第1 目 標
数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
(2) 平面図形や空間図形についての観察,操作や実験を通して,図形に対する直観的な見方や考え方を深めるとともに,論理的に考察する基礎を培う。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,比例,反比例の見方や考え方を深めるとともに,数量の関係を表現し考察する基礎を培う。
A 数と式
イ 正の数と負の数の四則計算の意味を理解し,簡単な計算ができること。
イ 文字を用いた式における乗法,除法の表し方を知ること。
ウ 簡単な一次式の加法と減法の計算ができること。
イ 等式の性質を見いだし,方程式がそれに基づいて解けることを知ること。
ウ 簡単な一元一次方程式を解くことができ,それを利用できること。
自然数 符号 絶対値 項 係数 < > ≦ ≧
イ 角の二等分線,線分の垂直二等分線,垂線などの基本的な作図の方法を理解し,それを利用することができること。
イ 空間図形を直線や平面図形の運動によって構成されているものととらえたり空間図形を平面上に表現したりすることができること。
ウ 扇形の弧の長さと面積及び基本的な柱体,錐(すい)体の表面積と体積を求めることができること。
弧 弦 回転体 π // ⊥ ∠ △
イ 座標の意味を理解すること。
ウ 比例,反比例を表,式,グラフなどで表し,それらの特徴を理解すること。
エ 比例,反比例の見方や考え方を活用できること。
変数 変域
(2) 内容の「A数と式」の(2)における式の値を求める計算については,一つの文字に代入する場合のみを取り上げるものとする。
(3) 内容の「B図形」の(1)に関連して,円の接線はその接点を通る半径に垂直であることを取り扱うものとする。
(4) 内容の「B図形」の(2)のイについては,断面図や投影図は取り扱わないものとする。
(5) 内容の「B図形」の(2)のウについては,三角形や円などの図形を底面とする柱体,錐体について取り扱うものとする。
(2) 基本的な平面図形の性質について,観察,操作や実験を通して理解を深めるとともに,図形の性質の考察における数学的な推論の意義と方法とを理解し,推論の過程を的確に表現する能力を養う。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,一次関数について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を養う。また,具体的な事象についての観察や実験を通して,確率の考え方の基礎を培う。
A 数と式
イ 数量及び数量の関係をとらえるために文字式を利用できることを理解すること。
ウ 目的に応じて,簡単な式を変形できること。
イ 連立二元一次方程式とその解の意味を理解し,簡単な連立二元一次方程式を解くことができ,それを利用できること。
同類項
イ 平行線の性質や三角形の角についての性質を基にして,多角形の角についての性質が見いだせることを知ること。
イ 三角形の合同条件を理解し,それに基づいて三角形や平行四辺形の性質を論理的に確かめることができること。
ウ 円周角と中心角の関係を観察や実験などを通して見いだし,それが論理的に確かめられることを知ること。
対頂角 内角 外角 定義 証明 ≡
イ 一次関数のとる値の変化の割合とグラフの特徴を理解するとともに,一次関数を利用できること。
ウ 二元一次方程式を関数を表す式とみることができること。
イ 不確定な事象が起こり得る程度を表す確率の意味を理解し,簡単な場合について確率を求めることができること。
(2) 内容の「B図形」の(2)のイに関連して,正方形,ひし形,長方形を取り扱う際には,これらが平行四辺形の特別な形であることを理解するにとどめるものとする。
(3) 内容の「B図形」の(2)のウについては,円周角の定理の逆は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「C数量関係」の(1)のウについては,x=hは取り扱わないものとする。
(5) 内容の「C数量関係」の(2)のイについては,起こり得るすべての場合を樹形図などを利用して簡単に求めることができる程度の事象を取り上げるものとする。
(6) 内容の「C数量関係」の(2)のイについては,確率を余事象の考えによって求めることは取り扱わないものとする。
(2) 図形の相似や三平方の定理について,観察,操作や実験を通して理解し,それらを図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばすとともに,図形について見通しをもって論理的に考察し表現する能力を伸ばす。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,関数y=ax2について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす。
A 数と式
イ 数の平方根を含む簡単な式の計算ができること。
イ 簡単な一次式の乗法の計算ができ,次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解ができること。
(a+b)2=a2+2ab+b2
(a-b)2=a2-2ab+b2
(a+b)(a-b)=a2-b2
(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
イ 簡単な二次方程式を解くことができ,それを利用できること。
根号 素数 因数 √
イ 平行線と線分の比についての性質を見いだし,それらを確かめることができること。
ウ 相似の考えを活用できること。
イ 三平方の定理の意味を理解し,それを利用できること。
∽
イ 関数y=ax2のグラフの特徴と関数のとる値の変化の割合について理解すること。
(2) 内容の「A数と式」の(2)などに関連して,自然数を素因数に分解することを取り扱うものとする。
(3) 内容の「A数と式」の(2)のイについては,公式が利用できる程度のものにとどめ,多項式を一つの文字に置き換えての因数分解は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「A数と式」の(3)のイについては,ax2=b(a,bは有理数で,実数解をもつもの)の二次方程式及びx2+px+q=0(p,qは整数で,実数解をもつもの)の二次方程式のうち内容の「A数と式」の(2)のイに示した公式を利用し因数分解を用いて解くことのできるものを取り上げることを原則とする。因数分解を用いて解くことができない二次方程式については,xの係数が偶数である簡単な例を取り上げ,平方の形に変形して解く方法があることを知ることにとどめるものとする。解の公式は取り扱わないものとする。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 第2の各学年の目標の達成に支障のない範囲内で,当該学年の内容の一部を軽く取り扱い,それを後の学年で指導することができる。また,学年の目標を逸脱しない範囲内で,後の学年の内容の一部を加えて指導することもできる。
2 生徒の主体的な学習を促し数学的な見方や考え方の育成を図るため,各領域の内容を総合したり日常の事象に関連付けたりした適切な課題を設け,作業,観察,実験,調査などの活動を重視して行う課題学習を各学年で指導計画に適切に位置付け実施するものとする。
3 第2の各学年の内容に示す〔用語・記号〕は,当該学年で取り扱う内容の範囲や程度を明確にするために示したものであり,その指導に当たっては,各学年の内容と密接に関連させて取り上げるよう配慮するものとする。
4 各領域の指導に当たっては,必要に応じ,そろばん,電卓,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用し,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。特に,数値計算にかかわる内容の指導や観察,操作,実験などによる指導を行う際にはこのことに配慮するものとする。
5 第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
6 選択教科としての「数学」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,作業,実験,調査,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。