第1 目 標
生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術とのかかわりについて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。
第2 各分野の目標及び内容
実践的・体験的な学習活動を通して,ものづくりやエネルギー利用及びコンピュータ活用等に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,技術が果たす役割について理解を深め,それらを適切に活用する能力と態度を育てる。
2 内 容
A 技術とものづくり
イ 技術と環境・エネルギー・資源との関係について知ること。
イ 製作品に用いる材料の特徴と利用方法を知ること。
ウ 製作品の構想の表示方法を知り,製作に必要な図をかくことができること。
イ 工具や機器を適切に使い,製作品の部品加工,組立て及び仕上げができること。
イ 機器の保守と事故防止ができること。
イ 製作品の組立て・調整や,電気回路の配線・点検ができること。
イ 栽培する作物に即した計画を立て,作物の栽培ができること。
イ 情報化が社会や生活に及ぼす影響を知り,情報モラルの必要性について考えること。
イ ソフトウェアの機能を知ること。
イ ソフトウェアを用いて,基本的な情報の処理ができること。
イ 情報を収集,判断,処理し,発信ができること。
イ ソフトウェアを選択して,表現や発信ができること。
イ コンピュータを用いて,簡単な計測・制御ができること。
イ (2),(3)及び(4)については,主として木材・金属などを使用した製作品を取り上げること。(2)のウについては,等角図,キャビネット図のいずれかを扱うこと。
ウ (4)については,製作に使用する電気機器の基本的な電気回路や,漏電・感電等についても扱うこと。
エ (6)については,草花や野菜等の普通栽培を原則とするが,地域や学校の実情等に応じて施設栽培等を扱うこともできること。
イ (3)のイについては,生徒の実態を考慮し文書処理,データベース処理,表計算処理,図形処理等の中から選択して取り上げること。
ウ (4)については,コンピュータを利用したネットワークについて扱うこと。
エ (6)のイについては,インタフェースの仕組み等に深入りしないこと。
実践的・体験的な学習活動を通して,生活の自立に必要な衣食住に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,家庭の機能について理解を深め,課題をもって生活をよりよくしようとする能力と態度を育てる。
2 内 容
A 生活の自立と衣食住
イ 栄養素の種類と働きを知り,中学生の時期の栄養の特徴について考えること。
ウ 食品の栄養的特質を知り,中学生に必要な栄養を満たす1日分の献立を考えること。
イ 簡単な日常食の調理ができること。
ウ 食生活の安全と衛生に留意し,食品や調理器具等の適切な管理ができること。
イ 日常着の計画的な活用を考え,適切な選択ができること。
ウ 衣服材料に応じた日常着の適切な手入れと補修ができること。
イ 安全で快適な室内環境の整え方を知り,よりよい住まい方の工夫ができること。
イ 会食について課題をもち,計画を立てて実践できること。
イ 簡単な衣服の製作について課題をもち,計画を立てて製作できること。
(2) 幼児の発達と家族について,次の事項を指導する。
イ 幼児の心身の発達の特徴を知り,子どもが育つ環境としての家族の役割について考えること。
イ 家庭生活は地域の人々に支えられていることを知ること。
イ 自分の生活が環境に与える影響について考え,環境に配慮した消費生活を工夫すること。
イ 幼児の心身の発達を考え,幼児との触れ合いやかかわり方の工夫ができること。
イ 環境や資源に配慮した生活の工夫について,課題をもって実践できること。
イ (2)のアについては,調理実習で用いる生鮮食品の良否と加工食品の表示を扱うこと。(2)のイについては,魚,肉,野菜を中心として扱い,基礎的な題材を取り上げること。
ウ (3)のイについては,既製服の表示と選択に当たっての留意事項を扱うこと。
エ (4)のアについては,住空間の計画,平面図は扱わないこと。
オ (6)のイについては,生徒が活用できる日常着を扱うこと。なお,地域,学校及び生徒の実態等により,和服等の平面構成の基礎について扱うこともできること。
イ (2)のイについては,幼児期における基本的な生活習慣の形成の重要性についても扱うこと。
ウ (4)のアについては,中学生にかかわりの深い販売方法を取り上げること。
エ (5)のイについては,幼稚園や保育所等で幼児との触れ合いができるよう留意すること。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(2) 技術分野の内容の「A技術とものづくり」及び「B情報とコンピュータ」並びに家庭分野の内容の「A生活の自立と衣食住」及び「B家族と家庭生活」の各項目に配当する授業時数及び履修学年については,地域,学校及び生徒の実態等に応じて,各学校において適切に定めること。
(3) 各項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるよう適切な題材を設定して計画を作成すること。
(2) 生徒が自分の生活に結び付けて学習できるよう,問題解決的な学習を充実すること。
4 第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
5 選択教科としての「技術・家庭」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,基礎的・基本的な知識と技術の定着を図るための補充的な学習,地域の実態に即したり各分野の内容を統合したりする発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。