため通学して教育を受けることが困難な児童若しくは生徒に対して教員を派遣して教育を行う場合について,特に必要があるときは,実情に応じた授業時数を適切に定めるものとする。