第12節 美 術
第1款目標
美術に関する専門的な学習を通して,美的体験を豊かにし,感性を磨き,創造的な表現と鑑賞の能力を高めるとともに,美術文化の発展と創造に寄与する態度を育てる。
第2款各科目
第1美術概論
1目標
美術の理論的学習を通して,芸術としての美術の意義を理解し,表現と鑑賞の基礎となる能力と態度を高める。
2内容
(1) 美術と自然
(2) 美術と社会
(3) 美術と生活
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)の各事項とも扱うものとする。
第2美術史
1目標
美術の変遷の学習を通して,文化遺産や美術文化についての理解を深め,伝統と文化を尊重する態度と新たな美術文化を創造していく基礎となる能力を高める。
2内容
(1) 日本の美術と文化
(2) 東洋の美術と文化
(3) 西洋の美術と文化
(4) 現代の美術と文化
3内容の取扱い
内容の(1)から(4)までの各事項とも扱うものとする。
第3素描
1目標
対象のイメージや空間を把握し,造形表現の基礎となる観察力と描写力を高める。
2内容
(1) デッサン
(2) スケッチ
(3) 表現材料
(4) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)については,相互に関連付けて扱うようにする。
第4構成
1目標
造形的な創造活動の基本となる諸要素の理解を深め,感性や造形感覚と創造的な構成の能力を高める。
2内容
(1) 形体,色彩
(2) 材料
(3) 平面構成,立体構成
(4) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)については,相互に関連付けて扱うようにする。
第5絵画
1目標
いろいろな表現形式による絵画表現に関する学習を通して,表現と鑑賞の能力を高める。
2内容
(1) 日本画
(2) 水彩画
(3) 油彩画
(4) 漫画,イラストレ−ション
(5) その他の絵画
(6) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1)から(5)までについては,そのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
第6版画
1目標
いろいろな表現形式による版画表現に関する学習を通して,表現と鑑賞の能力を高める。
2内容
(1) 木版画
(2) 銅版画
(3) リトグラフ
(4) シルクスクリーン
(5) その他の版画
(6) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(2)から(5)までについては,そのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
第7彫刻
1目標
いろいろな材料による彫刻など立体造形の表現に関する学習を通して,表現と鑑賞の能力を高める。
2内容
(1) 彫造
(2) 塑造
(3) その他の彫刻及び立体造形
(4) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)については,そのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
第8ビジュアルデザイン
1目標
視覚的な伝達効果を主とするデザインについての理解を深め,表現と鑑賞の能力を高める。
2内容
(1) デザインの基礎
(2) 平面・立体デザイン
(3) 空間デザイン
(4) 図法,表示法
(5) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(2)及び(3)については,いずれかを選択して扱うことができる。
第9クラフトデザイン
1目標
美的造形性や機能性を主とする造形のデザインについての理解を深め,表現と鑑賞の能を高める。
2内容
(1) デザインの基礎
(2) 図法,製図
(3) 工芸
(4) プロダクトデザイン
(5) 伝統工芸
(6) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(3),(4)及び(5)については,そのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
第10 情報メディアデザイン
1目標
情報の表現,伝達及び共有を主とする情報メディアデザインについての理解を深め,表現と鑑賞の能力を高める。
2内容
(1) 情報メディアの基礎
(2) 情報の視覚化
(3) 伝達,交流,共有
(4) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)については,相互に関連付けて扱うようにする。
第11 映像表現
1目標
写真,ビデオ等の映像機器を使った表現に関する学習を通して,表現と鑑賞の能力を高める。
2内容
(1) 機器,用具,材料の知識及び使用技術
(2) 企画,構成,演出
(3) 編集,合成,加工
(4) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)については,相互に関連付けて扱うようにする。
第12 環境造形
1目標
自然や生活環境と造形との調和についての理解を深め,造形の諸要素を環境の構成に総合的に生かす実践的な能力と態度を育てる。
2内容
(1) 環境造形
(2) 展示造形
(3) 舞台造形
(4) 環境総合芸術
(5) 鑑賞
3内容の取扱い
内容の(1)から(4)までについては,そのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
第13 鑑賞研究
1目標
文化財や美術作品,作家などについての鑑賞研究を通して,美術に対する理解を深め,美術や美術文化を尊重する態度を養い,批評する能力を育てる。
2内容
(1) 作品・作家に関する研究
(2) 文化財の保存・修復に関する研究
(3) 展示企画,展示構成
(4) 美術批評
3内容の取扱い
内容の(1),(2)及び(3)については,そのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1美術に関する学科における指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 「美術史」,「素描」及び「構成」については,原則として,すべての生徒に履修させること。
(2) 特定の科目を専門的に履修させることや同一の科目を2以上の年次にわたって履修させること,複数の科目を関連付けて取り扱うことなど,履修の仕方を工夫することによって,生徒の特性の伸長が図れるようにすること。
2内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の特質を踏まえ,学校の実態に応じて学校図書館を活用するとともに,コンピュータや情報通信ネットワークなどを指導に生かすこと。
(2) 各科目の特質を踏まえ,地域や学校の実態に応じて,地域の文化財,文化施設,社会教育施設等の活用を図ったり,地域の人材の協力を求めたりすること。
(3) 美術に関する知的財産権や肖像権などについて配慮し,自己や他者の著作物等を尊重する態度の形成を図るようにすること。
(4) 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底すること。