第1 目 標
はり,きゅう,あん摩・マッサージ・指圧に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,理療の本質と社会的な意義を理解させるとともに,国民の健康の保持増進及び疾病の治療に寄与する能力と態度を育てる。
第2 各科目
医学,医療及び理療の歴史,医療制度と関係法規に関する基礎的な知識を習得させるとともに,理療従事者の倫理について理解させ,施術者として必要な能力と態度を育てる。
2 内 容
オ 医療行政
イ 内容の(3)及び(4)については,「地域理療と理療経営」との関連を考慮して指導すること。
イ 内容の(3)のアについては,湯液,鍼灸(しんきゅう),あん摩・マッサージ・指圧等の現代における意義と役割を扱うこと。
ウ 内容の(4)については,国民の健康の保持増進及び疾病の治療に寄与する観点から,理療従事者の心構え等について,十分な理解を促すよう具体的に指導すること。
エ 内容の(6)のアについては,医療法,医師法等の概要を扱うこと。
人体諸器官の形態と構造及び機能について理解させ,これを施術に応用する能力と態度を育てる。
2 内 容
オ 人体の発生
オ 内分泌系 カ 循環器系 キ 神経系 ク 感覚器系
ケ 主な部位の局所解剖
オ 代謝と体温 カ 内分泌 キ 生殖と成長 ク 神経の働き
ケ 感覚
イ 内容の(2)については,標本,模型などを有効に活用して,指導の効果を高めるよう配慮すること。
ウ 内容の(5)については,「疾病の成り立ちと予防」との関連を考慮して扱うこと。
健康の保持,疾病の成り立ちと予防に関する基礎的な知識を習得させ,これを施術に応用する能力と態度を育てる。
2 内 容
エ 疾病の経過,予後及び転帰
オ 腫瘍(しゅよう) カ 免疫の異常とアレルギー
イ 内容の(5)については,代表的な疾患を取り上げ,その発生に関する危険因子からの回避に重点を置いて扱うこと。また,生活習慣病や感染症に関する最新の情報も扱うこと。
ウ 内容の(9)については,半健康状態及び東洋医学の未病の概念を取り入れながら指導すること。
臨床医学やリハビリテーションに関する基礎的な知識を習得させるとともに,疾病と日常生活とのかかわりを理解させ,施術を適切に行う能力と態度を育てる。
2 内 容
オ 腰下肢痛 カ 膝(しつ)痛 キ 高血圧と低血圧 ク その他の症状
エ 泌尿・生殖器疾患 オ 内分泌・代謝疾患及びビタミン欠乏症
カ 運動器疾患 キ 血液・循環器疾患 ク 神経系疾患
ケ その他の疾患
イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学
ウ 診察,評価,治療計画と記録 エ 運動学の基礎
エ 慢性関節リウマチ オ 整形外科疾患
イ 内容の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断を扱い,理療施術を行うことの適否の判断に生かすことができるようにすること。
ウ 内容の(3)のイについては,代表的な治療法と適応疾患を中心に扱うこと。
エ 内容の(5)については,現代医学の立場から各疾患の原因,症状,治療法を中心に指導すること。なお,各症状に対する治療については,理療施術の有効性との関連を考慮して扱うこと。
オ 内容の(6)については,チーム医療としてのリハビリテーションの過程を,症例紹介やリハビリテーション施設の見学等を取り入れて指導すること。
東洋医学の概念,理療施術の意義及び治効理論について理解させ,施術を効果的に行う能力と態度を育てる。
2 内 容
エ 気血,営衛,津液 オ 病因 カ 証
オ きゅう カ 理療の臨床応用
ウ 生体反応と治効メカニズム エ 関連学説
イ 内容の(1)から(4)までについては,理療施術との関連を重視して扱うこと。
ウ 内容の(6)については,内容の(4)や研究の成果を総合し,理療の臨床効果という観点から指導すること。また,「人体の構造と機能」との関連を考慮して扱うこと。
イ 内容の(5)については,基本手技を取り上げ,その特徴を理解させるとともに,臨床において理療施術を行うことの適否についても指導すること。アからウまでについては,諸外国における徒手による施術法についても扱うこと。エについては,特殊な鍼(しん)法も扱うこと。
ウ 内容の(6)のアからウまでについては,特に,運動器疾患や内臓器疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学的意味と臨床への応用という観点から扱うこと。
診察に基づいて,理療施術の適否を判断し,施術を適切に行う能力と態度を育てる。
2 内 容
ウ 生活習慣病予防のための理療施術 エ その他の健康療法
オ 腰下肢痛 カ 膝(しつ)痛 キ 高血圧と低血圧 ク その他の症状
オ 気管支喘(ぜん)息 カ アレルギー疾患 キ 末梢神経麻痺(ひ)
ク 筋筋膜炎,腱鞘(けんしょう)炎 ケ 捻挫(ねんざ),脱臼(きゅう),骨折
コ その他の疾患
ウ 要介護高齢者に対する理療施術
ウ 主なスポーツ障害・外傷の理療施術
ウ 主な職業起因性症状の理療施術
イ 指導に当たっては,「理療基礎実習」における実技実習との関連を考慮すること。
イ 内容の(3)については,東洋医学における未病の考え方を踏まえて扱うこと。
ウ 内容の(4)及び(5)については,「生活と疾病」で取り上げる症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導,生活指導及び応急処置の方法も含めて扱うこと。
エ 内容の(6)のウについては,特に,片麻痺(ひ)患者の維持期リハビリテーションについて扱うこと。
オ 内容の(7)のウについては,テーピングの基本についても扱うこと。
現代社会における理療の役割及び高齢社会における医療と福祉の在り方を理解させるとともに,理療経営の実際的な知識を習得させる。
2 内 容
ウ 諸外国における鍼灸(しんきゅう),徒手による施術
イ 内容の(3)については,経営の実際の基本的な事項を扱うこと。
理療に関する実際的な知識と基礎的な技術を習得させ,施術を適切かつ効果的に行う能力と態度を育てる。
2 内 容
イ マッサージの基本手技と身体各部の施術
ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術
ウ 物理療法の応用
イ 内容の(1)については,この科目全体を通して習慣化されるよう取り扱うこと。
イ 内容の(2)については,運動法の基本等についても扱うこと。
ウ 内容の(3)のウについては,小児鍼(しん)及び皮内鍼(しん)を中心に指導すること。
エ 内容の(4)については,施灸(きゅう)の基本及び各種の施灸(きゅう)法を生徒の視覚障害の状態に応じて具体的に指導し,臨床に生かすことができるようにすること。
オ 内容の(5)のア及びイについては,片麻痺(ひ)の評価,機能回復訓練の基本を含めて扱うこと。
カ 内容の(6)のイについては,臨床実習への導入として位置付け,「臨床理療学」の内容の(4)及び(5)で取り上げる症状や疾患に対する施術の実際を扱うこと。
理療に関する知識と技術を総合的に習得させ,施術を適切かつ効果的に行う能力と態度を育てる。
2 内 容
イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的に理解できるように指導すること。
ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当については,生徒の実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り扱うこと。
エ 内容の(2)については,理療の実践に適した施設等を選定し,当該施設等との十分な連絡調整を図ること。
イ 内容の(2)のイについては,多様な理療関連業務を理解するための施設見学や生徒の進路希望に対応した実習ができるように計画すること。ウについては,施術所経営に関する実際的な基礎的知識が養われるように,臨床経験の豊富な人の話や施術所見学,模擬経営実習などを通して,具体的に指導すること。
社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとともに,情報処理に関する知識と技術を習得させ,理療の分野で情報及び情報手段を活用する能力と態度を育てる。
2 内 容
ウ 情報の価値とモラル
ウ 情報通信ネットワーク
イ 理療援助の支援システム ウ 理療管理業務の支援システム
エ 地域保健医療情報システム オ 個人情報の管理
イ 内容の(1)及び(2)については,理療に関する題材やデータを用いることなどにより,理療の分野との関連を考慮した指導を行うよう留意すること。
イ 内容の(2)のイについては,生徒の実態等に応じてアプリケーションソフトウェアを選択し,その基本操作を扱うこと。ウについては,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,発信について体験的に理解させること。
ウ 内容の(3)のイについては,理療援助を適切に行うための情報システムの活用について具体的に扱うこと。ウ及びエについては,理療管理業務及び地域保健医療を支援する情報システムの活用状況について理解させること。
理療に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。
2 内 容
(2) 職業資格の取得
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。
第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(2) 「理療基礎実習」及び「理療臨床実習」の指導に当たっては,生徒が常に達成感と新たな技術習得への意欲をもって学習できるように,指導内容の構成や指導方法の工夫に十分留意すること。
(3) 臨床実習の指導に当たっては,理療施術の対象となる代表的な症状や疾患について確実に施術ができるようにするため,個々の生徒の実態に応じた指導計画の作成に配慮すること。
(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。
(3) 各科目の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,当該科目を履修するすべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。